第38話「亜空間の扉・炎の尻尾」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第38話「亜空間の扉・炎の尻尾」
竜脈生活8日目の昼。
1階の居間で俺は白猫シーちゃんに呼び止められた。
もはや仏壇の上がシーちゃんの指定位置である。
「ちょっと、アタシのとこに来なさいよ!」と、言われた気がした。
『ミャ!』
「シーちゃん、どうしたの?」
俺は頭の上に土妖精のチョメ君を乗せたまま、仏壇に歩み寄る。
本日のお供はチョメ君とDSさんだ。E5(エコ)さんは常備の備品である。
シーちゃんが立ち上がり、爪を仏壇でチョンチョン叩く。
「うーん。手を仏壇の中に入れろと?」
何となくだが、言いたい事が分かる気がする。
要約するとこうだ。『アタシがずっとココで動かなかったのは、あの子が迷わないようにこの扉から声をかけ続けてたからなのよ。早く引っ張り上げてちょうだい。』
あの子って誰だ?
ともあれ、俺は仏壇に手を突っ込む。無警戒であるが、不思議と危険は感じない。
「おっ、手の先が消えた。」
音声『どうやら、その先は亜空間のようですな。』
もはや慣れたとは言え、もう不思議現象てんこもりの我が家である。
俺は更に手を伸ばす。
『ミャっ!!』
要約すると『そこよ!もっと手を伸ばして!』という感じか。
はいはい。分かってますよ。
俺は指の先が何かに触れた気がした。
逃さんとばかりに、むんずと掴む。
「おっ?みんな、引っ張ってくれ!」
音声『お任せください。』
『ちゅぅ!!』
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(*´꒳`*)皆さん、頑張って〜〜。
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E5(エコ)さんは応援だけ。
実質、俺の手を引いて手助けしてくれるのはDSさんのみ。小型フィギアなのに、すごい握力だ。ちょっと痛い。
チョメさんは可愛いから許す。俺の癒し。
しかし、俺の指が掴むこの感触…これアレだな。アレに間違いないな。
『ミャァ!』
要約すると『その黒い尻尾を離さないで!』というところ。
やっぱりコレ尻尾だよね。そして猫尻尾が現れる。
「怖くないぞ。出てこ〜〜い。」
そうして、亜空間からスポーン!と黒い猫が飛び出した。
黒いとは言っても、お腹は白い。
「お…お前は…まさか…。」
いや、見覚えはある。あるけども、会える事は絶望視していた。
だってクロちゃん、お前は車に跳ねられて死んだ筈だよ。道路の真ん中で。
『ニャウッ!!!』
俺の声に気付き、俺にダッシュで抱きついた黒猫。
これはそう言う事か?何、このサプライズ?
あのピンク色のワニだか鮫だか分からん乙姫も、ここまでやれば考えてやらんことも無かったのだが。
「クロちゃん、お前、外猫で外で死んだから、もう物質再構成も出来ないと思っていたのに…。」
音声『旦那様、良かったですな。』
ああ。ありがとう、DSさん。涙がちょちょぎれるぜ。
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(*´∇`*)クロちゃんさんと言うんですね。よろしくです。私はE5(エコ)さんですよ。
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『ニャフ。』
返事を返したクロちゃんだが、俺にしがみ付いて離れない。ずっと1人で寂しかったのかな。
モヤモヤを通り抜けて既に実体化しているし。
だがそう考えると、うちの外猫(家と外出入り自由)はこのクロちゃんとズズ君の2匹がいたのだが、クロちゃんが交通事故に遭って以来、我が家は外猫禁止となった。
それ以降、保護した仔猫は全員、家から出さない家猫だ。かれこれ、もう20年も前のこと。
もう1匹の外猫スズ君は、歳をとってからフラリと姿を眩ませたことも、その要因となっている。正直、生きているのか?死んでいるのかも分からないのだ。
「クロちゃん、ズズ君は?」
『ニャフ?』
クロ君、首をかしげる。
知らないと言っているようだ。ならば生きているとポジティブシンキングしておこう。
ともあれ、良い機会なのでDSさんに今日も竜脈解析(契約可能指数)
をお願いしてみる。
音声『了解致しました。では、電子情報枠を開きますぞ。』
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竜脈解析vr6.5「霆」起動
1階フロアの《契約可能指数》を表示
①シーちゃん(猫又)〈未契約〉竜脈吸収率〈0.00015%〉契約指数〈98%〉
②クロちゃん(自縛猫)〈未契約〉竜脈吸収率〈0.00010%〉契約指数〈70%〉
③タロさん(霊犬)〈未契約〉竜脈吸収率〈0.000020%〉契約指数〈20%〉
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ツッコミどころが果てしない。
シーちゃんの「猫又」って妖怪じゃなかったか?
まだシーちゃんの尻尾は2つに分かれていない。ホッとした。
『ミャァ。』
要約すると、『乙女の尻尾をジロジロ見るんじゃないわよ!』と言うところだろう。
俺の腕の中でウトウトし始めたクロちゃんだが、「自縛猫」に我が目を疑う。
これは、地縛霊的な猫ってことでしょうか?
まさか、我が家の家の前の道路に、ずっと地縛猫として君は居たのか?
と言うか、今の俺は地縛猫に取り憑かれてる的な?まあ、それも今更な気がするのだが。
ポピコーーーン♪
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〈報告〉(`_´)ゞ
主格《田崎 蓮人》と契約可能な個体が発生しました。
契約可能個体名〈シーちゃん〉
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えっ!?このタイミングでシーちゃんなのか?
「何でシーちゃん?」
『ミャ!!』
要約すると、『アタイの役目がひと段落ついたからなのよ!』だそうだ。
ああ、シーちゃんが仏壇の上から動かなかったの、そういう理由があったのか。
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契約可能個体名〈シーちゃん〉と
契約(親和性が一定レベルを越えた固有存在との相互契約を結ぶ事が可能)
を実行しますか?YES・NO
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『ミャァ!』
要約すると、『早く押しなさいよ!』と、シーちゃん自ら電子情報枠に手を伸ばし(俺の肩に飛び乗り)、YESをタッチ。肉球かわいい。
いや、まあいいけどね。それより頭にチョメ君、両手でクロちゃん、肩にシーちゃんって、さすがの俺もちょっと重いぞ。幸せに潰れそう(笑)。
それにしても、シーちゃんは契約しても、あんまり変化がないなぁ。勿論、姿形も変化なし。
ルル君やミミちゃん達に比べて、あの過剰演出が一切ない。ちょっと寂しい?姉御肌のシーちゃんだけあって、無駄な演出拒否ですね。
でもちょっと首元が熱い?けど。
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∑(゜Д゜)シーちゃんさん、尻尾がっ!?
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「え?」
『ミャ?』
音声『旦那様、首元が焦げてますぞ?』
アチチチッ…!?焦げたぁぁぁ!!
シーちゃんの尻尾の先が燃えていた。それはまるで蝋燭のように。
しかも2本だ。シーちゃんの尻尾は2本に分かれて、その先が燃えているのだ。
「シーちゃん、その尻尾どうなってんのっ!?
『ミャアァァ!?』
要約すると、『アタシにも分からないわよっ!止まらないのよっ!』ということで、御本人も大慌て。
まあ、火傷はすぐ治った。ものの5分ぐらいで。
本気で俺は人間をやめてるっぽいぞ。
以下、シーちゃんの身体情報だ。
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〈契約鑑定・表示〉
シーちゃん♀
種族〈猫又〉
階級〈白猫・妖種〉
カテゴリー〈1.0+〉
戦闘力 12
防御力 10
生命力 8
回避値 12
知能値 13
器用値 8
魔力値 10
火属性10
闇属性10
戦技
尻尾叩き
猫火
炎の舌
固有能力
魂喰い〈鎮魂〉
あやかし再誕〈二尾炎〉
竜脈補正効果(契約)(NEW)
能力
夜目 愛嬌 爪 鎮魂 妖怪 炎
精霊系術式
火精の息吹(劫火・焼却)
妖の呪法(NEW)
魂魄魅了〈呪縛〉
魂魄鎮魂〈封印〉
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これ、確実に妖怪だ。
我が家に妖怪さんが生まれた瞬間なのであった。今更な気もするが。
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田崎 蓮人
種族〈竜脈種(亜人??)〉
階級〈主格〉
所属国〈日本???〉
カテゴリー〈3.7-〉
戦闘力 43+6
防御力 51+6
生命力 67+6
回避値 63+6
知能値 26
器用値 25
魔力値 68+7
無属性59+6
地属性42+7
固有能力
竜脈適正「高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生(NEW)
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん(NEW)
称号
召喚士
装備
中炭素鋼バール(中)〈打撃武器〉
属性:中炭素鋼LV60〈特殊兵装級〉
付与効果:物理強靭化・打撃強化
耐久値:100
E5(エコ)
種族〈電子の妖精〉
階級〈緑の蝶妖精?〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈1.5+〉
耐久値:500
赤色Tシャツ〈服〉
属性:化学繊維LV15〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
情熱〈微小効果〉
耐久値:30
下スウェット〈服〉
属性:化学繊維LV15〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:40
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