第44話「汐満玉・危機一髪」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第44話「汐満玉・危機一髪」
竜脈生活14日目の朝。おはよう。
DSさんから朝のコーヒー牛乳を受け取り、一気に飲み干す。
昨日の面倒な葉っぱ掃除で腰が痛い。気がする。
市の指定ゴミ袋に入れた葉っぱだったが、約6時間後の夕方には消滅。便利な自動廃棄である。
「ところでDSさん、地下室はどうだ?」
音声『はい。さすがは旦那様ですね。昨日までの事が嘘のように、皆が鎮まっていますぞ。』
まあ、それなら良いのだが。みんな仲良くが1番だ。
『特に紅葉殿が皆に言い含めておりましてな。頑張っておりますぞ。』
「…もみじ?…ああ、葉っぱか。」
葉っぱ怖い。紅葉ってのは、俺がリーダー認定した博多人形の名前だ。
陶器製の可愛い着物姿の女の子。
「リーダー認定はしたが、よくあのお面達が従っているなあ。」
音声『そこは勿論、旦那様が名付けを行なったお陰ですな。』
え?
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(*´꒳`*)名付けを行うことで、固有存在はネームド(名持ち)として霊格が上がるんですよ。
(*´Д`*)紅葉ちゃんさんは〈生き人形〉に進化してますね。
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ふーん。真っ先に名付けたカラスのカア君は?
ともあれ、今後は安易な名付けはやめようと思う。本気だぞ。
「しかし、紅葉もそうだが、普通に京都土産達が動いていたのだが、まあ今更の感はするが…。」
音声『彼等は竜脈を吸収することで〈付喪神〉となっております。』
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(*゜▽゜*)器物が歳を経て〈妖怪化〉したものが〈付喪神〉ですね。
(*'ω'*)九十九神とも言いますよ。
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ガビーン。妖怪はシーちゃんとミチだけにあらず。
我が家、妖怪だらけだった件。
さて、今日は朝から1階、店舗フロアにやって来た。
まずは神棚に柏手を打っておく。
本日の海産物軍団の様子はと言うと、特にいつもと変わらない。
ただ、俺が滑落 (?)してから店舗シャッターは開きっぱなしにしてある。
あと、九官鳥のホチョさんは檻から出入り自由にする為、入り口を輪ゴムで止めてある。
そんな事しなくても、ホチョさんは自分で出て来ることが可能と判明しているのだが。
なんでホチョさん、日中は自由にフロア内を見回っているようだ。
「おはよ。ホチョさんリーダー!」
『……。』
相変わらずのスルーですね。
え〜と。金さんに関してはスルーですよ。
波乗り金さん、ビックリするほどラブアピールがヒドい。これ金魚?
亀の花子さんはバケツから出ようと踠いている。両手をバケツの端に掛けて、ガタガタ危ないですよ。ちゃんと後でご飯あげるから待っていて欲しいな。
音声『よろしければ、ワタクシがご用意いたしますが?』
「いや。これは俺の仕事だ。取らないでくれ。」
ご飯の準備だけはDSさんに任すわけにはいかない。
何てったって、俺は家主。ちなみに今日のお昼はカレーライスの予定。具材の準備は出来ている。
エビちゃんとイカちゃんは今日も仲良く追いかけっこをしていた。海産物軍団の中では1番元気な2人だ。
両方ともプックリ太ってディフォルメ感が良い状態。
タコ兄弟のタコ兄とタコ君は無事に増設された水槽に引っ越していた。2日前のことだ。
この水槽はDSさんの物質再構成で複製されたものを、更に大型化してある。凄いぞ、DSさん!!
その為、即座にDSさんは機能停止し、丸一日、充電期間に突入していたな。
まあ、その日の俺は昼寝の日?だったので問題なかったけれども。
「タコ兄弟。どうだ?何か問題はあるか?」
『にゅる\(^。^)/』『にゅるσ(-.-;)』
タコ兄の方は良好のようだ。タコ君はちょっと良く分からないって顔。
そもそも、海水じゃなくて水道水だからな。
その水道水もどこから来てるのかも分からないけども。
サザエとハマグリは具材なのであえて触れません。
「ところで再確認するが、E5(エコ)さん、例のメールだが?」
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(*´Д`*)昨日の夜に届いたメールですか?表示しますね。
差出人:安曇之毘売
宛先:田崎 蓮人殿
お久しぶりじゃないの。私よ!乙姫よ!
今日はお父様から珍しい物を貰ったから、あなたにもあげるわ。喜びなさい。特別なのよ!
と言うことで、早く申請の許可しなさいよね!待ってるわよ。
添付:《玉手箱ギフト》
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…あのピンク色の鮫だか鰐だか分からん乙姫め。これが噂のオニデレか?違う。
問題は、添付された「玉手箱ギフト」なるものだ。
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(*´ω`*)《玉手箱ギフト》の内訳を表示します。
◯汐満玉〈周囲50メートルの水属性を持つ存在との友好指数上昇〉
◯蓬莱の玉枝〈水属性を持つ女性へ贈ると恋愛比率倍増〉
◯竜宮城割引チケット×5〈お得な割引チケット〉
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いや、これ明らかにオニデレだろ。違う。
しかし、我が海産物軍団には有用な品揃え。竜宮城割引チケットって何のこっちゃ?これは死蔵でいいか。
「仕方あるまい。E5(エコ)さん、その添付ファイルをダウンロードよろしく!」
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∑(゜Д゜)えっ!ダウンロードしちゃうんですかっ!?安曇のちゃんですよ!?
(´・ω・`)イヤな予感がしますよ!!
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音声『E5(エコ)殿。旦那様には深遠なる計画があるのです。大丈夫ですよ。』
いや。そんな深淵の底のような考えはありませんけど?浅いですよ?
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(´・ω・)ちょっと納得できませんが…仕方ないですね。
添付 :《玉手箱ギフト》の適正ダウンロードを開始…成功。
電脳 情報を取り出します。御注意下さい。
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おっと。目の前に突然、ポンって出現する玉手箱。
これアレだな。ちょっと色々と不安だったが、「電脳世界通販JYUKAI」を使う前提で妄想するが、購入した商品の発送窓口はどうなってんだ?と言う疑問が解消したぞ。
多分、購入商品はこんな感じで届けられるんだろう。俺、安堵。
「やる気が出て来たぞ!!」
しかし、商品購入の目処は立たんけどな。帝釈天様、早くE5(エコ)さんのバージョンアップをお願いします(涙)。
やる気が急激に消失したが、とりあえず玉手箱を開いたら箱は消失し、手元に中身が出現。
汐満玉は、それこそ野球ボール大の透明な玉だった。ガラス玉と見分けがつかん。と言うか、水晶玉と言われても俺には分からないけどな。
蓬莱の玉枝ってのは、なんだか珊瑚の枝じゃないか?ピンク色で、所々に真珠の玉があしらわれている。ピンクのサメだかワニを思い出すのでポケットにINした。
竜宮城割引チケットね。それっぽいチケットが5枚。あまり興味がないので、転売したい。「電脳世界通販JYUKAI」って買い取りも可能だろうか?これもポケットIN。
「早速だが、この汐満玉を使ってみようと思う。何か問題はあるか?」
音声『旦那様の御意志を尊重いたします。』
DSさんは俺に盲目過ぎなところがある。もうちょっと相談役的なポジションが欲しいところだが、致し方ない。
この汐満玉を使うのは海産物軍団だ。
まあ。九官鳥のホチョさんは明らかに「水属性」とやらは持っていないだろうが、まず間違いなく海産物軍団はある筈だ。だって海産物だから。
その他、身体情報を把握する中では「ミミちゃん」と「4R (シリュウ)」だけが水属性を持っている。
ミミちゃんは例外の全属性持ちなので、除外だな。
「…ところで、コレはどうやって使うんだ?」
持ち上げたものの…叫ぶの?投げるの?割るの?失敗したら恥ずかしいぞ。
俺はピタリと止まってしまう。
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(*´꒳`*)名前を言って、使用する意思を確認すれば発動しますよ。
もしくは私の方で代行しますか?
《汐満玉》LV200〈秘蹟武具級〉を起動しますか?YES・NO
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…名前を言って、使用する意思を確認とか、絶対に上手くいく気がしない。なに、そのファンタジー的な使用方法?俺の羞恥心をゴリゴリ削る気か?
無言でYESボタンをタッチする俺。
ピカッ!!
俺の手の中で汐満玉が輝き出す。
この輝きが海産物軍団の「友好指数」を底上げするのか?
ワクワクしてたら足元がお留守だったようだ。
「あ、痛ぁっ!?」
足元のバケツ。それは亀の花子さん。
そう言えば、さっきからガタガタ暴れてたっけ…。
そんな花子さん、バケツから飛び出た拍子に俺の弁慶の泣き所を殴打。
これは痛い。耐えられぬ痛み。なもんで、輝く汐満玉が手元から離れたことについては、もう不可抗力と言うしかあるまい。俺は悪くない。
ゴックン。
そして、その汐満玉がどこに行ったかと言えば、飛び出た花子さんのお口の中へスポッとINされました。
「ぐぅおおお…花子さん…そんな物食べちゃダメ…ぐおぉぉ…。」
だが、自分の右足の脛が痛すぎて死ねる。
音声『旦那様、大丈夫でございますか!?』
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Σ(゜д゜lll)花子さん、お腹が光ってますけどっ!?
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涙が滲んだ目に、満足げにゲップする花子さんの姿が映る。なんてはしたないお姫様。
御本人 (花子さん)は満更でもない様子。
「…花子さん、大丈夫なの?」
『…カメ。』
う〜む。亀の表情とか分からん。
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〈報告〉(`_´)ゞ
主格《田崎 蓮人》と契約可能な個体が発生しました。
契約可能個体名〈花子さん〉
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音声『おや?この気配は?』
今度は何だ?まだ俺は復活してないぞ?
飛び込んで来たのは青い子蛇。我が家の警備担当「4R (シリュウ)」だ。
『親方様。何があったニョロか?防壁が一時的に、なぜか水属性を持つ者だけ入り込み易くなったニョロよ。』
あ〜。そう言うことか。
『ピンク色の鮫さんが入ってこようとしたから、ぶちのめしておいたニョロよ。良かったニョロか?』
俺は思わず、グッジョブと叫んでいた。
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(´・ω・)だから言ったじゃないですかっ!!
(*゜▽゜*)花子さんに感謝ですよ!
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おお。そう言えば。
「まさかの花子さん!!お前、コレが分かってて汐満玉を飲み込んでくれたのか!?すごいぞ!乙姫なんかより、よっぽどお姫様だぞ!!」
『…カメ?』
だから亀の表情とか分からんから。
おそらく「汐満玉」を飲み込んだ事が契機になったのだろうが、花子さんが契約可能となった。俺は早速、花子さんと契約をした。
汐満玉の輝きが甲羅に集約され、一層、眩しく煌めくと、それは銀色に変化した。銀色と言うか、まるで鏡みたいにピカピカだ。
ポピコーーーン♪
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主格《田崎 蓮人》と個体名〈花子さん〉との間に契約が結ばれました。
〈花子さん〉は竜脈補正効果(契約)を受け、種族〈亀姫〉 に進化しました。
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…亀姫ねぇ。そのまんまじゃないか?
そして花子さんの契約鑑定がこちら。
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花子さん♀
種族〈亀姫〉
階級〈甲殻類・黒種〉
カテゴリー〈1.5+〉
戦闘力 10
防御力 25
生命力 20
回避値 5
知能値 10
器用値 5
魔力値 10
水属性10
土属性5
戦技
水流操作(NEW)
噛み砕き
踏み付け
固有能力
汐満の魂〈生命力0.5%以下発動〉相生相剋〈土気〉顕現(NEW)
黒玄の盾《亀甲》〈物理 反射率80%〉
竜脈補正効果(契約)(NEW)
能力
慈愛 不動 姫 大口 水 盾 水流
魔力系術式 (NEW)
下位(基本三原理)土属性付加
下位(基本三原理)土属性魔道弾
下位(基本三原理)土属性誘導波動
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)水属性魔道弾
下位(基本三原理)水属性誘導波動
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しっかり「汐満玉」が取り込まれているようだ。
そして完全なる防御力特化型と言って間違いあるまい。
こうしてピンクのサメの計画が阻止された。
ピンクのサメは横っ面に青あざを作り、スゴスゴと引き返していくのだった…。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈竜脈種(亜人??)〉
階級〈主格〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈5.2-〉
戦闘力 79+6
防御力 87+6
生命力 73+6
回避値 99+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 111+7
無属性95+6
地属性84+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん(NEW)
称号
召喚士
装備
中炭素鋼バール(中)〈打撃武器〉
属性:中炭素鋼LV60〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化
耐久値:100
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
白Yシャツ〈服〉(NEW)
属性:化学素材LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
化学耐性(微)
耐久値:55
ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久強化
耐久値:60+α
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