第62話「白と黒・鶏増産計画の果て」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第62話「白と黒・鶏増産計画の果て」
竜脈生活も31日目を迎えてしまった。
つまりは、我が家が竜脈に飲み込まれて1ヶ月が経過したと言うことだ。
早いものだ。俺は感慨に耽る。
当初、我が家に取り残されていたのは、俺以外は動物だけだった。
どうやって生きて行こうかと試行錯誤を繰り返した。孤独に打ち震えて泣いた夜もあった。いや、本当に。
だが、そんな孤独も今となっては懐かしい。毎日がドタバタと騒がしいぐらいだ。
それも、E5(エコ)さんが爆誕してから始まったようなもの。
だから正直、E5(エコ)さんには感謝している。でも本人に言うと調子に乗るので、こんな事は絶対に言うことはできない。いや、本当に。
今、現在も尚、我が家には家族が増え続けている。
と言う事で。本日、誕生した新たな家族を紹介したいと思う。
それは久しぶりに九官鳥のホチョさんをイジリに行こうと1階に降りて来たところから始まる。
俺は眠りこけるタロさんをそっとスルーして1階のドアを開けた。
1階の居間では仏壇の上に鎮座した猫又シーちゃんの姿。いつもと変わらぬ風景。
「ハイ!シーちゃん。亜空間に誰か引っ掛かってる?」
『ミャ〜?』
要約すると『引っ掛けるってどう言う意味よ?言い方。』
そうは言っても、既に引っ掛かったのはクロちゃん弟と元愛車の號竜の2人 (?)である。
3人目を期待するばかりである。なので、新たな家族はここでは非ず。残念。
「まあ、何かあったらヨロシクね。」
『ミャ。』
シーちゃんの頭を撫でようとしたら逃げられた。残念。
俺は引き戸を開けてキッチンに足を踏み入れる。
キッチンを使用中だったのは1階担当メイドのビビさん。今日も朝から食材の準備中。
副音声『旦那様!今日のお昼は、たらこスパゲッティだな。たらこの切り身と、マヨネーズを和えているぞ。』
ボウル一杯のたらこソースの作製。最近では、俺と一緒に食事を取るメンバーが増えたからだ。
そもそも、精霊は食事を取らなくても生きていける。俺からの霊子供給で事足りるし、竜脈からも吸収しているからだ。
にも関わらず、乙女ちゃんを始め、橘花くん、菅原くんは俺と一緒に食べたがる。食べる時もあれば、食べない時もあって不定期だが。
あと、クロちゃんもだ。
クロちゃんは2足歩行になったせいか?ほかの猫達と違い、キャットフードは口に合わなくなった様子。本人もよく分からないようで、摩訶不思議だ。
ちなみに、箸は使えないがスプーンとフォークは器用に使える。貴族かよっ!?
毎回、必ず参加するのが4R (シリュウ)である。その小さい蛇の体のどこに入るのか?と言うぐらいペロリと食べる。
良い食べっぷりすぎて、見ていて楽しいのだ。
子育て中だからだろうか?
そんな4R (シリュウ)の娘?白い綿毛のひよこがビビさんの頭の上に鎮座している。
「いいなぁ。それ可愛いなぁ〜。」
『ピィ❤︎』
つぶらな瞳の可愛いコ。
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(*゜▽゜*)…だけども、種族は〈コカトリス〉ですからね。石にしちゃうブレスを持ってますよ。
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え?何?聞こえませんね。
『ピィピィ❤︎』
白い綿毛のひよこさん、ピョンとビビさんの頭から俺の頭の上に移動した。
ああ、この幸福感。暖かさ、温もりが俺を包む。
「俺は幸せだぁ。大きくなって、いっぱい卵を産んでくれよぉ。」
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(´∀`*)御主人様。この子の名前は何ですか?名前がないと可哀想ですよ。
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いや。そうは言われてもだな。
今更ながらも、俺が命名する事で想定外の事態が発生する場合もあるわけだ。
そもそも、我が家にはまだ名前が無い者も多い。精霊馬やトマト猫もそうだ。最近はトンと出番がないが、海産物軍団も名前が仮定の者は多い。エビちゃんイカちゃんや、タコ兄弟だ。
それを差し置いて、このピヨピヨ白綿毛ちゃんに名前を付けても良いものか?俺は葛藤する。
そんな俺の顔が壁掛け鏡に写る。頭の上のピヨピヨ白綿毛ちゃんの純真無垢なる瞳も俺を見詰める。まるで天使のように彼女は俺に囁く。
『ピィ❤︎』
私はココにいるよ、と。
「ココ…そうね。君の名はココちゃんだっ!!」
ポピコーーーン♪
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(*^ω^*)主格《田崎 蓮人》による命名により〈ココちゃん〉は種族〈コカトリス〉から〈コカトリス固有種〉に進化しました。
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安易な命名は危険だと実感する。
「コカトリス固有種」か…どちらにせよ、コカトリスからは回避不可と言うことか。
あの石化のブレスをブハァと吹き出し、服だけを石化させ、脱出と思いきや、美女全裸と言うフラグのやつですね?はぁはぁ。おっと、危ない。
まあ、ココトリス(?)じゃなかっただけ良しとしたい。何だよ、ココトリスって?自分で考えてて頭痛い。
ポピコーーーン♪
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(*^ω^*)〈ココちゃん〉は種族〈コカトリス固有種〉から〈ココトリス〉に進化しました。
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「ヲイっ!!」
何のネタだよ!ダジャレかよっ!!
『ピィ?』
ダメ?って、そんな純真無垢な瞳で俺を見ないでくれ(涙)。
「しかし、ココトリスってどう考えてもおかしいだろ?まあ、ココちゃんが気に入ってるなら良いけどさ。」
『ピィピィ❤︎』
ココちゃん、大満足のようで。
しかし変化はない。ただの白い綿毛のままだ。素直に安堵した。これがココトリスクオリティーか(え)。
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(*^ω^*)コカトリスと、もう1つはバジリス…
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「ゴラァァァ!!余計な事を喋るなァァァ!!」
『ピィ!?』
ああ。すまん。つい怒りの沸点が。
「ゴメンゴメン。ココちゃん驚かせちゃったね〜。」
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(*゜∀゜*)ココちゃんさん。御主人様の頭をくちばしで突いても良いんですよ?
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「E5(エコ)さんは後でシャワーな。」
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∑(゜Д゜)…お風呂はイヤァァァアアア。
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E5(エコ)さんのハッピー化が止まらない。
そしてブラックアウト。静かになった。
「全く…ロクな事をしないな。感謝取り消しだ。」
第一、次に生まれてくるのはココちゃんと同じく毛玉のようなヒヨコ君だ。決して毒ガスを撒き散らすような毒蛇なんかじゃないぞ。間違いない。
「ふぅ。なんか非常に喉が渇いたな。」
副音声『旦那様。オレンジジュースならありますが。』
「ああ。ありがとうビビさん。お願いしようかな。」
ビビさん、冷蔵庫をカチャリと開く。
『あっ。親方様。生まれたニョロよ。』
うわぁ。凄い嫌な予感。
冷蔵庫の隙間から4R (シリュウ)が顔を出し、開口1番、そう言った。
「え?生まれた?」
『生まれたニョロよ。』
待て待て!せめて、もうすぐ産まれるよ?って流れではなかったか?
少なくとも、ココちゃんの時はそうだった筈。それが…もう生まれたよ?それはダメでしょ。ルールを守ろうよ?
「生まれたのか…それは…フワフワの綿毛ちゃんですか?」
『う〜ん。フワフワニョロね。』
冷蔵庫のドア越しに、俺は一体何をしているのだろう?見えない…ゆえの葛藤。焦れる心。
「…それはヒヨコちゃんですか?」
『ひよこニョロね。』
俺はガッツポーズで固まった。第1関門突破である。
「…それは真っ白いヒヨコちゃんですか?」
『黒いニョロね。黒いひよこニョロね。』
俺の心に暗雲が湧き上がる。黒い暗雲だ。
だがヒヨコである事は確定しているのだ。まだ大丈夫だ。烏骨鶏?って黒いよね。
「…オスですか?メスですか?」
『よく分からないニョロね。多分、男の子ニョロね。』
う〜ん。なんか、これはどう判断したら良いか分からないな。
と言っていたら、黒い綿毛が飛び出した。パタパタと短い羽根で一生懸命で、それは健気で愛おしいヒヨコだった。いや、これこそヒヨコでしょ!
「あっ。これが母性感ですかぁ(え)。」
俺は胸に飛び込んで来た黒いヒヨコをヒシッと抱き止める。ああ、この温もり、もう堪らん。
『既に親方様の思考を吸収して誕生しているニョロよ。名前をつけて欲しいニョロね。』
…ん?それって、冷蔵庫前で色々やってた時のアレか?額に一筋の汗が流れる。
「…おい、E5(エコ)さん、起きろ。」
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(*゜▽゜*)…ふわぁぁ?あら?御主人様。その子は何ですか?黒いヒヨコさんですね?
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まあ、見た目はな。見た目だけは黒いヒヨコだがな(怒)。
「この子の種族は?」
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(*´ω`*)はいはい。え〜と。その子は種族〈バジリスク固有種〉ですね。
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既に固有種になっていた…。
『ピュ♡』
瞳うるうると、俺を見上げる黒ヒヨコちゃん。うん。君は何も悪くない。悪いのは俺とE5(エコ)さんだから(涙)。
ココちゃんの弟かぁ。名前を付けるとしたら…カカ?キキ?ちょっと安易だな。
ララ?ちょっと女の子っぽいか。ルル君はいるからNGで。
「となると…リリ君かなぁ。」
ポピコーーーン♪
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(*^ω^*)〈リリ君〉は種族〈バジリスク固有種〉から〈バジリリク〉に進化しました。
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「ヲイっ!!」
天丼ネタかよ!デジャヴかよっ!!
『親方様。次の子育てをするニョロね!』
「あっ!ちょっと4R (シリュウ)、待て!!」
え?とばかりに青い子蛇が振り向く。ふう。今回は何とか話を聞く気になったようだ。
『どうしたニョロか?』
俺は何を求めるべきか?卵の消費を抑えるため、許可した鶏生産計画は既に瓦解している。
ここは涙を飲んで、4R (シリュウ)の子育てを止め得るべきか…?
「…いや、あのな。その…あれだ…つまり次こそはヒヨコちゃんを…いや、ちゃんとしたニワトリをお願いしますっ!!」
俺は土下座。そんな俺の頭上でココちゃんとリリ君が飛び跳ねる。白と黒の綿毛だ。
ああ、ほのぼのするなぁ。
『親方様、分かったニョロ。俺も頑張るニョロよ!!』
4R (シリュウ)、俺の熱意を受けて、確約してくれた。ああ、一安心である。もはや果報は寝て待て状態だ。
「…今夜はよく寝れそうだ。」
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(´-ω-`)そこですか?突っ込むところ、ソコですか!?
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田崎 蓮人
種族〈竜脈種(真種)〉
階級〈主格〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈9.8-〉
戦闘力 181+6
防御力 189+6
生命力 175+6
回避値 121+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 223+7
無属性196+6
地属性203+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
妖精言語LV1
宝物庫〈Ω〉
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
称号
召喚士
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
中炭素鋼バール(真)〈打撃武器〉
属性:中炭素鋼改LV120〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化〈強〉
破砕〈中心核破壊〉
耐久値:200+α
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
Tシャツ〈服〉
属性:化学繊維LV10〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
防塵
耐久値:30
下ジャージ(NAKE)〈服〉
属性:化学繊維LV25〈通常級〉
付与効果:希望〈微〉
物理抵抗
保温
耐久値:60
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