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第474話「ハイボリュw109の遍歴その1・俺は未来が欲しかった」 

我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw

 

第474話「ハイボリュw109の遍歴その1・俺は未来が欲しかった」 

       

竜脈生活221日目。          

  

全ては軽い気持ちで始めた事だった。    


仕事が長続きしない。アルバイトをしても人間トラブルで辞めた。

思い起こせば、学生時代から人間関係は上手く行ってなかった気がする。

 

ああ、どうしてこの俺が、なんでこんな目に遭わなきゃならない?

俺は真面目に生きてきた。ちゃんと仕事もしてたのに…。


でもこんな俺でも、母親にだけは迷惑を掛けずに生きてきたし、最初は夢も希望だってあった筈だ。

子供の頃に夢見たものは思い出せないけれど、必ず世間を見返してやるんだって!!


そんな俺に相応しい仕事が出来たんだ。


もっと俺を見てくれ!!もっと俺の声を聞いてくれ!!

もっともっと俺をっ!!


そこで声高く呼び掛ければ返ってくる声に、俺は心が昂った。

叫べば叫ぶほどに反響が広がっていくからだ。



これこそ俺の天職だと思ったんだ…それはUooTuberウーチューバー


マルチメディア請負人、その名も「ハイボリュw109」として俺は陽の当たる場所へ歩み始めたんだ。


少しづつ増えていく視聴者と登録数。

俺って面白いだろ?頭が良いし、だから人気があるんだ。

やっぱり分かる人間には分かるのだ!!



…だが、次第に誹謗中傷が増えていく。


俺を誰だと思っているんだ?

俺自身が誹謗中傷していた事に気付く筈もなく、映像や企画は次第に過激路線へと変わっていった。


でもほら見ろ、視聴者数、登録数が鰻登りに増えていく。

やっぱり俺が正しい!!俺が正義なんだ!!

悪いことをする奴は晒してやる。それは自業自得だろう!?



それなのに、どうして俺が訴えられなきゃならない??


ある日、警察が俺のアパートに詰めかけた。

俺を逮捕するだと?


むしろ表彰を受けるべき立場のこの俺が!?勿論、俺は抵抗した。自分の正しさを力説もした!!


アイツは盗撮をしていたし、アイツは違法薬物を売っていた。

アイツはゲイだし、アイツは変態だ。

アイツは美人局つつもたせで、アイツは学級崩壊の主犯で、アイツはイジメで人を死に追いやった。


だから晒してやったのだ!!

国家権力は結局、何もしてくれないだろう?だから俺がやった。苦しめば良いのさ!!



…しかし、無駄だった。


警察は元より、誰も俺の言葉を聞いてくれない(?)。

ネットの中では、みんな俺を応援してくれている。みんながお前が正しいと言ってくれているのに…


え?人権侵害??なんだ、それは?俺の人権を侵害するなっ!?

じゃあ、俺の人権は誰が保証するんだっ!!



母親が泣いていた。



留置所から出た日のことを忘れない。

だけど、俺にはもうこの道しか残されていなかったんだ…


再起を賭けて、災害危険地域への無断侵入や、不可思議現象の調査活動を行った。

心霊現象物件への突入シリーズは高評価となったが、あいにく俺は霊体験などこの方一度も無いし、霊感ゼロの男である(笑)。


神や仏なんて信じたことはない。

親父が死んだせいで、俺と母は苦しい人生だった。

むしろ神がいるなら恨んでやる。ああ、憎んでやるとも。



そして今回、俺はわざわざ伊豆半島まで足を伸ばした。


この伊豆半島にある海に面した観光地…亥東市。

そこで最近、噂になっているパワースポット?一夜にして消えた家があるとの噂だ。


嘘かまことか?家は地盤ごとポッカリと消え去ったが、水道管も電線も繋がったまま、そこは異世界に通ずる次元の穴になっているのだとか?


だが私有地であるし、現地に行って驚いた。

敷地は工事用ネットと防壁でガッチガチに固められていて内部を窺う隙もない。

警備員まで在中している始末。


看板には、亥東市役所管轄仮預かりの為、無断侵入禁止。

不法侵入は法に則り厳しく厳罰に処す…とまで書かれているのだ?


敷地の裏側に回ったら賽銭箱と小さな鳥居が設置されていた。

ちらほらと観光客と思われる人たちが参拝しては、賽銭箱に500円玉を投じていく。


なんで500円玉?

聞けば、夢で500円玉を…探していた?お願いされた?

はぁ?招き猫ちゃんが可愛い??



この場所が一躍有名になった原因は、いち早く神霊スポットとして紹介したUooTube配信者が居たためだ。

それが「かんなぎの女〈エイコ〉」である。

巫女さん衣装のコスプレで有名なUooTuberウーチューバーだ。


迷惑を掛けず、礼儀作法を守って参拝するよう訴える意識高い系配信者で、俺からしたら綺麗事だな。


コイツはエセ霊能力者だし、しかも女だからってチヤホヤされて、苦労もせずにあっという間に俺の登録数を追い抜いて行きやがった。

不公平だろ?世間は多様性と男女平等を謳っている筈なのに(怒)。



俺は駅前の安いビジネスホテルを借り、深夜0時に機材を装備して潜り込む事にした。


「こんばんわ…ハイボリュw109です。噂の…田崎家跡地にやってきました。」


噂の跡地に突撃してみた…PARTパート45弾!!


現場は厳重なバリケードが敷かれている。

ゲートには鎖と南京錠…大袈裟過ぎるだろ、これ?


どうせ、配管の不備とかその辺りで?ガス爆発かなにかで吹き飛んだだけで、証拠隠滅を心霊現象の噂で隠れ蓑にしているだけのことだろうに?

長年の俺の直感が、これは悪事の匂いがプンプンすると言っている(笑)。


警備員の隙を狙い、物陰の塀に隠れながら、リュックからゴソゴソと大型のニッパーを取り出す。

これで鎖なんて簡単にぶち壊し、周囲の目を警戒しながらゲートの隙間へ…



なんだ…?闇が…濃い??



気付かれる危険性はあるが、頭に付けたヘッドライトをONにする。


ビデオカメラの調子が…どうしたんだ?映像に乱れが出ている?

ノイズが酷い…これじゃあ、視聴者にちゃんと映像が送れているかも分からないじゃないかっ!?くそっ。


「あっ!?」


敷地のど真ん中に穴か空いていた。

底は…深く深く暗くて何も見えない?垂直に切り分けられたかのようなこの穴は…こんなの爆発で出来た穴じゃないだろっ(汗)。


しかし、まるで引き込まれるかのような、とてつもない何か(?)を感じる。

何もない筈なのに、ドロリとした重たくて暗い圧力が俺の全身を通り抜けていく?


ああ、言い表わし難い気持ちが昂っていき…これはなんだ?

フラフラと、まるで自分の脚じゃないような感覚で…この穴の先に、俺のこの鬱積した思い、人生を解放してくれる何かが待っているのか??


「うわっ。」 


足場が組まれていたせいで、足を取られて転びそうになった。

うう、頭がボーっとする?


そして次の瞬間、俺は複数の男たちに組み伏せられていた!?

黒服の男たちが俺の手からビデオカメラを奪い取る。


「や、やめろっ!?何なんだ、お前たちわっ!?俺の、俺の…この先に、俺の未来が!!」


「不法侵入者1名確保。関係者他に無し。至急、八咫烏より内閣府に報告を。」


動こうとしてもビクともしない。

体格は同じくらいなのに、コイツら一体、何なんだ?その筋のプロなのか?


あと、もう少し、手を伸ばせば届くのに…俺の指先が、その穴の入り口に届き、何かが流れ込んでくる??


「頼む!!俺を…俺をそっちに連れて行ってくれっ!!俺の未来へ!!俺はもう…!?」



その瞬間、母の顔が浮かんだ。それでも俺は…



「被疑者、意識消失!!緊急搬送の手配を!!左近様に報告をっ!!」


声が騒めく…慌てふためく現場。


だが、もう俺の耳には届かない。俺の心は闇の奥底へと吸い込まれて…そして?


◇ ◇ ◇


記憶は曖昧だった。


気付いた時には、そこに既にいた(?)。

最初の記憶は、ハロウィン?何故かシーツを被ってお化け役をしていたんだ(笑)。


ハロウィンなんていつ以来だろうか?

小学生の行事以来じゃないかな?


俺の名はJOLジョリュ

この名前は「ジャック・オブ・ランタン」から名付けられた。


いわゆるカボチャ男だ。

頭がカボチャで、身体は根っこ。

一応、闇の精霊の一種であるらしい?


…よくよく考えたら、人間じゃなくなっている事に気付いたけれど、それほど違和感がないのが自分でも不思議ではあった。

そもそも、上司であるニャイさんは鎧だけで中身が無いからな(汗)。


まあ、初めは自分が誰であったのかも思い出せなかったし、周りにいる全員が常軌を逸したメンバーであったし(?)、こんなものかと生活を続けていた。


何しろ、俺が配属された「階段室警備部アドレセンス」って場所は、この田崎家の警備を担当する部署であり、メンバーがメンバーなのでまとまりが皆無なのだ。


ニャイさんは最近は落ち着いてきたけど、当初は厨二病全開だったからね(汗)。

真面目な人だけど(?)、ちょっとネジがズレてる的な?元は邪神だったって言うし。


あれ?邪神…って何だっけ?邪悪な神??神様ってこんな身近にいたんだ…あれ?



『ガガガ…JOLジョリュ殿。何をボォっとしているのですか?…ガガガ』


おっと。現在、そのニャイさんと巡回中だったよ(汗)。


『イヤ、昔ヲ思イ出シタダケダヨ(笑)。』


『ガガガ…JOLジョリュ殿が笑うとは珍しいですね?…ガガガ』


それは笑わずにはいられないだろう?

こんなおかしな場所に今、自分が立っている事を。


警備というか巡回中なのだが、この田崎家は基本、災害級の竜脈の中に孤立状態にある。

だけども、固定化された亜空間を内在している為、閉塞感は一切無い(?)。


白ねこ島には海もあるし、山もある。

一方、巨大な都市やコンビニもあるし定食屋も(汗)。

正直、ちょっと意味が分からない。



ここで「階段室警備部アドレセンス」のメンバーについて考えてみる。


小さな小さな女の子であった千寿姫も、今では階段室警備部アドレセンスの同僚として事務所で働いている。

ちょっと気が強いけど、怖がりで引っ込み思案。

でも面倒見が良い子で、俺が面倒を見ているふうに見えて、逆に俺が見守られているような暖かさを感じるのだ。


俺のすぐ後に入ってきた(?)黒いタコの漁火いさりびくんも臆病で怖がりな子だけども、あの子も随分と成長した。

今では事務所にちょくちょく遊びに来ては(基本的に彼は1階店舗の海産物軍団に所属)、拡張された路地裏の「混沌獄門組事務所」をアジトと称して2人で改造したり、昼寝をしたりしている(笑)。


そして、階段室警備部アドレセンス統括であるニャイさんが放任主義なところがあるから、これが困りもので(困)。

幻獣管理室のモスラっぽいポイさん(?)は元々は不死鳥であったらしく、中身はお爺さんで、これまたニャイさんとはあまり意思疎通が取れていないというか、距離感がある?

それは邪神枠にして邪神じゃない?という意味不明な原因だとか…やれやれだ。


幻獣ペットショップ〈ペットレスツチノコ・カフェテリア本店〉の葦原あしはらくんは…ツチノコだし(え)、普段は事務所に置いてあるダンボールのハウスで寝てるだけという始末。

まあ、彼は育ての親の(?)菅原くんがついているし、いわゆる一つのユルキャラ的な?


唯一、口調はぶっきらぼうだが、ワーカーホリックなロッキーさんにはいつも相談に乗ってもらっている。

とは言っても、あの人は忙しいので田崎家大工統領室はほぼ不在であるが(汗)。

最近、2人の息子さんが復活したとかなんとかで、とても嬉しそうだったのが印象的だ…。 



ああ、楽しいなぁ。


毎日がとても楽しいんだ。

何の悩みもないし、いやたまにはあるけど(?)、あっても解決すれば良いだけのこと。


「なんとかなるさ?どうでもいい。」が口癖の家主のように、BMベムくんと金さんとハッピーくんの3馬鹿トリオが騒動を起こしていた時期も、怒っても冗談を織り交ぜつつどうにかなってしまうぐらいだし?


『ガガガ…あ、そうそう。蓮人様から、田崎家ギルド計画に階段室警備部アドレセンスからも担当者を出すよう言われまして、泣く泣く君を推薦しておきましたよ?…ガガガ』


『エ?イヤ、ニャイサン、初耳デスガッ!?』


『ガガガ…私も初耳でしたからね?でも主任はそのまま兼務ですからね…あんな連中、私1人で管理できませんからぁぁ(涙)…ガガガ』



ええぇぇ??



最近、加入したばかりのお酒丸くんは、言動が雑だし、色々と問題を起こしている。

いわゆる人面犬なんだけど中身は鬼だし(?)、ツチノコの葦原あしはら漁火いさりびを子分扱い。ロッキーさんとも相性が悪いし(汗)。


怒った千寿姫がボロ負けしてガン泣きをするしで、階段室警備部アドレセンスは騒がしい日々が続いているのだ(笑)。


『ガガガ…絶対、JOLジョリュ殿は離しませんよぉぉ!!…ガガガ』


『チョ、分カリマシタッテ、離シテ下サイ(汗)。』


それにしても、ギルドってなんです?


え?ダンジョン攻略やモンスター討伐などの冒険者支援組織って…それってファンタジー小説かなにかですか?異世界転生的な?


そういえば、異世界転生ってキーワードも田崎家繋がりでネットに出回っていたような記憶が…?

どんなデマだよ?とも思ったけども、え?この田崎家ならマジでやりそうな気がしなくもない??と困惑しつつ、後編に続く!?


◆ ◆ ◆


JOLジョリュ

種族〈高位闇霊族アヴァ・アモーナ

階級〈カボチャ男 (ジャックランタン)・鬼火種〉


カテゴリー〈2.5-〉

戦闘力 24

防御力 25

生命力 20   

回避値 30

知能値 15

器用値 28

魔力値 25


闇属性テネブライ25

火属性イグニス20


戦技バトルアーツ

火種ランタンファイア

迷い火

消えぬ焔

闇の炎


固有戦技パーソナルアーツ

ファイアアロー


固有能力パーソナルスキル

ハロウィンの魂《ハイボリュw109》

精霊昇華・闇体〈闇霊族ヴォイド

竜脈補正効果(契約)


能力スキル

楽観 盗撮 闇 南瓜 霊体 鬼火 真面目 苦労性 補佐


精霊系スピリトイド術式

火精フレイム息吹タン(劫火・焼却)

火精フレイム舞踊ダンス(高揚・浄化)


魔力系マグス術式

下位(基本三原理)闇属性テネブライ付加ギフト

下位(基本三原理)闇属性テネブライ魔道弾ブリッド

下位(基本三原理)闇属性テネブライ誘導波動ソリュード

中位(戦略アグレッシオ級)闇属性テネブライ波動ブラスト

中位(戦略アグレッシオ級)闇属性テネブライ障壁シールド


称号

階段室警備部アドレセンス主任


装備

墓場の霊衣〈服〉

属性:闇属性テネブライLV80〈特殊兵装ユニーク級〉

付属効果:物理無効〈闇属性テネブライ〉10%守護膜シェル

自己再生・自己修復

耐久値:200


◆ ◆ ◆


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