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第1章 転生

気が付くと俺は胸の痛みは消え、真っ白な空間に来ていた。


「ここが天国かな?」


と死んでしまったわりには落ち着いて今の状況を見渡す。


「いきなり死んでしまったというのに冷静なんだね」


と後ろから声が聞こえてきたので振り返ってみると、金髪でものすごく整った顔のイケメンの青年が立っていた。


「やっぱり俺は死んでしまったんですね」


あれほど深々と刺さっていたナイフの傷が寝て起きたら治るわけないし、非現実的な空間で目を覚ましているので、予想通りではあるが…


「そうだね。さすがの日本の医療でも心臓にナイフが刺さった状態では延命も蘇生も難しかったみたいだよ。」



胸のあたりに刺さってたけど、ピンポイントに心臓だったのか。運が悪い…


「あの狂った暴漢の男は君が助けた高校生の少女が標的で普通の運命線通りなら、少女はあそこで命を落としていたはずなんだけどね。君が身代わりとなったレアなケースなんだよ。」


おぉよかった。漫画とかでは実は助かる運命で無駄死にでしたってパターンもあるからね。


でも俺が助けるのは普通の運命線じゃありえなかったと言うのはどういう事だろう?



「それは私としても不思議でね。たまに運命をねじ曲げるくらいの強い意志を持った人間はいるんだけど、君があの少女に対してそこまでの意志を発揮した事にビックリしているくらいだよ。」



「可愛い女子高生が襲われてたら助けるなんてシュチュエーション、漫画の主人公みたいですけど、ありきたりじゃないですか?」


「いやいや、実際にそういう状況になったとしても、咄嗟に動ける人は意外と少ないよ。事実、今回君以外に男に近寄った人はいなかっただろう。」


そういうものなのかな?

というか声に出しても心で思っても会話が成り立つって事はやっぱり神様なのかな?


「今更だけど、君達が思うような神という存在で大まかに合っているよ。雑談をしに来た訳ではなく、君のこれからの話をしに来たのだよ。」


これからって言うと死んだ後に行き先があるのかな?異世界とかだったら面白いのに…


「最近の流行りだからね。話が早くて助かるけど、異世界へ行ってもらうで合ってるよ。」


「ほんとですか?」


女神様じゃなかったから半分諦めてたけど、意外とテンプレだったみたいだ。


「運命をねじ曲げるくらいの強い意志を持ったまま転生すると、もれなく前世の記憶が残ってしまい、ある程度の年齢で出てきてしまうんだよ。だからその強い意志を活用する為に、発展が停滞した異世界へ行ってもらってるんだ。」


自分の意志が強いというのは、あんまし実感がないのだけど…


悪い事よりは良い事をしたいと思っているだけなんだけどな。


「ちなみに俺が行く世界はどういう世界ですか?」



「色んな種族がいる魔法とかスキルのある世界だね。魔獣やダンジョンなどもあるし、君の慣れ親しんだゲームのような世界さ。」


魔法やスキル!?

それって誰でも使えるのかな?

才能ないと使えないってやつだと嫌だな…


「基本12歳になるまでの本人の努力や希望を元に、固有スキルというメインスキルを神から授けられ、そこからはレベルアップの度に本人の希望をある程度反映する形でノーマルスキルが授けられるという感じだね。だから剣術などで戦いたいと思っていれば近接系の固有スキルが、魔術が使いたいと願っている人は魔術系の固有スキルが授けられるから、ある程度は才能というよりは、どうなりたいかって感じだね。まあそのシステムを完全に理解している人は多分いないけど。」


そういうシステムかぁ。前世の記憶が戻った時に既に固有スキルが決まってるとかだったら嫌だな…


「記憶は物心つく5歳くらいには戻ると思うからそこは心配しなくていいよ。それに強い意志で善行をして死んでしまった君には少しくらいのサービスはしてあげようと思っているから、固有スキルくらい好きなの選ばせてもらえるように言っておくよ。」


言っておくって事は異世界が担当の神様と転生前に会えるのかな?


「そうだね。この地球がある世界は私の管轄で、君が行く異世界は別の神の管轄だからちゃんと引き継いでおくよ。君の言うテンプレの女神様だよ。」


おぉそこはテンプレ通りなんだ。

でも固有スキルって12歳まで生きてきて必要と思った希望が反映されるなら、安易に今決めちゃうのも不安だな。


「そこは異世界の神と後でゆっくり話をしてくれたまえ。あとそこまで大きなサービスはできないけれど、生まれる種族や環境ならある程度は要望も聞けるよ?」


種族って言われてもどんな種族がいるのか分からないのだけど…


「それなら種族を書いた一覧を渡すから読んで検討してくれたまえ。」


そう言っていきなりパッと出てきて渡された紙には、


人族 平均寿命60歳 人口1億人


獣人族 平均寿命50歳 人口4000万人


魔族 平均寿命300歳 人口3000万人


エルフ 平均寿命400歳 人口2000万人

竜人族 平均寿命500歳 人口1000万人

神族 平均寿命1000歳 人口200万人


と書かれてあった。


種族特性的な獣人は身体能力が高いとか魔族やエルフは魔法が得意とか竜人は頑丈な身体とか無いのかな?


「大まかにそういうスキルが好まれる文化、国柄ってのはあるけど、基本レベルアップによるスキル取得、ステータスアップはどの種族でも変わらないんだよね。だから単純に長く生きる種族の方が最終的に強くなりやすいという以外に明確な種族格差は無いんだよ。」


へ〜思ってたより平等な世界なんだな。


「異世界のシステムは元々地球のゲームを参考にしたみたいだからね。」


じゃあそれぞれの種族で国がある感じかな?


「種族に別れて国がある以外にも様々な種族が共生している国もあるからハーフもクォーターもいるよ。あと種族間で争いもあるけど、同じ種族同士の争いもあるからあんまし種族は関係ないかな。」


まあ争いはどんな世界でもあるだろうけど、そうなるとどの種族が良いかって特にないな。

寿命が長い分、神族が1番長く遊べそうかな?


「神族だと寿命で死ぬより争いで命を落とす方が圧倒的に多いから、実際強くなったら相当長生きできるはずだよ。」



「じゃあ種族は神族で、出来ればその中でも比較的裕福でレベルの高い両親がいる家庭に生まれたいかな。」


「それくらいなら大丈夫かな?じゃあそろそろ異世界担当の神と話してもらおうかな?」


「最後にお名前を教えてください。あと異世界の担当の神様の方も。」


「まあもう会うことはないと思うけどね。私の名前はアスフェル。異世界の神はグラシエル。それでは良き人生を楽しんでくれたまえ。」


そう言ってアスフェル様は消えていった。

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