第51話「さらばバール(中)・魔弾オレイカルコス」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第51話「さらばバール(中)・魔弾オレイカルコス」
竜脈生活も20日目を迎えた。
我が家の家主である俺だが、もはや他力本願が過ぎる事は自覚している。
甘やかされて伸びるタイプなんですが?
常々、DSさんから言われ続けて来たのだが、いざ身を守るとなったら俺はどうするか?勿論、脱兎のごとく逃げ出します。
闘う?そんなリスクオーバーな選択肢はありませんね。俺なんて即死するぞ。
まあ、何があっても良いように一応は「バール(中)」を常時持ち歩いてはいるが、未だ役に立った事はなし。
そんな俺にDSさんが提案する。俺専用の武器を作りましょう、と。
いや。俺はバールさん(中)で十分なのだが?
『親方様は俺が守るニョロよ?』
音声『不測の事態とはいつ起こるか分からないものです。旦那様には最低限の自衛能力を持っていただかねばなりません。』
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(*´ω`*)不測の事態ですか?例えば、御主人様があちら側に呼び出された時のようにですか?
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音声『左様です。帝釈天様や恵比寿様の時のように、ワタクシや4R (シリュウ)ではお供できない場合、E5(エコ)殿だけが頼りですからな。』
俺をそっちのけで眷族達が談義している。
だが確かにそう言われると心細い面もある。E5(エコ)さんしかいないとか(笑)。
例外で大猫のミチがいるけど、ミチは気ままだし戦闘力ゼロだしなぁ。
『じゃあ、親方様を強くするニョロか?』
音声『そこでE5(エコ)殿に依頼していた件ですが?』
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(*゜▽゜*)計測した結果を報告します。
8月19日 恵比寿様と遭遇 所持品確認OK
8月20日 帝釈天様と遭遇 所持品確認OK
8月25日 恵比寿様と遭遇 〈2回目〉所持品確認OK
8月27日 帝釈天様と遭遇 〈2回目〉所持品確認OK
8月30日 玉皇上帝様?と遭遇 所持品確認OK
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音声『ふむ。これは確定ですな。』
『どういうことニョロか?』
どういう事でしょう?
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(*´ω`*)推測。常に御主人様が長時間携帯していた備品は、御主人様の霊子と結合し、その一部として見なされていると考えられます。
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音声『つまり、旦那様のバール(中)は何処であれ、持参できると言うことです!』
「…つまり、俺のバール(中)が最強と?」
音声『違います!!』
DSさんにマジギレされました。悲しい。
音声『結論として、そのバール(中)を触媒として旦那様に相応しい武器を作成する事で、不測の事態に備えようと言う計画ですぞ。』
…え。それって俺のバール(中)が消えてしまうってことか?
「…お、俺のバールが…消えてしまう…。」
『親方様。そんなに思い入れがあるニョロか?』
「え?全然。」
だって、まだバール(大)もバール(小)もあるしね!
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(*´∀`*)でも武器と言っても、御主人様は運動音痴ですよ?
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そんな大きな声で言うんじゃないよ。ポンコツめ。
音声『そこは、武器の達人が4名…我が配下におりますので、指導は後日でよろしいでしょう。』
俺はゾワっとする。
コレ、しごかれパターンや。4名って、自動人形のメイドフィギュアに相違ない。いや、確かに彼女達は各物語で主役を張るキャラにして、最強の戦力保持設定ではあるものの…これはヤバい。
ユナイゼスは可愛いと天然の同居する純メイドキャラ。その実、裏では格闘界をのし上がっていく下剋上物語。字名は「破壊皇女」。格闘中は感情無しの戦闘マシーンと化す。もはや俺の血の雨しか降らないだろう。却下。
キュライアーはクールビューティにして軍隊式サバイバルの達人。たった一人で一軍を翻弄し駆逐する狙撃の名手。あだ名は「森の賢梟」。軍隊式のしごきに泥沼に沈む姿しか思い浮かばない。却下。
ビビアンナーシェは勇者である。そして生粋の騎士である。彼女の戦闘スタイルはただただ猪突猛進だけだ。王国正当剣術の師範代を収めている為、指導には向いている。だが実践になると、どうしてああなるのだろう?と言うキャラ設定。保留。
イシヒメは矢嶋流隠密術の使い手だ。「白銀の閃光」と呼ばれ、あらゆる刀剣、忍具を使いこなす。つまりは暗殺者だ。確実に敵を殺すだけの技術…それを極めた次期当主候補と言う設定である。可愛い容貌に騙されるな!その童顔は仮面なのだ。いろんな意味でヤバい。却下だ。
俺がピンチだ。
「…俺は攻撃するのはちょっと。盾とかで良いかなぁ。」
音声『旦那様には2つの選択肢があります。』
をいっ。DSさん、俺の話を聞かないよ。完全無視ですよ。
『2つもあるニョロか?』
音声『1つは地下の模擬刀です。こちらは既に付喪神となっておりますので、バール(中)と錬成した場合、かなり高度な刀剣となると思われます。』
え〜?ソレって、あの天狗のお面とやり合っていた模擬刀ですよね?既にヤバい斬れ味のアレですよね?
音声『もう1つは…ユナ。例のものを。』
DSさん、控えていた3階担当メイドのユナさんに指示。既に準備をしていたようで、彼女は「あるもの」を俺たちの前に持ち出してきた。
副音声『どうぞ。旦那様!』
『コレ何だニョロ?』
不思議そうに4R (シリュウ)がソレを見詰める。見詰めないで下さい。それは俺の黒歴史。中二病の産物。押入れの奥の奥に封印していた筈のもの。
「…ど、どうしてコレを…俺の魔銃オレイカルコスを…。」
これは20年前のアニメ、魔法少女オレイカルコスが持っていた最強の魔導具だ。
当時、小学生の俺はお年玉を貯め、この運命率を撃ち抜く最強の魔銃を遂に入手した。だがソレは兄に取り上げられ、破壊された。兄はめっちゃくちゃ親に怒られた。
そしてこれは2代目の「魔銃オレイカルコス」。
約3年後、中二になった俺は、AMAZONでコレを発見し、衝動に駆られて即購入。
思い出補正であったのだろう。それはチャチなプラスチック製の、よくある戦隊モノの玩具であった。俺の夢は敗れたのだ。兄め許さん。
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(*´ω`*)確かに、現代日本人の御主人様には刀剣よりも、こちらの銃の方が適していると思われます。
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『剣よりも強いニョロか?』
音声『一概には判断できませんが、この魔銃には旦那様の強い念が込められています。これとバール(中)を錬成することで、予想外の効果が得られかも知れません。』
何だか知らないが、話が勝手に進んでいく。これはもう、バール(中)錬成?確定方針のようで。
だが俺としては、武器作成云々の前に、作成後のスパルタ指導で死ぬのが嫌だ。
音声『さあ、旦那様。どちらを選びますか?』
ここで俺は考察する。刀剣を選んだ場合、恐らくはビビさんとイシヒメの2段構えの指導となる筈。ビビさんは最終的に突っ込めば勝てる理論。イシヒメは訳のわからない忍術修行をさせられる。これは地獄だろう。
となると俺は、2対1よりも1対1を選ばさるを得ない。銃ならばキュラさん限定指導とならざるを得ないだろう。それも嫌だけど。
ああ。俺の魔銃オレイカルコス。我が心の闇。俺は魔銃を手に取る。
音声『決まったようですね。では旦那様、錬金術式を始めます。素材の準備をお願いします。』
DSさんに促され、俺は立ち上がる。どっこらしょ。足が重い。
「あっ。ユナさん。持って来てもらいたいものがあるんだけど。」
副音声『はい。旦那様!』
俺はユナさんにお使いを頼み、自動人形の時のように持ち物を確認する。
使えそうなものは…
竜宮城チケット×1(安曇之毘売からの贈り物)
七福神の札×7(七福神からの贈り物)
風車×1(ヴァースキちゃんの屋台景品)
水風船×1(ヴァースキちゃんの屋台景品)
小判×4(ミミちゃんの500円玉等価交換)
む〜ん。七福神の札は危険過ぎて使えない。使うとしたら、それ以外の物だな。
そして原石を準備する。原石シリーズの中から俺が選んだのは…乳白色の「ムーンストーン」だ。別に月の石と言うわけではない。この原石はアルカリ長石の一種だ。
だが「月長石」とも呼ばれ、月の石から創り出されたと言う設定の「魔銃オレイカルコス」に相応しい。もはや計画に一分の隙もない。フッ。
「…準備は整った。」
『親方様。カッコいいニョロ!』
そうだろう。俺は小さな青い蛇 (4R)を腕に絡ませて、DSさんの待つ物置部屋へ向かう。
そして始まる「錬金術式」の触媒融合。
「4R (シリュウ)。今回も頑張ってくれよ。」
『親方様。任せるニョロよ!!』
4R (シリュウ)の膨大な霊子がDSさんに注ぎ込まれる。
音声『〈竜脈解析vr6.5「霆」〉との結合を開始…詳細コントロール委任。』
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(*´꒳`*)固有存在〈E5〉電脳システムとの結合を許可します。
結合成功…〈錬金術式〉の主導権を固有存在〈DS〉へ移譲。
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音声『移譲を了承。素材の確定を開始。』
俺の魔銃オレイカルコスが浮かび上がる。
次いで原石の「ムーンストーン」。そして「バール(中)」と「竜宮城割引チケット」を配置。
音声『旦那様、お預かりします。』
この「風車」がどれだけ役に立つかは分からない。だが、ないよりマシか?
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〈風車〉を霊子分解開始…風属性の抽出…空間転換中。
〈竜宮城割引チケット〉を触媒として原石〈ムーンストーン〉に風属性が融合する事で〈霊子核〉を作成しました。
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白色に脈打つ宝玉が浮かび上がる。
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引き続き〈バール(中)〉を霊糸化、伝達経路神経として流用。
伝達経路神経と霊子核の接続を完了しました。
霊子核と〈魔銃・オレイカルコス〉との伝達経路神経結合開始…成功しました。
〈中炭素鋼〉を使用し外装の錬成を開始します。
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俺のバール(中)がプラスチック製の表面を覆っていく。
あっという間に重々しい乳白色の輝きを帯びた魔銃が生まれ落ちた。その内包する霊子は尋常じゃない。何てモノを生み出してしまったのだろうか。
俺はそっと手を伸ばす。
俺の手の中にスッと吸い込まれる魔銃。その握り心地は、まるで身体の一部のような感覚。親和感が身体を満たす。
音声『旦那様。名前を付けて頂けますか?』
「ん?名前を?」
だが、これは魔銃オレイカルコス…そうか。これはもう違う。
俺の心の闇は晴れたのだ。
「そう。名付けるならば…今よりお前は…魔弾・オレイカルコスだっ!!!」
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(*´꒳`*)何か変わりました?
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『魔弾!?何ソレ!強いニョロか!?』
音声『強いですよ。何しろ〈秘跡武具級〉の風車を使用しましたからな。さすがは旦那様です。』
ん?秘跡武具級??
「あれは…ただの屋台の景品だろ?」
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(*´∇`*)御主人様。あの風車は〈神の遊具〉ですよ。神様相手の景品ですからね。ゲーム1回1神貨とは言っても、日本円では1000万円の価値がありますよ。
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ガビーーーン。
俺はまたしても間違えたのか。恐るべし、神の遊具。
そして生み出された運命率を打ち砕く最凶の魔弾。もはや手遅れである。
副音声『旦那様!持って来ました。バール(大)とバール(小)ですよ!』
ユナさんが持って来たバール。消滅したバール(中)の代わりに…俺は「バール(真)」を手に入れた。「真」って(え)。
この後、DSさんに頼み、錬金術式で錬成融合。ただ単にバール(大)とバール(小)を融合させただけなのに…?
ともあれ、さらばバール(中)よ。
おかえりバール(真)よ。
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田崎 蓮人
種族〈竜脈種(真種)〉
階級〈主格〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈7.0-〉
戦闘力 115+6
防御力 123+6
生命力 109+6
回避値 135+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 153+7
無属性130+6
地属性126+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
称号
召喚士
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉(NEW)
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
中炭素鋼バール(真)〈打撃武器〉(NEW)
属性:中炭素鋼改LV120〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化〈強〉
破砕〈中心核破壊〉
耐久値:200+α
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
上下ジャージ(PUMA)〈服〉
属性:化学繊維LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:50
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