第4話「…母のリビング探索。2階」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第4話「…母のリビング探索。2階」
屋上にさよなら。現実逃避したい気分だ。
階段を駆け降り、俺は3階の洗面台まで戻ってきた。
やれやれである。
さて、問題の2階である。居住スペース的には、改装して壁をぶち抜いているため一番広い空間だ。
もはや母親の居住区画とも言って良い。
残っている部屋は洗濯室と繋がったお風呂場だけだ。不便なぶち抜き改装である。
もはや残された探索箇所は下に向かうのみ。
俺は一歩一歩、噛み締めながら階段を降りる。案の定、変わった事は起きない。
階段の途中には扇風機や掃除機が並んでいる。
その先に2階への扉が現れた。
コンコン…。
扉を叩いてみる。
…返事は無い。無音だ。
カチャリとドアノブを回すと…う〜ん?
とりあえず電気を付けてみる。ポチッと。
明るくなった室内を見渡してみる…緑、緑、緑。
相変わらず、うざったい程の観葉植物が点在。ポトスやモンステラ。
これは母親の趣味のようなものだ。
店先も観葉植物で飾るのが大好きで、玄関先は鉢植えが並んで綺麗だぞ。色とりどりだ。
もっとも、現状どうなってんのか知らんがな?
待て待て。
母さんがいないと思われる今、水やりは俺の仕事か?
なんてこった!
まあ、2階の洗面も水が出る。確認済み。
設置しただけで満足して放置気味のシステムキッチンだが、ほぼ母さんだけに懐いてる猫のミチの水飲み場と化していた。
ミチは蛇口を開けて水を出せっていう系の猫?なんで。どう言うしつけっ!?
「…おーい?ミチ?」
いや、どっちにせよ俺の声に反応しない子なんだけどね。
多分、コタツの中かベットの布団の中で動かないで寝てるはず。
起こさなかったら、ずっと一日中、寝てる猫なんて珍しいでしょ?いやマジなんです。
案の定、布団をバサリと開いたら寝ぼけまなこの顔をヌッて出してきた。
とてもブサイク。
白地に黒の斑点…牛です。口元にホクロの模様もあるし…ブサ可愛!
「お前はマイペースだなあ。」
抱き上げようとしたら逃げた。
『ブニャー。』
うん、いつもの事にだけどねー。
うちの母親だけに気を許してる猫ちゃんだから。女の子だけどね。ブスめ。
気を取り直して、俺はお風呂場へ通ずる扉に向かう。
後ろではキャットフードをバリバリ食べてるミチの姿。大物だな。そのポジティブハートを俺に下さい。
お風呂はこの2階に一つと、1階にもユニットバスがあって計2つ。
しかし、俺は必ずと言っても良いほど、この2階のお風呂を使うのだが、なんかユニットバスって嫌なんだよね。
2階は昔からあった風呂場を改装して使っていて、タイル貼りだし、湯船は陶器製で別注品。屋上の給湯器も生きていたから、お湯は出る筈。出るのかな?不安。
『ポーーーン…熱いお湯にセットされました…』
お湯を貯めとこう。
あとで入りたいから。
え?そんな場合じゃないことは分かっている。
それでも、日本男児として、お風呂が大好きな俺がここにいるんです!
そして各種取り揃えられたドイツ製入浴剤の棚。
手に入らないものはAMOZONを使用してでも取り揃えてあります。
使用用に保存用と観賞用と…勿論、母さんには怒られてますが、これはやめられないし止まらない。
今のバスソルトはハニーバニラ(!)がお気に入り。
今日は昨日AMOZONで届いた柑橘系の新作を試してみよう。ワクワク。
洗身用にはアメリカ製マジックソープだ。
こればっかりは母親が勝手に使いやがるから俺もお怒り。
多めにチェリーブロッサムは確保してあるからまあいいか。母さんは通常タイプしか使わんし。
いや、そんなことよりも、俺は洗濯室に置かれている小動物用の籠を見つけてホッとする。
「お〜い。チョメチョメ〜。ヒマワリ食べる〜?」
愛くるしいな。チョメ君は一生懸命、回転する輪っかを走っている。
俺はエサ箱にヒマワリのタネを投入。
『チュ?』
走るのをやめ、ヒマワリのタネをほお袋に投入するチョメ君。癒されるねえ。
そう、我が家のハムスターのチョメ君。
アイドルである。
オスである。
こんもりと丸まっこい体系のシャンガリアンハムスターである。毛並みは灰色。つぶらな黒い瞳。
あとでレタスを持ってこよう。
レ・タ・ス…と、手の甲にボールペンで書いておく。忘れないようにね。
ボールペンは固定電話機の横のメモ帳に戻して…と。
…ふむ。固定電話があった。
一応、受話器を取ってみる。
無駄だとは分かっちゃいるが、ものは試しだ。
1・1・0…とプッシュ。
やっぱ警察でしょ。
あっ。お巡りさん?わけのわからない青い空間に家ごと閉じ込められました!助けてっ!
君ぃ〜?頭は大丈夫かぁい〜?親御さんはいるのかなぁ?
人を頭が弱い子みたいに言うんじゃないよっ!シネっ。
ガチャンっ!!
…妄想してみたが、受話器からはツーツー音ばかり。
そりゃ、電線が消えてるしねえ。
2階探索終了である。
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田崎 蓮人
種族〈人間〉
階級〈一般市民〉
所属国〈日本〉
カテゴリー〈1.0+〉
戦闘力 6
防御力 8
生命力 6
回避値 8
知能値 26
器用値 25
魔力値 0
無属性0
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力
称号
一小市民
装備
i poon E5〈最新型の携帯機種〉
属性:精密機器LV20〈特殊兵装級〉
付属効果:電子機器
耐水機能
耐久値:30
上下スウェット〈服〉
属性:化学繊維LV15〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:40
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