第45話「DS (ディス)さんの暴走・メイド5人衆?」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第45話「DS (ディス)さんの暴走・メイド5人衆?」
竜脈生活15日目。
今日は朝からDSさんの提案を受け、俺は困惑していた。
お世話になっているDSさんの提案を、なるべくなら断りたくはない。
今も、小さい身体でお盆を持ち、毎朝、俺にコーヒー牛乳を届けてくれるDSさんだ。
だがDSさん曰く、成功するかどうかは五分五分。そして失敗した場合、失うものは大きい。取り返しのつかない事をしてしまった…って、一回は言ってみたい気もするが。
「う〜む。悩むな。だが、DSさんの負担を減らす良い機会でもある。」
音声『旦那様、お任せ下さい。この不肖、DS。今ならば出来る気がするのです!』
「ああ、期待しているぞ!」
音声『ハハっ!!』
男と男の秘密の会話。
それをE5(エコ)さんがジト目で眺めている。よせよ。照れるじゃないか。
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(*´ー`*)自動人形を作るだけのことでしょ?なんの悪だくみですか。
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ふっ。お前は分かっていないな。
DSさんから提案を受けるまで、妄想はしていたが、まさかこの時が来るとは思ってもみなかったのだ。
音声『人形遣いでありながら、ワタクシだけの霊子量では不可能であったものの、今回はE5(エコ)殿の補助機能並びに、4R (シリュウ)から霊子供給を得ことで成功の目星が付いております。』
実はDSさん、以前からコツコツと1人で「自動人形」の作成を行っていたのだ。
その実験の素体は「女性メイド型フィギュア・ユナイゼス」。
可憐な中に芯の強さを持った美少女格闘系メイドである。メイド服は紫色で統一された、俺のイチ推しメイドだ。
無論、フィギア使用の許可は出している。兄のフィギュアだけどね!
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(*´ー`*)いつの間にそんな計画を…。
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E5(エコ)さんが充電中の深夜にですが?
そして重大な問題は、既に度重なる実験により「女性メイド型フィギュア・ユナイゼス」の劣化が進んでいること。これ以上の実験には耐えられまいとのDSさん判断。
また、「自動人形」化した際には、成功しても失敗しても、恐らくは物資再構成はされない。
それはDSさんの原型である「男性執事型フィギュア・オリンポス」が補充されていないのを見れば一目瞭然。
「今回は、一気に4体のフィギュアを自動人形化するリスク…ちょっと迷うが。」
音声『先日に入手しました〈蓬莱の玉枝〉などを使用した場合、4体分がちょうど良いエネルギー比率ですからな。』
ある意味、在庫一掃処分と言うか、あのピンク鮫のプレゼントを早く手放したいという、逸る気持ちが俺にあるのだろう。
「では開始しよう。DSさんは4R (シリュウ)を呼んできてくれ。場所は3階の物置部屋 (フィギュア部屋)で良いか?」
音声『了解致しました。旦那様は素材の準備を。』
「フッ。分かっているさ。」
俺はキザな口調で言ってみる。これが若さか。
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(*´ー`*)まあイイですけどね。
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DSさんを見送り、俺は素材を検討する。
まずは手持ちの死蔵品「蓬莱の玉枝」と「竜宮城割引チケット×5」だ。
DSさん曰く、これらは触媒として使用するそうだ。「竜宮城割引チケット」は1枚余ってしまうが仕方ない。
そして、500玉貯金を崩して、ミミちゃんに等価交換してもらった「猫小判4枚」。500円玉8枚の損失。実はミミちゃん、この小判精製は1日1回しか出来ないことが判明。
現在、1日に1回作ってもらっているが、成功率は8:2。5回まわして1回はゴミ仕様のガチャシステム。
「そんなミミちゃん、最高に可愛いぞ!」
ミミちゃんを捕まえて頬ずりタイム。
ガチャゴミではあるが、排出されるのは猫大好きな「マタタビ」。ある意味大当たり?
『ニャ〜ゴロゴロ。ゴロゴロ』
だから今日のガチャはマタタビ天国で、ミミちゃんもルル君もグタグタになっていますが何か?最高です。ルル君、お腹丸出し。
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(*´꒳`*)御主人様、計画が進まないので早くして下さい…。
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そうか。E5(エコ)さんに急かされるとは、俺も終わりだな。
マタタビヨダレでベタベタになった手を洗いに洗面台に戻る。部屋に戻って、ベット備え付けの棚 (頭側)から引出しを開ける。
「…いざ使うとなる躊躇するな。」
引き出しの中には、俺がネットで買い集めた「天然原石シリーズ」の5㎝大の原石がゴロゴロと詰められている。総額…ちょっと怖い(震)。
中国土産の水晶玉も無造作に突っ込んであるし。
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(*'ω'*)何の為に、こんなに買ったんですか?
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え?何の為?何の為だって??
「趣味のためだよ!買うことに意味があるんだよ!全種類集めるんだよ!集めたらどうでも良くなったけどな。」
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( ゜д゜)それ、意味なくないですか?
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…良眠できるでしょ?頭側にあるし。
そんな事より、俺は引出しの中から状態が良い原石を選別する。勿論、使えば物資再構成されない事は前提だ。
選んだ原石は「アメジスト」「ローズクオーツ」「フローライト」「ラブラドライト」の4つ。
「よし、素材の準備は整った!後はフィギュアの選択だな…ふふふ。」
俺は廊下に出て隣室の物置部屋に足を向ける。
『親方様。来たニョロよ。』
「おう。4R (シリュウ)来たな。今日の警備は完璧か?」
『勿論だニョロ。今はホチョさんに警戒を頼んで来たニョロよ。』
おおう。やはり九官鳥のホチョさん有能説が確定か?
「…ところで、何故、タロさんがいるんだ?」
ちゃんとお座りしてハッハッハッしている黒柴のタロさん。霊犬である。
俺は控えていたDSさんを見るが、見事に目をそらされた。どういうこと?ねえ、どういうこと??
音声『…その、実は、タロ殿の希望により、ワタクシがメイド指導をしておりまして、いわばタロ殿はメイド見習いなのですよ。』
「…は?」
俺は何を聞かされているのだろうか?霊犬のタロさんがメイド見習いとか、どこの世界観なのだろう?
音声『つまりですね…今回、誕生する自動人形は言わば、タロ殿の後輩。後輩誕生の瞬間に立ち会う権利はあるかと思いまして…その。』
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(´;ω;`)御主人様、タロさんちゃんを許してあげてっ。ココに居させてあげてっ。
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許してあげてもなにも、俺も意味が分からないのだが。
別に怒ってるわけでも無い。
「まあ、暴れないなら許すけど。タロさん、ちゃんとお座りしているんだぞ?」
『ガフッ!』
返事は良い。返事だけはな。尻尾は激しい。
『親方様は心が広いニョロよ。そんなことで怒らないニョロよ。』
いや、4R (シリュウ)よ。その過大評価はやめてくれ。俺の器は小さいのよ。ホント。
音声『では、旦那様の了承が得られましたので、自動人形作成を開始したいと思います。旦那様、フィギュアをお選び下さい。』
そうだった。忘れてた。
俺は兄の負の遺産を一瞥する。
まずは確定枠として実験で使用した「女性メイド型フィギュア・ユナイゼス」だ。
やはりメイド一推しである。
次に「女性狙撃型フィギュア・キュライアー」だ。無論、メイドではない。だがメイド服を着せたい!と言う願望は否めない(え)。
キャラクターカラーはグリーン。サバイバル能力も豊富なサイバーパンクアニメの主人公である。
そしてコレは外せない。「女性騎士型フィギュア・ビビアンナーシェ」である。異世界転生アニメの最強女性勇者である。
サブキャラながら、主人公の人気を圧倒する超有名キャラだ。カラーはピンク。
最後に俺が選んだのは、「女性忍者型フィギュア・イシヒメ」である。いわゆる「くノ一」である。
メイドには程遠いものの、メイド服を着せたい。VMMO系主人公なので、確かそんなシュチュエーションもあった筈。許容範囲だろう。なにが?カラーはシルバーだ。
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(*´꒳`*)御主人様、ニヤケ顔が気持ち悪いですよ。
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だまらっしゃい。
音声『では、自動人形作成を開始します。よろしいですかな?』
「いいぞ。始めてくれ。」
『霊子の譲渡を始めるニョロよ。』
一応、DSさんに聞いてみたのだが、俺の霊子供給では、DSさん自身が制御できずに失敗する可能性が高まるそうだ。
それは俺の霊子が竜脈そのもの(同質)であり、膨大な凝縮率による負荷が彼の電脳を圧迫するのだと言う。
俺はますます人間離れをし始めているようだ(涙)。
音声『霊子の供給を受託。〈竜脈解析vr6.5「霆」〉との結合を開始…成功。詳細コントロール委任。E5(エコ)殿、任せられますかな?』
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(*´꒳`*)固有存在〈E5〉電脳システムとの結合を許可します。
結合成功…〈錬金術式〉の主導権を固有存在〈DS〉へ移譲。
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音声『移譲を了承。では旦那様、フィギアと素材を配置して下さい。』
うおぉぉ。ワクワクして来たぞ。
早速、俺は4体のフィギュアを床に置いた。
そして一枚づつ「猫小判」と「竜宮城割引チケット」を配置。
原石については、「ユナイゼス」にアメジスト。「キュライアー」にフローライト。「ビビアンナーシェ」にローズクオーツ。「イシヒメ」にラブラドライトだ。
音声『蓬莱の玉枝をこちらへ。』
言われるがまま、俺は「蓬莱の玉枝」をDSさんへ手渡す。
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〈蓬莱の玉枝〉を霊子分解開始…成功…空間転換中。
〈竜宮城割引チケット〉を触媒として原石〈アメジスト〉に火属性が融合する事で〈霊子核〉を作成しました。
同様に原石〈フローライト〉に風属性。〈ローズクオーツ〉に水属性。〈ラブラドライト〉に土属性を融合させて〈霊子核〉を作成…成功。
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フィギュアの頭上に脈打つ宝玉が浮かび上がる。それぞれ、赤色、緑色、桃色、銀色。
表現としてはありきたりだが、とてもピカピカ綺麗です。
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引き続き〈猫の小判〉を霊糸化、伝達経路神経として流用。
伝達経路神経と霊子核の接続を完了しました。
霊子核と各フィギュアとの伝達経路神経結合開始…成功しました。
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おっ。あっという間にフィギュアの中に宝石が取り込まれた。そして「猫の小判」が黄金の糸になり、それぞれのフィギアを覆い尽くす。その糸の先は全て、DSさんの手の中。ここまでわずかに30秒。
音声『旦那様。彼女達の名付けをお願いいたします。』
え?いや、名付けって言っても、既に名前があるでしょ。
「う〜ん。そのままで良いんじゃないか?ユナイゼスでユナ。キュライアーでキュラ。ビビアンナーシェでビビ。イシヒメはイシヒメだな。」
そんな安易な命名をまた俺はしてしまった。
ポピコーーーン♪
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(*゜▽゜*)命名により下記の固有存在に自我が発生しました。
⚪︎ユナイゼス (ユナ)火属性
⚪︎キュライアー (キュラ)風属性
⚪︎ビビアンナーシェ (ビビ)水属性
⚪︎イシヒメ 土属性
無償・自我構築プログラム「version1.4」にて補助を開始します。
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音声『メイド情報〈冥土〉のダウンロードを開始いたします。』
…ちょっとDSさんの暴走が見え隠れしている気がしないでもない。
こうして、俺の前に姿を現した「メイド5人衆」。ザッと整列。ん、五人?
え〜と。ユナイゼス…キュライアー…ビビアンナーシェ…イシヒメ…タロさん。
タロさん?え?
『ガフッ!』
私もメイドよっ!て言われてもな。
ポピコーーーン♪
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〈報告〉(`_´)ゞ
主格《田崎 蓮人》と契約可能な個体が発生しました。
契約可能個体名〈タロさん〉
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ええぇぇ。
副音声『タロ先輩!ユナと言います。よろしく御指導をお願いします。』
副音声『先達に敬礼!個体名称キュラと申します。』
副音声『私はビビ。冥土?は初めてなのでヨロシク!』
副音声『イシヒメなのです。ふつつか者ですが頑張るのです。』
そんな後輩にタロさん、優しい目で『ハッハッハッ』状態。大丈夫かこれ?
しかし、後輩達から信頼を得たタロさんを駆逐出来るはずもなく、俺はポキリと折れていた。
しかしだ、こう見ると本当に生きてるように見える。
あの推しアニメのあの推しキャラが、こうしてメイド服を着て俺の前にいる事実。これはもう冒涜以外のなにものでもない。
日本に戻ったら、俺は袋叩きになる予感しかしないな。ヤバい(震)。
ああ、でも大きさはDSさん同様の50㎝程度という現実に、俺は目の前がクラクラするのだった。残念。
そしてメイド5人衆の1人 (?)、タロさんと契約した。タロさんの契約鑑定を参照。
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タロさん♀
種族〈霊犬〉
階級〈黒柴・狼種〉
カテゴリー〈1.5+〉
戦闘力 18
防御力 15
生命力 10
回避値 20
知能値 10
器用値 10
魔力値 20
光属性15
闇属性10
戦技
噛み付き
飛び掛かり
固有能力
息吹の回法〈常世の魂〉
幽体複合素体〈因子吸収〉
竜脈補正効果(契約)(NEW)
能力
母性 愛嬌 嗅覚 疾走 牙 冥土(NEW)
息吹の法(NEW)
不帰順の息吹〈魂魄封印〉
荒羽吐の息吹〈魂魄破壊〉
称号
メイド5人衆〈特別枠〉(NEW)
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ちゃっかり「メイド5人衆」という称号を獲得している。霊犬なのに。
霊犬なのか?メイドなのか?よく分からないタロさんの身体情報は狼系と判断。契約と同時に実体化が完了している。
黒い体毛に所々、赤色の模様が隈取りみたいに浮き出ているのがカッコいい。犬が主役のそんなゲームってなかったっけ?アレに似ている(危険)。
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田崎 蓮人
種族〈竜脈種(亜人??)〉
階級〈主格〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈5.5+〉
戦闘力 85+6
防御力 93+6
生命力 79+6
回避値 105+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 118+7
無属性101+6
地属性91+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん(NEW)
称号
召喚士
装備
中炭素鋼バール(中)〈打撃武器〉
属性:中炭素鋼LV60〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化
耐久値:100
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
上下ジャージ(PUMA)〈服〉(NEW)
属性:化学繊維LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:50
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