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第475話「ハイボリュw109の遍歴その2・それでも明日を生きたい」

我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw

 

第475話「ハイボリュw109の遍歴その2・それでも明日を生きたい」

    

階段を上がっていく途中で田崎家の兄弟たちとすれ違った。  


と言っても、彼らは田崎家の家主と血が繋がった実の弟妹ではないけれど、深い絆で結ばれた家族なのだ。

だから田崎家の家主に次いで重要な人物であり、警備対象なのである。 

 

『ニャイ殿、JOLジョリュ殿、朝からの見回りご苦労様であります。』


本来は黒猫顔の長男クロ殿ですが、本日は調子が良いようで?

たまにある黒髪さっぱりの王子様モードですか(?)。

え?昨日の夜から調子が良いと?ええ、勿論、田崎さんには内緒にしておきますよ。


ご覧の通り、クロ殿は性格も人格も抜群に良し、正直、羨ましい限り。

まさに長男を字で書いたかの如き存在感なのだ。


『ねぇねぇ、JOLジョリュちゃん知ってるぅ?ジャックフロストちゃんが生まれたらしいわよ〜?』


ああ、俺は一応、ジャックランタンだからな…。

でも乙女さん、名前の響きが似ているだけで何の関係もないのだが?

この乙女さんはいつも興味本位なだけだし(汗)。


黙っていればフランス人形のようで瞬きもできない程の美少女なのに、残念な子である。

今の俺は…性欲超越してるから(?)、どうってことはないが?

まぁ、そういう意味では千寿姫も似たようなものだからな(笑)。


JOLジョリュさん…おはようございます。』


『ハイ、オハヨウゴザイマス。菅原殿。』


いつもクールで着物姿がカッコいい菅原殿です。

新調したばかりの着物の羽織が更に神々しく似合っていますね。物理的に光り輝いているのは見間違えではないと思う(汗)。


でも菅原殿はいまだに内心、俺に対する苦手意識があるようで…。

いや、俺も悪いことをしたなぁ、とは思う。しかし楽しかったから仕方なかったのであり(笑)。


だけども、元は電気の精霊?なのに、お化けが苦手とかどうなんだろう?


『あ、あ、お、おはよう、です(震)。』


『橘花殿、オハヨウゴザイマス。』


こっちはまだ全開でトラウマが残っている様子の橘花くんだ。

普段はヤンチャでわんぱく全開の橘花くんも、俺の前だけは萎縮するのが、逆にみんなは面白いようで?

特に田崎家の家主も止める様子もないし(汗)。


『橘花お兄ちゃんっ、さあ、行きますよっ。JOLジョリュさん、ごめんなさいっ(ペコリ)。』


『イエイエ…コチラコソ、イツモスミマセン、麻黄まおう殿。』


面倒見の良い末っ子男子の麻黄まおう殿だ。


俺は一人っ子だったから、兄弟がいる感覚とか分からないし、だけどこんな弟が居てくれたら、人生の重みに負ける事もなかったのかな?

お互いに助け合っていけたのかな?なんて感傷に浸ってみたりもした。


JOLジョリュちゃま、おはようなのぉ〜。』


『ハイ、愛聖あいせサン。オハヨウゴザイマス。』


末っ子女子の愛聖あいせさんは、とにかく可愛い。

可愛いが歩いているようなものだ(え)。

有名どころの子役よりも整った顔、引き込まれそうな笑顔とオーラで。


いや、実のところ、この田崎家は美形揃いだから、あまり違和感はないのだけど。

男も女も全員、美形だ。何故だ?


まあ、田崎家の家主本人はちょっと微妙だが…(?)。

だが田崎さんは本人は、ここの竜脈が人の形を成したいわゆる1つの化け物なのだが、全く本人が自覚していないところがミソだ。


『む〜?JOLジョリュちゃま、ちょっとあれですの。霊命線が薄くなっているような…もしかして、昔の記憶ありますなの?』


『エっ!?ナ、な、ナンノ話カナ?』


ジッと俺の顔を覗き込む美少女から視線を逸らす。

この子はちょっと一味違って鋭いな(汗)。



そんな彼らは朝食の時間の為、1階のリビングに向かった。


そして俺は慌ててニャイさんの後を追った。


高位闇霊族アヴァ・アモーナになって、カボチャ男としての霊格も上がって闇でできた身体もあるし、この身体は常時、フワフワと浮いている。とても楽チンなのだ(笑)。


そして何より、カボチャ男だけあって、この俺が魔法を使える。

驚きの事実であるが、その原理とかを俺が理解しているわけじゃない(汗)。


まあ、普段使う機会もないんだけどね、これ、どうなってるんだろうね?


でもそんな事より、カボチャ頭のままだから、食べ物が食べられないのが何とも悔しいと言うか…嗅覚だけ残っているのが逆に辛いね(汗)。


何が言いたいのかといえば…秋刀魚の塩焼き、俺も食べたいなぁ。


◇ ◇ ◇


その日の夜、俺は夢を見ていた。


でもこの身体になって夢なんて見た記憶がないのに…月の綺麗な夜空を漂い進んでいた。

月は怖い程に青い。


だけど、これって折り鶴?

でっかい純白の折り鶴に乗っかって、俺はその身を任せていたんだ。やっぱ夢だよな、これ?


『もしかして…千寿姫か?』


『……。』


答えはない。


しかし、この折り鶴から感じる力は、あの小さくて負けん気の強い千寿姫と同じ雰囲気だ。

それがこんなに大きくなって…ああ、そうか。俺が逆に小さくなっているのか?


それにしてもここは…?


月明かりに照らされて、眼下に広がる街並み。

青々とした木々と山々に囲まれた情景と、海からの潮風が鼻にツンと届いてくる。

ここって…ああ、間違いない。ここは亥東市の鵜沙木うさぎ


田崎家のあった場所だ。


『どこまで俺を連れて行く気だ、千寿姫?』


『……。』


相変わらずの無言か。


夜空をゆっくりと漂い飛びながら、夢であるなら仕方ないと諦める。

こんな不思議なこともあるんだろう、と思わず笑うしかない(笑)。


だが、俺がいざなわれたその先が病院だとは思いもよらず、その山間に存在する比較的に大きめの病院は…亥東市民病院?と看板に記されている。


そして3階病棟の…集中治療室?


酸素導入装置に繋がれて、ベット上で色々な管を身体に繋げられて痩せ細った病人の姿と、その看病に疲れ切ったまま眠りに落ちた人影は…母さん?


「……母さん。」


じゃあ、やっぱりコレは俺か…。


その病人は俺なのだろう。頰がこけて、もはや見る陰もない。

むしろ生きているのが不思議なくらいである(汗)。


生きてはいても、霊気というか魂というか?俺がこうして抜け出してしまっているから、魂と肉体の繋がりが弱まってしまっているのだ。

そういえば、愛聖あいせさんもそんなような事を言っていたな…。



だから記憶が…いや、むしろ記憶を思い出したからか?



多分、このままだと俺はもうすぐ死ぬ。

闇の精霊になったからこそ分かるのだ(?)。



…アイ…アイアイ!!



「え?身体に戻れって?」


千寿姫が俺の心に語り掛けてくる。

まぁ、やっぱり千寿姫だったわけだけど、この子の心配する理由も分かるけど、それでも俺は…


「…いや、それじゃあ、もう俺はあの家に…。」


そこから先の言葉が出ない。

だって、俺の肉体が死んでしまったら、俺は俺でいられる保証もない。

今のJOLジョリュのままでいられるのか?と。



いやだ…俺はあの場所で必要とされ、あの場所で生きていたいんだ!?

俺が唯一、いても良い場所を見つけたんだ!!そう叫びたかったんだ。



だけど…何より、母さんが悲しむ。

そして、俺の治療もいつまでも続けられないだろう…?うちにはそんな蓄えもない。


「…ああ、そうだな。忘れてたけど、俺みたいなクズには、あの家は勿体無い…戻る。人間として…」



アイ!!…アイアイ!!



「良いんだ、千寿姫。俺は、もう満足したんだ…十分だ。」


カボチャ男となった魂と霊が、俺の身体に吸い込まれていく。


俺の意識が深い深い闇の底へと堕ちていく。

気持ち悪い。吐きそうだ。痛い…痛い…全身が引き裂かれるように痛いし、とにかく身体が重い(汗)。



ああ、手が…手が重い…自分の手じゃないみたいだ?



「…た、たかね!?」


「…か、母さん…やぁ…看病ありが…とう。」


精一杯に動かした手が、母の手を握っていた。

ああ、暖かいなぁ。他人の手って、こんなに暖かいものだったんだなぁ?


でも母さん…泣かないで…ごめん。

それでもやっぱり、俺にはまだ見届けなきゃならない場所があったんだ。


「…まだ戻れないんだ…俺は…あの家の行末を、暖かく迎え入れてくれたあの家を…最後まで護ると決めたから…」


涙で母さんの顔が見えないし、そう言うのが精一杯だった。

母さんが何か言っているけど、もう俺の耳には聞こえていないし…。


「…だから母さん…俺はもういいよ…死んでもまたいつか会いに来るから…」


「たかねぇぇ!!!」


ああ、俺の名前は高音たかね

でも今の名前はJOLジョリュだ。


高い音だからハイボリュームでさ(笑)、10月9日生まれ…それで「ハイボリュw109」だ。



唐突に意識が遠ざかっていく…伸ばした手も遠ざかる。温もりが手のひらから消えていく。

後悔?それは勿論あるけど、俺は今の自分でいたいんだ。

何より、今の自分が好きになってしまったんだ。



ああ、そんなに怒るなよ…千寿姫。バカなのは自分が一番良く分かっているし。


え?少しだけ霊命線が繋がったって?そうなんだ?へへへっ。


でもとりあえず、俺を連れて行ってくれ…あの田崎家へ。

あの奇妙で愉快な日常へ(笑)。


◆ ◆ ◆


JOLジョリュ

種族〈高位闇霊族アヴァ・アモーナ

階級〈カボチャ男 (ジャックランタン)・鬼火種〉


カテゴリー〈2.5-〉

戦闘力 24

防御力 25

生命力 20   

回避値 30

知能値 15

器用値 28

魔力値 25


闇属性テネブライ25

火属性イグニス20


戦技バトルアーツ

火種ランタンファイア

迷い火

消えぬ焔

闇の炎


固有戦技パーソナルアーツ

ファイアアロー


固有能力パーソナルスキル

ハロウィンの魂《ハイボリュw109》

精霊昇華・闇体〈闇霊族ヴォイド

竜脈補正効果(契約)


能力スキル

楽 盗撮 闇 南瓜 霊体 鬼火 真面目 苦労性 補佐 霊命線(NEW)


精霊系スピリトイド術式

火精フレイム息吹タン(劫火・焼却)

火精フレイム舞踊ダンス(高揚・浄化)


魔力系マグス術式

下位(基本三原理)闇属性テネブライ付加ギフト

下位(基本三原理)闇属性テネブライ魔道弾ブリッド

下位(基本三原理)闇属性テネブライ誘導波動ソリュード

中位(戦略アグレッシオ級)闇属性テネブライ波動ブラスト

中位(戦略アグレッシオ級)闇属性テネブライ障壁シールド


称号

階段室警備部アドレセンス主任

田崎家ギルド特別顧問(NEW)


装備

墓場の霊衣〈服〉

属性:闇属性テネブライLV80〈特殊兵装ユニーク級〉

付属効果:物理無効〈闇属性テネブライ〉10%守護膜シェル

自己再生・自己修復

耐久値:200


◆ ◆ ◆


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