第48話「擬似太陽(ホルス)の涙・我が一条の光」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第48話「擬似太陽の涙・我が一条の光」
竜脈生活17日目。
俺のベットを占領する2匹の白いモヤモヤ。
この2匹は俺が手塩にかけて育てた猫ちゃんである。チンチラシルバーの綺麗な長毛に青い瞳。最高である。だが毛玉がひどい。毛玉を吐いて床汚れもひどい。
何より癖が強い。姉猫のロンちゃんは俺だけ好き過ぎて嫉妬がひどい。弟猫のハッピーは食い意地がひどい。
それも過去のこと。今となってはこうして再会出来たことを感謝するしかない。
「神様仏様…何より八幡様に感謝です。」
ロンちゃんとハッピーはまだ実体化は中途半端だ。どちらかと言えば、ロンちゃんの方がしっかり認識できるようにはなってきているが。
「ロンちゃん。今日も可愛いですね〜。お利口さんですか〜?」
『キャニャ〜♪』
鳴き声も癖が強い。なぜか悲鳴のような声。そして俺にヒップアタック。尻尾がフサフサと俺の鼻をくすぐる。ぷはぁ。良い香り。
副音声『旦那様。チョメ様が遊びに来てますよ。』
そう告げたのは3階担当のメイド「ユナさん」だ。紫色がトレードマークのメイド服。
微笑み美少女の隣には、元シャンガリアンハムスターのチョメ君がいた。
大きさ的には美女と野獣と言ったところかな。
「珍しいなチョメ君。どうしたんだ?」
『チュ!』
ん?何かが欲しいようだ。ヒマワリの種だろうか?
2階の担当メイドの「キュラさん」はそこのところ、キッチリしている設定のはず。定期的に野菜もあげるように指示を出しているし。
『チュチュ!』
チョメ君は一鳴き、ベットに飛び乗る。
『キャニャ!?』
驚いたロンちゃん、俺に飛びつく。おう。可愛いのう。俺幸せ。
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(*´꒳`*)御主人様。チョメ君さんはあの引出しの中…原石が欲しいんじゃないですか?
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む?確かにその引出しをツンツンと指し示すチョメ君の姿。
もはや土精霊となったチョメ君だけあり、そういう原石に興味があるのだろうか?姿はハムスターのままだけど。
俺は週刊「原石シリーズ」がギュッと詰まった引出しを開ける。
「どれどれ。どれが欲しいんだ?」
『チュ!』
チョメ君、頭を引出しに突っ込みゴソゴソ。角が尖がってる石もあるから、怪我しないか心配だ。
そして数分後、俺はロンちゃんの香り(?)を慈しみ過ごし、チョメ君は2つの原石を持ち出した。その手に持った2つの原石は…。
「う〜ん。分からないな。」
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(*´ω`*)1つは〈ロードナイト〉ですね。もう1つは〈サンストーン〉ですよ。
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聞いたこともない石だ。そんなのあったっけ?
1つは赤い原石。もう1つはオレンジ色の原石だ。
「それ、どこに持っていくんだ?」
チョメ君、付いて来てと言わんばかりに俺を見上げて、ベットから飛び降り、廊下へ走っていく。
「あっ。ちょっと待って。ユナさん、猫トイレ掃除よろしくね!」
副音声『承知しました、旦那様!』
あとをユナさんに任せて、俺はチョメ君の後を追う。今日はロンちゃんが俺から離れないので抱っこしたまま同行だ。
そんなチョメ君。扉の前で待機中。開けろと言うのだろう。
各階の扉は、よく分からないが各メイドの許可がなければ開かないことになっているそうだ。それはDSさんの「錬金術式」で改造されているそうで…。
例外は家主である俺と、眷族であるDSさんと4R (シリュウ)のみ。E5(エコ)さんは俺の備品扱いなのでスルー。
そんな俺は扉を開けてチョメ君を先行させる。行き先は屋上であった。
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(*´ω`*)あら?チョメ君さん、あそこにいますよ?
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見ればチョメ君、苗木の鉢植えによじ登ろうとしている。
屋上の苗木は「ポンカン」と「アルプス乙女」の2つだけ。
原石を2つ抱えたまま、片手で登るのに四苦八苦の姿。それはそれで可愛いな。写メに残したいな。
『チュ!』
「ああ。はいはい。手伝いますよ!』
そんな様子をカラスのカア君は見ていた。我知らぬ存ぜぬの顔色で。相変わらずのカア君である。
俺の手を抜け出し、チョメ君は鉢植えの中に植えるように俺に原石を手渡す。まずは「サンストーン」をポンカンの鉢植えに。土は硬くも柔らかくもなく潜り込む。
「これって何の作業だ?」
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∑(゜Д゜)御主人様、苗木が〈サンストーン〉の霊子を吸収してます!
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何だって!?
「それで?何か変化がっ!?」
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(*´꒳`*)別になにも。このまま100年ぐらいすれば意識が芽生えるかも知れませんね?
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何でもなかった。なにも起きない。100年後なんて俺は死んでいる。それでも俺はチョメ君に命じられるまま、「ロードナイト」をアルプス乙女の鉢植えに埋め込んだ。
その様子を見届けたチョメ君は満足したようで、そのまま戻って行った。
「えっと…何だったんだ!?」
『キャニャ?』
ロンちゃんも不思議顔で見上げる。可愛いやつ。
しかし、せっかく来たので屋上からの景色を堪能しようと思う。
ああ、まるで晴天の空のようだ。全天が青色の蒼穹。即ち何もなし。
「やっぱりアレだな…洗濯物が太陽の匂いがしないのはやだなぁ。」
洗濯物は1階のビビさんと2階のキュラさんが分担して行っている。洗濯物と言っても俺1人分なので、そんなに量がある訳でも無い。3日に1度のペースだ。
『キャニャぁ。』
「そうだよなぁ。やっぱり日なたぼっこしたいよなぁ。」
猫は日なたぼっこが好きなのだ。
ここは本気で祈っておこうと思う。
「神様仏様、八幡様、どうか太陽を下さい!我が家に太陽を!!」
『キャニャ♪』
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(*´꒳`*)そんな無茶な。
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祈るのはタダだからな。いくらでも祈ってやるぞ。ほら、ロンちゃんも手を合わせて一緒に祈ってる。ああ。俺は幸せだぁ。
ポピコーーーン♪
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(*´꒳`*)御主人様。メールが一件届きましたよ。
八幡大神 2020/09/04 >添付あり
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え?
これはまさかの八幡様?しかもこのタイミングですか?
「おい。ちょっ…まさか。お怒りですか?やばい…。」
『キャニャ(震)。』
嘘です。太陽が欲しいとか無理なの知ってます。俺はどうなってもかまいません。どうかロンちゃんだけはっ!ロンちゃんだけはっ!
ロンちゃんを庇うように俺はガックリと跪く。
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(*´Д`*)大げさですね。メールを開きますよ?
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仕方あるまい。俺も男だ。ここは覚悟を決めよう。
「分かった。俺がどうなっても、あとはE5(エコ)さん頼むっ!!」
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(*´꒳`*)あっ。言っておくの忘れてましたけど、御主人様に何かあったら私たち眷族も消滅ですよ?一連托生ですから。
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ガビーーーン。新事実発覚。
「せ…せめて、ロンちゃんだけはぁ…。」
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(*´ω`*)御主人様が死んでも、契約した子達は解放されるだけだから死にませんよ。
( ´_ゝ`)そもそもロンちゃんさんは契約もしていませんからね…。
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あっ。そうだった…。
だが、俺が死んだらE5(エコ)さんは俺の備品だからアレだが、DSさんや生まれたばかりの4R (シリュウ)を巻き込んでしまうのか。
なんか気が引けるな。
「だがしかし!最悪、眷族だけの犠牲で済むなら良しとしよう。メールを開いてくれ。」
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(*´꒳`*)はい。どうぞ。
2020/09/04
差出人:八幡大神
宛先:田崎 蓮人殿
その願い。聞き届けたっ!
添付:《擬似太陽》
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「…え?」
ちょっと爽やかすぎますけど?
「この擬似…太陽?って何かのシャレかな?シャレオツなオチみたいな?結局ダジャレかよ!?って言うアレか?」
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( ´_ゝ`)御主人様が何言っているのかちょっと良く分からないです。
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「いや。リアル系の太陽だとしても、そんなもんメール添付で送れるものなのか?と言う疑心暗鬼に苛まれているわけで。もしくは神罰的な?」
『キャニャ?』
分からん。考えれば考えるほど分からん。だがロンちゃんが言うように、信じて開けてみても良いかも知れない。
悩んだところで解決しない。それにココはちょうど屋上だ。
「分かった。ならE5(エコ)さん、その添付解放を我が家の頭上…そうだな。50メートル位置に固定できるか?」
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(*´꒳`*)問題ありません。
添付 :《擬似太陽》の適正ダウンロードを開始…成功。
電脳 情報を取り出します。御注意下さい。
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o(`ω´ )oピカッ!!!
我が家に夏が来ました。
「暑い…暑すぎる…50メートルとか近すぎたか…。」
『キャニャ…。』
それは太陽そのもの。燃え滾る塊。メラメラ燃える。
『カァ…。』
あっ。カア君もへばってる。ヤバい。俺の意識も朦朧としてきた。
「いかん。このままじゃ死ぬ…あの太陽を破壊せねば…。」
Σo(`ω´ )oピカッ!?
あっ。擬似太陽が少し遠去かった。ちょっとだけ熱が引く。意識が少し戻る。
「しかし…まだ近い…4R (シリュウ)に破壊させねば…。」
Σo(;Д;`)oピカッ??
あっ。擬似太陽の光が陰る。これでちょうど良い塩梅だ。
俺は立ち上がる。
だが、プランターの植木や苗木たちが枯れる直前。そしてロンちゃんがっ!?
「死ぬなぁ。ロンちゃぁあああん!!!」
ロンちゃんが薄い。薄いモヤモヤに戻ってしまった。どうしたら良いんだ!?
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( ´_ゝ`)一時的に霊体に戻っただけでは?
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「許さん…ロンちゃんをこんな目に…擬似太陽め(キッ!)。」
Σ((o(;Д;`)o))ピカッ…(涙)
それは太陽の涙。まるで雨が降ったかのように、ロンちゃんや植木、苗木に降り注ぐ。そして虹が交差する。
音声『旦那様。御無事ですかっ!?』
『うわ。太陽だニョロ!』
雨上がりの屋上にDSさんと4R (シリュウ)が駆けつけた。
だが擬似太陽は推定100メートル位置にまで遠去かり、気温的には程よい。洗濯物が良く乾きそうな感じ。
「俺は大丈夫だ…だがロンちゃんが…ロンちゃんが…。」
音声『旦那様…。』
『ロンさん…ニョロ。』
なんと、ロンちゃんがパワーアップしてました。
もうフサフサの毛並みは銀色で神々しい。光を纏っている。何これ?
『キャニャ?』
可愛さ2倍増しである。フサフサでポカポカである。顔を埋めたら太陽の匂いがした。クンカクンカ。
ポピコーーーン♪
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〈報告〉(`_´)ゞ
主格《田崎 蓮人》と契約可能な個体が発生しました。
契約可能個体名〈ロンちゃん〉
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おう。もはや契約待った無しである。だがなにか4R (シリュウ)の様子が変だ。
『親方様。あの蜜柑の木が変ニョロよ?』
ん?蜜柑って言うと、ポンカンの苗木か?
音声『あちらの林檎の苗木もですな。アレは〈木霊〉でしょう。』
「え?木霊?」
それは苗木から滲み出た葉っぱの集合体にも見える。ポンカンの木霊はオレンジ色に。アルプス乙女の方は赤い葉っぱの集合体だ。
音声『元々、竜脈を吸収してはいましたが、自然に木霊に進化するにしては、いささか早いですね。驚異的ですよ。』
そんな木霊がフワフワ苗木の周辺を浮いている。まだ離れる力は無いようだ。
何故に急に?
まあ。答えは分かってる。あの擬似太陽の雨だろう。それとチョメ君に言われて埋めた原石も関与しているのか?それは要検証案件だ。
ともあれ、俺はロンちゃんと契約を開始する。
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契約可能個体名〈ロンちゃん〉と
契約(親和性が一定レベルを越えた固有存在との相互契約を結ぶ事が可能)
を実行しますか?YES・NO
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勿論、YESである。
こうして俺は死に別れたロンちゃんと再会を果たすことが出来た。
それはこの長く辛い竜脈生活の中の一条の光であった事を、俺は思い出すだろう。いつまでも、いつまでも永遠に。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈竜脈種(亜人???)〉
階級〈主格〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈6.0-〉
戦闘力 97+6
防御力 105+6
生命力 91+6
回避値 117+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 132+7
無属性112+6
地属性105+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん(NEW)
称号
召喚士
装備
中炭素鋼バール(中)〈打撃武器〉
属性:中炭素鋼LV60〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化
耐久値:100
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
白シャツ〈服〉
属性:化学繊維LV13〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
清潔感〈微〉
耐久値:40
ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久強化
耐久値:60+α
◆ ◆ ◆




