ギルドって聞くとワクワクするよね
「ついたぞ。ここが冒険者ギルドだ」
「ここが冒険者ギルドですかー」 (キュウー)
「出ちゃだめだよ。ここまでいい子にできてるんだからもう少し頑張って。」
「さぁレンを案内するとしよ「ちょっと待ってください私たちが
一緒に入ったらレン君すごい目立ちますよ。隠すことがあるんですからあまり目立たないようにしないと」
「それもそうだな。じゃあ終わるまで向かいの店で暇でもつぶすかちょうど外の席空いてるし。」
「はぁ。そうなるか。まぁそこならフィーリアを待つのにもちょうどいいしな」
すごい落ち込んでる。そんなに案内したかったのかな、うれしいけども。
「じゃあ行ってきますね。僕頑張ります」
僕は初めてのことにワクワクしてるけどそれでも覚悟を決めてギルドの扉を開いた。
「あれ。なんでみんなギルドに入ってないの?」
「よぉ!フィリ用事は終わったのか」
「わたしたちが一緒に行ったらレン君目立っちゃいますからここで待つことにしたんですよ」
「そう。仕方ないけど。まぁちょうどいいかな。話したいこともあるし。」
「話したいことってなんだよ」
「レンについて。あの子のことどう思う?」
「俺はいい子だと思うがな!」
「そういうことじゃねぇだろ。まぁ育ちは良さそうだったな。態度とか動きを見るとたぶんある程度は裕福な家庭で育ったんじゃねぇの」
「でもそれにしては知らないことが多かった。魔法を見たことないのはまだわかるけど深層も魔層も知らなかったのはちょっと気になる。」
「そもそも元いた場所はどこなんでしょうか。この森の周りには他に町はなかったと思いますよ。流石に神殿の管理外の村とかまでは把握できませんけど」
「行くところがないって言ってたけどよ。家を継がねぇ三男とかが出ていくとか、最悪でも村が滅んだとか良くあることだ。家から追い出されたんだとしてもあの様子じゃ自分の中で区切りがついてそうだし。村については俺たちの考えすぎかもう手遅れかのどっちかだろう。どっちにしろ俺たちが手を出すことじゃないぞ」
「そうですよ。そもそも過去の詮索はマナー違反です。いつもそんなこと気にしないのに急にどうしたんですか」
「うーん。なんとなく気になったからかな。精霊について知りたいだけかも自分でもよくわかんないや。そういえば、あの宝晶兎に私がつけてない傷があったらしい。」
「ほう!それをレンがやったのならすごいことじゃないか。あいつらスピードが早いからちゃんと見切らないと攻撃が当てづらいからな」
「それは、まぁそうだな。珍しくアルが正しいな。いいことじゃないか」
「そうですね。私たちが余り心配する必要はないかもしれませんよ。過干渉は誰のためにもなりませんし、そもそも私たちにはやることがあるでしょう」
「そうだね。これ以上の詮索はレンにも悪いね。気をつけるよ。」
「あれ、みなさんこんなところで何しているんですかね。夕方までは帰らないと聞いていましたが随分と早いお帰りですね」
「お前は・・」
はぁギルドの中に入ってみたけどやっぱり目立つのかいろいろ見られてるなぁ。
「ここに子供か来るとは珍しい。十中八九依頼だろうな」
「緊急の依頼じゃなければいいんだけど」
「ぱっと見では切羽詰まった様子じゃないから大丈夫じゃね」
(ふるふる)
相棒の様子が変だな。震えてる、どうしてだろう何か近くに怯える原因になるようなものでもあるのか。あたりを見回しても特に異常なものは見つからない、ここの外に原因があるかもしれないしもしかしたらこの中の誰かが
「今日はなんの御用でいらっしゃいましたか?」
「ヒッ、いや、あの」
気づかなかった。いつのまにか目の前にいた。ていうかいつからいたの。相棒はこの人に怯えてるんじゃないよね。
「よろしければ奥の部屋までご案内しましょうか?」
「はっはい。ありがとうございます」
ちょっと怖いけどあんまり目立ちたくないし、ついていくことにしよう。
「さっきの子ヒッって言ってたな」
「しょうがないと思いますよ。あの受付の人いい人だし優秀ですけどちょっと目が怖いですから」
「いやあれはそれ以外にも問題があると思うけどな」
「それにしてもさっきの子なんか懐かしい香りがするんですよね」
「なんだ同郷か?俺には学園で会ったかどうかなんてわかんねぇぞ」
「あなたはまぁそうでしょうね。でもボクにも会った記憶はないんですよね」
「それはどのくらい気になるんだよ。優先すべきことなのかよ」
「もし依頼を出すとしたら受ける必要があると思うぐらいですかね」
「はぁー。ここでは失敗できないんだぞ。なのにこっちきて最初にやることが友達作りってババアに合わす顔がねぇよ」
「もともと先生に合わす顔なんてあなたにはないでしょうが」
「それはそうなんだけどよ。今回は感謝してるんだぜ外に出る機会をくれたんだからよ。」
「他にも方法はたくさんありましたよ。あなたが何もかも嫌がって仕事をサボるからこれになったんです。恩を返すなら働いてください」
「ハハッ手厳しいな」