第5話「父の居間探索。1階」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第5話「父の居間探索。1階」
ぶっちゃけて言うと、我が家は元々は魚屋だ。
両親が定年を迎えた今、廃業し、店舗であった1階は大改装。
居住空間として増築に増築を重ね、約半分を父の居間として使用している。
もっとも、ほぼ家族での食事はここでという決まりになっている。
と言うのも、隣接するキッチン廊下からの移動が楽だと言う母の言葉。
なんで、食材を2階に持って行くことなく、2階のシステムキッチンは機能停止なのだ。
買い物しても、重たくて持っていけないわよ(怒)とのこと。知らんがな。
何のためにシステムキッチン付けた?無駄金か?
階段の最終地点には、この父の居間へと通ずる扉がある。
だが、その前にだ。
階段室の最終地点は、かつて我が家で飼っていた御犬様のタロさんのテリトリー。
我が家で初めて飼ったペットが犬である。
あれは俺が中学生の頃…そんな話はどうでもいいか。
今は亡きタロさん。
正式名称…タロウ。
でも雌だったけどね。
俺は初めから分かってたけど、何故か母さんを始め雄だと信じて疑わず。
ノラ犬?との間に子供を産みましたがなっ。
タロさんは今で言う黒柴ってやつです。
えーと、途中で猫ちゃん飼ったら家族もろとも猫派になりました。
もう犬は飼わないわよ!って。懐かしいなぁ。
ちなみに、ここにタロさんが居たのは、外へと通じる勝手口があるから。
店舗のなごりだけど、現在は封鎖中。
さて、ドアノブを回して室内に進入。
フローリングに絨毯を敷いて、万年コタツ。
奥にはユニットバスの入り口があり、対面に玄関あり。
玄関からユニットバスの中が丸見えなのだ。なんて構造。後付け改装の悪意を見た。
とりあえず、入ってすぐのところにある仏壇に手を合わせる。
基本的に全ての神様は存在する派(日本人)の俺である。藁にもすがるつもりで祈ってみた。
「神様、仏様…どうなってんの?俺、どうなっちゃうの?」
……。
そもそも、仏壇って先祖供養の為にあるんだった。
無駄な労力である。
いや、御先祖様もある意味、神。
たまには文句を言ってもバチは当たるまい。
「何とかしろや〜。この野郎〜。ボケ〜。ナス〜。オタンチ〜ン。」
ふう。すっきりした。
しかし、オタンチンってどう言う意味なの?
ガタッ
む?位牌が倒れた……気のせい。気のせい。オバケなんて怖くない…ホントだよ。
と思いきや、仏壇の上にシーちゃんがいた。
『ミャ。』
「シーちゃん!そこにいたのか。」
1階猫ならぬ、お父さん大好きの白猫である。
白いからシーちゃんである。
安易だね〜。
うちの猫でもっとも臆病な猫である為、仏壇の上でリラックスしている風に見えるのは、危険がないと言えるのか?動くとグラグラしてるけど。
こんな状況であると言うのに、青い眼でニッコリ微笑んでるぞ。
「う〜ん。しかし、どうやら両親の姿が無いのは確定のようだぞ。」
喜んでいいものやら、何とやらだ。
ちなみに、このシーちゃんでうちの猫ちゃん達は全員無事を確認。総数4匹。
過去最高で8匹いましたけどね。
しかし、玄関の扉を開いたら…案の定、おっとっと、危ない。危ない。
足を踏み外すとこだった。
道路が無い。地面がない。
犬がいなくて良かった。いたら散歩どうしようかと思ったよ。
敷地ギリギリで綺麗にえぐり取られてる。
うちは庭が無いんで、ほんとのギリギリだよ。
何とか玄関周りの鉢植えは残ってるけど、やっぱ夢じゃないのね、これ…。
何気に俺は高所恐怖症なので、見なかったことにしよう。…あれ?俺は誰?ここはどこ?
はっ!危なく忘れ過ぎるとこだった。
居間に戻って照明を付ける。
1階にもきっちり電気が通っているようだ。
コタツもあるし、防寒対策ばっちりだぞ。
ん?寒いか暑いかよく分からないけどな。
あとは、食糧問題ときたものだ。
ああ、困った。困った。
そして、俺はこの時、気付かなかった。
仏壇が静かにカタカタと震えていることに…。
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田崎 蓮人
種族〈人間〉
階級〈一般市民〉
所属国〈日本〉
カテゴリー〈1.0+〉
戦闘力 6
防御力 8
生命力 6
回避値 8
知能値 26
器用値 25
魔力値 0
無属性0
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力
称号
一小市民
装備
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