第52話「観葉植物達の宴・育まれる萌芽」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第52話「観葉植物達の宴・育まれる萌芽」
竜脈生活21日目の朝。
恐れていた戦闘講習については、その実施は延期となった。
理由としては、誕生した「魔弾・オレイカルコス」の力が未知数であり、試し射ちが危険と判断された為だ。
「バール(真)」については俺の霊子に馴染ませる必要があるため、今まで同様にベルトに挟む。何の違和感もない。大きさもバール(中)と同じだ。
朝から俺は「魔弾・オレイカルコス」を出したり消したりしていた。
不思議なことに、俺が意識することでオレイカルコスは手のひらに出現するのだ。普段は何処に消えているのか?それはよく分からない。だが携帯にはちょうど良い仕様。
E5(エコ)さんも見習って欲しいところだ。
電子情報枠表示は自動追尾するくせに、本体の「i poon E5」は今も俺のポケットの中だ。何というポンコツ。
出し入れ練習?を終えた俺は、ベットから起き上がる。
ベットの上には白いモヤモヤの長毛猫のハッピーと、茶色いモヤモヤの茶虎猫のハナちゃんがいた。
あれ?ハッピーは良いんだけど、ハナちゃんは今までタンスの上から動く様子を見せなかったのだが、今日は一気に実体化に近付いている。どうしたんだろう?
「ハナちゃん。ちょっと顔見せて?」
『ミャフ?』
俺はハナちゃんの顔をむんずと両手で包む。
「おぉ〜。このまん丸顔は間違いなくハナちゃんですね!まん丸顔過ぎてビックリです!モチモチしてますよ!チュをしましょうか〜?チュ〜ウ!」
『ミャフゥ!!』
あっ。手を振り払われた。ひどい(涙)。
代わりにハッピーにチュウをしまくりましたが。
そんなハナちゃんを目で追いかけると、廊下の方へと走っていく。トイレかな?
最近は俺の部屋の猫率が非常に高くなって来たこともあり、3階の猫達は自由意思を尊重している。2階は禁止だが、1階の居間と屋上、地下室に関しては行き来自由としたのだ。
何せ、俺の部屋には元々いたミミちゃんとルル君に加え、ロンちゃんとハッピーの姉弟猫とハナちゃんも追加で計5匹となったのだ。もう満員である。
猫達は大抵、日中は屋上で日向ぼっこ。ちょっと寂しい。
だが夜は全員、俺のベット周りに集まるので俺は幸せです。
「ハナちゃ〜ん?」
『ミャフ?』
おや?猫トイレの前でハナちゃんは何やら、お話をしている。その相手なのだが…。
「…木霊??」
それは赤い葉っぱのカサカサ。
屋上の林檎の苗木…アルプス乙女の木霊ではなかろうか。
『ミャフ。ミャフ!』
ハナちゃんは、まあ恐らくは俺に木霊を紹介しているのだろうが、よく分からん。一方のアルプス乙女も逃げるでもなく、フワフワと浮いているだけ。
「…しかし、もうこんなに本体から離れられるようになったのかぁ。すごいな。」
つい先日まで、苗木からあまり離れる事が出来なかった木霊がもうココまで。
どうやら壁づたいに3階の窓から出入りしているらしい。危ないよ。
『ミャフ。』
随分、ハナちゃんはこの木霊に懐いてるな。このアルプス乙女に…。
「それにしても、アルプス乙女って言いにくいな。乙女ちゃんでどうだ?」
ポピコーーーン♪
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(。・ω・。)あら?おはようございます。御主人様。
命名〈乙女ちゃん〉は木霊から林檎の樹霊に進化しました。
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あっ。赤い葉っぱが渦を巻き…真紅の輝きがその中心点に生まれる。脈打つ輝きは、徐々に人の形になってゆく。
『ミャフ!?』
「お…これは、なんと言うか…驚いたなぁ。」
よくファンタジー物のアニメや漫画には出て来るものの、こうして面と向かうとギョッとする。自動人形のメイド達とはまた違った印象だ。だが大きさはほとんど同じ。
赤い木の葉をドレスにした小さな妖精。俗に言う妖精のようだ。
しかし羽根は無い。それが樹霊の特徴なのだろう。そして今まで同様にフワフワ浮いている。
『…&7);….-3;&¥。』
なにか一生懸命に喋っている。しかし俺には理解できない。
困ったわぁ…と言う仕草も可愛いぞ。
乙女ちゃんは名前の通り、思春期真っ只中の少女スタイル。髪の毛は深緑色。肩まで伸ばしたおかっぱボブヘア。
「う〜む。言葉は分からんが、よろしくな、乙女ちゃん。」
『u-7(…-6x!!』
乙女ちゃんは大喜びで俺の髪の毛を引っ張る。これどう言う感情表現だ?
『ミャフ!ミャフ!』
ハナちゃんも大喜びで俺の身体に登り、顔を俺の顔に擦り付けてくる。幸せですが。
そんな状況の中、2階担当メイドのキュラさんが姿を現わす。
え?まさか中止したはずの戦闘講習再開ですかっ!?勘弁してくだせぇ。お大臣さまぁ。こちとら平和に飼い慣らされた日本人ですよ。
副音声『個体名称キュラ。旦那様に御報告します。約3日間の監視業務の結果、観葉植物に微細な変化あり。』
…あ。そっちか。観葉植物に「擬似太陽の涙」(水)を3日間与え続け、木霊になるかの実験の方だ。すっかり忘れてたよ。
「うーん。微細な変化とは?」
副音声『はっ!3日間での葉の成長速度が約1.3倍となっています。以上です。』
1.3倍とか、何?その微妙な数字。
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(*´ω`*)1.3倍でも十分凄いと思いますけど。
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『,js,&…2rx…!』
おおっ!?どうした乙女ちゃん?髪を引っ張んないでっ!俺を引っ張るように導き、その先には?うんうん、分かっている。
元より、2階の観葉植物に変化が無かった場合には、第2計画の発動。
順序が逆になるが、俺はベット横の引き出しから原石シリーズを物色する。
しかしまさか、竜脈生活が始まって以来、この原石たちがこんなに役立つとは思いもしなかった。その消費スピードはなかなかのものだ。
何しろ、使用した原石は物質再構成されないのだから。不思議だ。
『ミャフ!』
ハナちゃんも興味津々のようで、原石の物色を見学。
「乙女ちゃん。これなんかどう?」
『…&2bw…g¥3-!』
おう。良いみたい。俺のチョイスを肯定。
今回はチョメ君がいないけど、乙女ちゃんとハナちゃんの反応を見る限り、特には問題あるまい。
「…そして、おれが選んだ原石はこの6個だ!名前は知らない。」
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(*´∀`*)孔雀石にペリドット、ヒデナイト、アレキサンドライト、アタカマイト、翡翠ですね。
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どれも緑色が綺麗な原石だ。
「よし!ではキュラさん。行こう。」
キュラさんと共に2階へ向かう。今回は乙女ちゃんとハナちゃんがお供だ。何かを察したように、俺から離れない為だった。まあ、突如に降って湧いたかのようなファンタジー世界の少女(乙女ちゃん)が同行してくれるのは嬉しいしドキドキする。色んな意味で。
いや、決してキュラさん達メイドフィギュアに飽きたとか、そんな意味では決して無い。
むしろ、俺は肩に乗ったハナちゃんのまん丸い顔を両手の平でギュッギュッとする方が好みだ(?)。ギュッギュッ!!
『ミャフッ!!』
怒られた。
さて、2階の居間兼母の寝室。ミチは相変わらず爆睡中。
チョメ君の姿はない。どうやら嫁の野良ネズミさんの機嫌取りに行っているのだろう。
「実際、何が起こるか分からないからな。キュラさん、今から2階は立ち入り禁止だ。」
副音声『了解致しました。警戒レベルをレッドと認定。哨戒いたします!』
それはちょっと大袈裟かなぁと思わなくもない。しかしキュラさんの軍人設定がそれを許さないのだろう。
ともあれ、キュラさんが警戒してくれれば助かる。俺たちは安心して観葉植物を観察する。
「…確かに、葉っぱが巨大化しているな。それに全体的に。」
言われてみないと分からない程度の変化だが。
そんな観葉植物達に、俺は「大きく育てよ〜」と原石を埋めていく。
ポトスに「孔雀石」
モンステラに「ペリドット」
サンスベリアに「ヒデナイト」
パキラに「アレキサンドライト」
月桂樹に「アタカマイト」
金の成る木に「 翡翠」
どれにどの原石って言うのは、まあ、特には意味はない。全部、緑色だしな。
「ふぅ。終わったな。」
埋め込んだからと言って、急激に何かが起こるわけでもない。そんな期待もしていない。
そんな俺を、乙女ちゃんはよく頑張ったわね〜と髪を撫でる。多分。
『…0:/s…a)-。』
そして乙女ちゃん、順次、観葉植物を回って葉っぱを撫でていく。触れた葉っぱはキラキラと輝いている。
「乙女ちゃんは何をしているんだ?」
『ミャフ?』
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(*´ω`*)あれは彼女の樹精の力で、植物の生命力を祝福 (活性化)しているんですよ。
(*´∀`*)こう見えても私って、電子の妖精…樹精とは親戚みたいなものですから、分かるんですよ。
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E5(エコ)さんが妖精って、そう言う設定だけじゃなかったっけ?
って言うか、E5(エコ)さんは断じて妖精ではありません。俺の想像する妖精はこんな電子情報枠の中の3Dポリゴン無音声字幕なんかじゃない(怒)。コレは違う(怒)。
そんな憤懣やる方ない思いに俺が包まれている中、異変は発生した。
乙女ちゃんが触れた観葉植物たちは、次々に輝き始め、まるで浮き上がるかのように木葉の塊が誕生する。その数、6つ。
「…これ、木霊だなぁ。」
言うまでもなく、木霊である。
『・&6f…;2ぐ…!!』
乙女ちゃん、そんな木霊達に号令、先導をし、俺の元に列を作らせる。
何これ?挨拶待ちみたいな状況にある俺。はい、こんにちわ。次の方。
しかし、今回は全員が緑のモサモサで見分けがつかないな。あっ、いつの間にかオレンジ色のモサモサも混じってるぞ。
「お前、ポンカンの木霊だろ?」
『・:6…b¥6/あ…!』
乙女ちゃんがうんうんと頷いている。正解だ。
そんな木霊達、俺を囲んで輪になって回り始めた。その中には乙女ちゃんも入っている。
「なんだ?俺を囲んで、何をするつもりだ?」
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(*´ω`*)御主人様。これは妖精の輪ですね。御主人様と言うよりも、その力はハナちゃんさんに集まっていますよ?
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え?確かに俺の肩の上にはハナちゃんが離れずくっついてはいるが。
俺じゃなかったのね!?ちょっと恥ずかしい。
しかしまあ、急にハナちゃんが実体化したのは乙女ちゃんと接触したからだ。そして今回のコレも、きっと何か意味があるのだろう。多分。
『ミャフ?』
俺は両手でハナちゃんを持ち上げ、そっと前に掲げた。決して、「イケニエですよっ!!」と差し出したわけではない。いや、本当に。
妖精の輪が加速する。緑の光が収束していく。その輪が一気に狭まり、ハナちゃんを包み込んだ。
『ミャフ〜〜〜〜ン!!』
緑の閃光。
そしてハナちゃんは生まれ変わった…のか?
茶虎模様のハナちゃん、虎模様の黒毛が何故か緑毛に変色していた。
それ以外の変化はなし。顔まん丸。以上。
ポピコーーーン♪
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〈報告〉(`_´)ゞ
主格《田崎 蓮人》と契約可能な個体が発生しました。
契約可能個体名〈ハナちゃん〉
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ああ。想定内の契約だ。今までのパターンからして、傾向が分かるようになってきた。
「にしても、毛色が緑って…ちょっとヤダなぁ。」
『ミャフ!?』
それについては、日を置くと慣れてしまった。人間は慣れる生き物だからね。
ともあれ、即契約の即まん丸お顔ギュッギュッだ。
ハナちゃんの契約鑑定を確認する。
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ハナちゃん♀
種族〈猫鬼〉
階級〈茶虎色・花鬼〉
カテゴリー〈1.0-〉
戦闘力 13
防御力 10
生命力 10
回避値 12
知能値 8
器用値 5
魔力値 5
闇属性5
木属性5
戦技
爪裂き
花吹雪
固有能力
聖種の萌芽〈未覚醒〉
疫病耐性〈無限〉
竜脈補正効果(契約)(NEW)
能力
夜目 慈愛 爪 花 闇(NEW)
精霊系術式(NEW)
花精の接吻(魂縛・隷属化)
花精の洗礼(目眩し・幻覚)
花精の輪(封圧・圧力)
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初見の木属性もそうだが、やっぱり猫鬼のハナさんは、なぜか植物と言うか花系統?の性質になっている。猫なのに花?花さんってダジャレですか?
そして病気で死んだせいなのか「疫病耐性」と言うのが俺の目を引く。
我が家の猫の中でも、ちょっと珍しい植物系猫さんになったハナちゃんなのでした。
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田崎 蓮人
種族〈竜脈種(真種)〉
階級〈主格〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈7.4+〉
戦闘力 121+6
防御力 129+6
生命力 115+6
回避値 141+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 160+7
無属性136+6
地属性133+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん(NEW)
称号
召喚士
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
中炭素鋼バール(真)〈打撃武器〉
属性:中炭素鋼改LV120〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化〈強〉
破砕〈中心核破壊〉
耐久値:200+α
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
猫絵Tシャツ〈服〉(NEW)
属性:化学繊維LV14〈通常級〉
付与効果:猫大好き(好感度+)
物理抵抗
耐久値:35
ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久強化
耐久値:60+α
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