過去の因縁に溺れて 七話
ごめんなさい。誰も読んでくれてないと勘違いしてやる気失ってました。
他の作品もあるので遅いかもしれないけど少しずつ更新します。頑張りますね。
よく分からないまま、ししょうと決闘する流れになった。
どういうことなの?
「おい、フィリ。本当にやる気なのか?お前手加減苦手だからレンが心配になるんだが」
「大丈夫。ちゃんと全力は出さないようにするから。」
「そりゃ、当たり前だよ。お前は本気でやるからタチが悪いんだ」
「レン君ごめんなさい。フィリさんを説得するのは無理そうです。でもどんなケガをしても治してあげますからね」
ボクこれからどんな目に遭うんだろう。
「あのーししょう。決闘はどういうルールでやるんですか?」
「そうだった。シンプルな近接戦にしようかお互い魔法は禁止にしよう。武器はなんでもいいけど、多分木製の方がレンもやりやすいでしょ。そしてよいしょ、よいしょ。」
ししょうが杖を地面に刺してぐるぐる自分の周りに円を描く。
「この円から私を一歩でも外に出したらレンの勝ち。分かりやすいでしょ。」
その円はびっくりするぐらい狭くてニ歩も歩いたら確実に外に出てしまうほどの狭さだ。
「じゃあ準備できたら、来て。」
「えっ、もう始まったんですか」
ししょうは何も言わずにただ立っている。だけどしっかりとボクの目をじっと見ていて、その目からは信頼や期待、思い込みかもしれないけどそんな感情をひしひしと感じる。
「ししょうの期待に応えるために全力で行きます」
両手に木刀を構える。対してししょうは両手杖を扱う。魔法使いがどれだけ近接戦が強いのかボクは全く知らない、でも今までのことから推測してボクなんかよりは断然強いんだろう。
心を鎮めて最善を選ぶ。武術をやってる友達がいつも言ってたことだ。所謂、無我の境地。武の道はどれを選んでもここに通じる所があると教えてくれた。
まぁそんなこと聞いても十分の一も実践できるわけないんだけど。必要なのは結果だ、客観的に見てどんなに稚拙な技術でも自分の中で最良の効果が出るのなら十分役に立つ。
ボクが無我の境地で1番の本質だと考え抜いたのは無駄を削るという部分だ。ひとつのことに集中して迷いを捨て、要らぬ情報を捨て判断を一瞬のものとする。
自分の強さを最大限引き出す。武道とは過程がなんてどうでもいいもし、違ったとしても突き詰めるとそれに行き着くと武術をやってない友達が教えてくれた。
武術をやってる友達はそれを聞いて苦笑いしてたけど、実際にその友達は強かった。
そんなことを脳裏に掠めながらししょうに攻撃を仕掛ける。
上からの振り下ろしを杖の先端で容易に逸らされ、続く左手を右に払う。杖の手持ちで止められる。
その時感じたのは信じられない程の硬さと力強さ、やっぱりまともにやって勝てる相手じゃなさそう。
なら手数勝負で少しずつ削る。
連撃戦を仕掛けてもししょうの防御は崩せそうにない、武器と武器はぶつかりあって、木のなる音だけが木霊する。攻撃を出し続けるボクとそれを防ぐだけのししょう。攻防とは反対に追い詰められていたのはボクの方。
打ち込んでも一向に勝てる目が見つからない。しかしそれでも攻撃の手を止めるわけにはいかない。
胴狙い、防がれる、肩、首、小手、弾かれ、避けられ、ずらされて体勢が崩れる。その後倒れる姿勢そのまま足払い。
ししょうは小さく跳んで回避する。空中なら押し出せる!千載一遇の勝機を逃さずにすぐさま両腕を振るい木刀を交差に切り上げる。
ししょうは杖をボクの頭めがけて突き出してくるが首を傾けて、体をずらし被害を肩に抑えれる。問題はない。
「あーその判断はまずい」
杖が肩に触れた瞬間、物凄い衝撃が体を襲う。気がついたら自分の左半身はのけぞっており左手で攻撃するどころか右手でも攻撃ができないほどに体勢が崩れていた。
「なんで!」
驚く暇もなく。ししょうは着地してそのまま杖を振り下ろしてくる。このままじゃ負ける!そう感じた時、ボクは咄嗟に自分の足元で風の魔力を発動して爆発させ距離を取る。
「よく気づいたね。」
いやっ、気づいたのは。咄嗟に魔力を使った後だ、このルールそもそも魔法は縛られてるけど魔力の使用は何も言及されていない。
ししょうは魔法と魔力をまるで別物の概念なのかのように語っていた。つまり魔法を使えないと言われて魔力も使用できないと思ったのはボクの勘違いだ。
というかそれすらししょうに誘導されたんだ。だからこそよく気づいたねって言ったんだ。
魔法の使用を禁止とシンプルな近接戦にしようの言葉でボクに魔力も使えないと思い込ませる盤外戦術。そしてその誤解による有利をギリギリまで利用せず一撃で勝負がつくタイミングで切ってきた。
「ししょう。あなたは大人気ないぐらい本気ですね」
「よく言われる。」
「でもありがとうございます。こんなボクに本気を出してくれて、やっぱりボクはどんなに口で言っても覚悟が足りませんでした」
左肩は…痛っ、動かないか。左手は動くけどどっちにしても右手だけで頑張るしかない。後この体は怪我をすると音とか視覚のサインで伝えたり、電気みたいなビリっていう感覚で報告するから痛覚はないんだけど。それが起こるたび反射で痛って言っちゃうんだよね
「あれ、完全に左肩外れてますよ。止めた方がいいんじゃ」
「まだレンの目が死んでねぇ」
「それに子供にとって泣きたくなるぐらいの痛みだろうによく耐えてやがる。体の様子を見ると大丈夫ではなさそうだが」
このくらいの怪我ではボクの体にはなんの問題もなさそうだ。やろうと思えば一瞬で治せる。でもみんなの前でそれはできないし、それに自分の間抜けさが原因で招いたこの傷は戒めとして今はこのまま戦いたい。
生き抜くためには削って削って、力も技術も想いも、命を削って磨きあげる。生きていないと何も始まらないけど行動しないと生きたことにはならないんだ。
恐怖に竦んで、終わりに絶望して止まったら本当に意味がない人生になるって体験したんだ。死ぬまでそれが分からないバカのままだったけど。そんなバカでも死んだから変われるはずなんだ。
ボクに必要なのは死ぬ覚悟でもなんでもない。生きる覚悟だ!
「目が変わった。」
アクセス数解析っていう機能に助けられました。今まで評価の回数が読んでくれた人数だと思ってたからすごい落ち込んでたんですよね。読んでくれる人がいるって思えば頑張れます。なんか承認欲求高めでちょっとカッコ悪いって感じもしますけどね
この作品を読んでくれてありがとうございます。面白ければ評価とブックマーク登録をよろしくお願いします。
ただ私が嬉しくなってやる気が上がります(>_<)




