第240話「社会ルールを学びましょう…その2・一波乱も二波乱もありましたが、ニャンともサプライズな結果で」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第240話「社会ルールを学びましょう…その2・一波乱も二波乱もありましたが、ニャンともサプライズな結果で」
てんやわんやであった(汗)。
スポーツジムはまだしも、次の競技場なんて収拾が付かない状態でね(怒)。
『…はい、ここで再度警告しておきます…スタッフオンリーという表示がある場所には入ってはいけませんっ!兄上殿も無茶しないで下さい!!』
まさか、鬼ゴッコをするとは思わなかったが故の顛末。どうしてこうなった!?
赤鬼な茜を肩車しつつ、俺はもはや息も絶え絶えで、呼吸苦が…はぁはぁ。気管支喘息再発の恐れありですよぉ〜?
俺の代わりにクロちゃん弟が、今更な禁止事項を発表。俺はウンウンと頷くことしか出来ない有り様であった。
だってもう、競技場の広いグランドの真ん中でガックリきてたので。_| ̄|○←こんな感じ。
『ダッチャ〜!!』
おい、やめろ。茜。俺を殺す気かぁ…。
幼女に馬乗りにされる俺。これ、どういう状況なの?
『茜!お兄ちゃんが死んじゃうよっ!!』
ヒョイっと、麻黄ちゃんが茜を持ち上げた。
ふぅ…助かったぜ。麻黄ちゃん様々ですよ!
『ダッチャ!!』
不満気な茜が麻黄ちゃんの腕の中でジタバタと暴れているけど、無駄な抵抗。麻黄ちゃんは微動たりしない。さすがは魔王?
『って言うより 、もう全員捕まってるから鬼ゴッコは終わりでしょ?兄さん、早く次に行きましょうよ!!』
そらまあ、乙女ちゃんの言う通り。って言うか、ほぼクロちゃん弟とあやっちが捕まえてくれた次第(汗)。
『…乙女は鬼の役目、果たしてないけども?』
『うるさいわね。女の子にそんな事をさせる気なの?』
クロちゃん弟と乙女ちゃんが険悪な雰囲気になり始めているぅ(汗)。
それを横目に年少組は疲れた素振りも見せずに、グランドを走り続けているし。その中には橘花くんの姿も…。
「あぁ。俺の為に喧嘩をしないでくれぇ…。」
『『兄上殿 (兄さん)は黙っていて下さい(いてよっ)!!』』
ガ〜〜ンッ!?
兄、絶望である…。
副音声〔プールは無いのかな?〕
副音声〔いや、トリントンは常に白ねこ島の海を潜ってるでしょ?〕
白ねこ島関係者の方はマイペースだなぁ。
だけど、トリントンの言う通り、プールがあっても良いね?と思う俺がいますよ。
いや、そんな場合じゃ無いけどもっ!?
「…あやっち、クロちゃん弟たちの喧嘩を止めてくれぇ…。」
副音声〔え、僕?僕で止められるかな?〕
俺の孫認定のあやっちに止められずして、誰に止められようかっ??
弟たちにとっても甥っ子ポジションのあやっちだしね。
あやっちを送り出し、俺は行く末を見守る。そんな俺の横に、トリントンが体育座り。暇なの?
副音声〔ねえ。なんで今日は僕を呼んだの?〕
「…ふむ。気付いちゃった?」
そらまあね。元気っ子なトリントンだが、彼は白ねこ島の海洋資源採掘担当だ。
水中型ゴーレムを管理する役目もあるのに、今日はそれを休ませての参加要請だもんな。あやっちに無理やり拉致させて来たようなもので(汗)。
「…でも、それは秘密。まあ、最後まで楽しみにしといてくれ?」
トリントンは〔ふ〜ん。〕と素っ気ない返答。むふふふ…トリントンの驚く顔が目に浮かびますよ。
◆ ◆ ◆
バスはゆっくりと走り出した。何にせよ、今日は貸し切りだからね〜。
副音声【次は空中庭園噴水広場前です。】
ピンポ〜ン! ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!!
これはもう諦めた(汗)。怒る元気も無くなりました…。
『兄上、大丈夫ですか?元気出して下さい。お腹が空いているんですか?』
そらもう、もうすぐ正午。お腹はペコペコですが、そんな俺を心配して菅原くんが座席で寄り添ってくれたから、ヤル気ゲージは徐々に回復中です(え)。
「…ありがとう、菅原くん。菅原くんは優しいなぁ…それに引き換え、クロちゃん弟と乙女ちゃんはさぁぁぁ(怒)。」
何を俺が怒っているかと言えば、2人の喧嘩を止めようとした俺は失敗したのに、あやっちが突入したら、何とまあ…直ぐに解決した件である。
『いやねぇ、兄さん?嫉妬?亜弥に頼まれたらしょうがないじゃない?』
『あ、兄上殿…大変、申し訳ないです…。』
乙女ちゃんの言い草(怒)。クロちゃん弟はずっとこんな感じだけど。
副音声〔なんか、ゴメンね?〕
いや、あやっちが謝る必要はないわけで。俺も大人気なく、せっかくの遠足の雰囲気を乱したくないんだよ。いや、本当に?
バスは時速30キロ。のどかな庭園を横目に、雑木林の中をガタゴトと進む。
少しばかり景色が変わり、後部座席の年少組たちはワイワイガヤガヤと窓から身を乗り出し、ちょっと危なっかしい。
問題は、その中に橘花くんの姿もあることで(汗)。
ただ1人、麻黄ちゃんだけが忙しそうで。
副音声【空中庭園噴水広場前です。降りる際には、足元に御注意下さい。】
「よ〜し、みんな降りるぞぉ!!」
噴水広場とは、その名の通り大きな噴水を中央にして、円形の広場が広がっている。
意味もなく豪華仕様の噴水で、どこぞのト◯ビの泉だよ?って外観。しかも噴水の水は金色だ。この水は「儀来の黄金」である。
「みんな、今からお昼ご飯だから自由行動はしないように!噴水前で整列ぅ!!」
俺は音頭を取り、全員を降車させた。最後にバスを降りたんだけど、この噴水広場…雑木林エリアの中央に存在するのだ。
その広場は茶色のレンガタイルが引き詰められており、ベンチも多数設置されていて、観光地気分でピクニックするには最適と思われた。思われたんだけど、何故か現在、建設ラッシュで??
「たった一晩で…2L (トゥエル)の奴、無茶しやがって…。」
広場を囲むように、未完成の建物が出来上がりつつあった。建物の外壁が無いからテープが張られ、立ち入り禁止の状態。
『兄上、何が出来るんですか、これ?』
「…ふ〜む。恐らく、図書館と喫茶店?って計画は2L (トゥエル)のヤツとしてたんだけども?」
俺は菅原くんの疑問に答える。でも、それだけでは建物の数が多い気がする?というかアイツ、どんな観光地にする気だよ?
副音声【…僭越ながら、一つはバス会社の建物と車庫になる予定です。】
うおっ!?その声はバスに搭載さられた人工知能〈B01〉だった。
「いや、バス会社って??」
でも、それも必要か?そろそろ本格的に、G3 (ジザ)さんの言う「神兵」作成を計画する必要性を検討せねば。「神兵」と言う名の労働者の動員を(笑)。
『兄上!!僕は色んな種類のバスに乗りたいです!!』
いや、そこに菅原くんが食い付くとは予想外ですが。
「う〜〜む。白ねこ島にもバスを通す予定だったけど、始発をココからって出来るのかなぁ?安全面を考えると、ちょっと危険かなぁ?」
そうなると、空中庭園の亜空間と白ねこ島の亜空間が繋がっちゃう恐れがある。出来るかどうかは分からないけども(?)。
まあ、バス自体は安い?から全種類コンプリートとかもいいかもねっ!?
『お兄ちゃ〜〜ん!!ごはぁ〜〜〜〜ん!!!』
おっと。会話に夢中になってて、すっかり忘れていたよ(汗)。突っ込んで来た橘花くんをボフンッと受け止めた俺は、抱きしめたまま走り出した。
年少組と戯れていたせいか、橘花くんの幼児化が著しい。それはそれで好都合だけど(え)。
「お待たせ、お待たせ〜〜。今からランチボックスを配りま〜〜す。1列に並んでね〜。レジャーシートが欲しい人は言うように〜。」
『『『『はぁぁぁ〜〜い!!』』』』
準備は万端。今朝は早くからビビさんとユナさんに協力してもらい、おにぎりとサンドイッチをしこたま作りましたからね!!基本、俺は鳥の唐揚げ担当だったけど!!
無論、それらは俺の収納空間である「宝物庫〈Ω〉」の中に保管してあります。
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《宝物庫〈Ω〉展開》
在庫:28種類
◯16万3千301神貨
◯ランチボックスおにぎりvr×6〈1月15日作成〉
◯ランチボックスサンドイッチvr×9〈1月15日作成〉
◯レジャーシート×10
◯第五元素循環回路×1
◯猫の千両箱〈500円玉等価交換 SR〉(猫の小判×109)
◯猫のへそのゴマ〈五百円玉等価交換 UC〉
◯猫のダイヤモンド〈五百円玉等価交換 UR〉
◯グチャグチャ折り鶴〈家出中〉
◯ポイントカード「万華月」〈異世界産業クレセント20ポイント〉
◯損害賠償目録〈八幡宮総括本部対応残りポイント40〉
◯竜宮城割引チケット×5〈お得な割引チケット〉
◯第六周期複合鋼製の針(×8)
◯第六周期複合鋼の扇子〈菊華模様〉
◯第六周期複合鋼の鞍 (×1)〈小型〉
◯水風船〈神の遊具〉
◯練丹〈下級仙薬〉×20
◯大黒天の福札〈福を呼ぶ御札〉
◯毘沙門天の武札〈武勇を助ける御札〉
◯弁天の楽札〈楽の才を導く御札〉
◯福禄寿の寿札〈寿を司る御札〉
◯寿老人の命札〈命を延命する御札〉
◯布袋の運札〈運命を超える御札〉
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ランチボックスは、おにぎり仕様とサンドイッチ仕様の2種類だ。
好きな方を申請して、順次手渡していく。
面白い事に、麻黄ちゃんを始め、妖怪グループはおにぎり派。
乙女ちゃんや橘花くんの樹霊はサンドイッチ派である。
『お兄ちゃ〜〜ん。早く食べたいよぉ。離してぇぇ。』
あ、忘れてた(笑)。
橘花くんをギュッとしたまま、ランチボックスを配っていた俺である。無論、あえて堪能していたわけで(え)。
どうりで受け取る全員の目が生暖かったわけだな…気にしないけど。
むしろ、お面3兄弟は羨ましそうに見てたんだけど。
最後に、プニプニの橘花くんのホッペタをスリスリして堪能させて頂きました。御馳走様でした(え)。
『兄上、こっちで食べましょうよっ!!』
菅原くんが俺の服を引っ張る。ああ、兄はモテモテで感無量ですね!!
『兄さん、ここにレジャーシートを敷いて。』
「はいはい。こんな道の真ん中で良いの?」
シートを敷くのはクロちゃん弟が手伝ってくれた。乙女ちゃんはさっきから指示出ししかしないんだよねぇ…。
まあ、我が妹はそれがスタンダード。ツンの割合が多過ぎるのはE5(エコ)さんに似ちゃったと推測。
ドッコイショと腰を下ろす。痛たたた…腰がぁ。
「あれ?橘花くんと麻黄ちゃんは?」
『兄上殿、2人は向こうのベンチですね…。』
ああ、そっか。お面3兄弟も並んで座ってるし、麻黄ちゃんはちゃんと役目を果たそうとしているわけで、本当に義理堅い子だよねぇ。まさに末っ子気苦労体質(汗)。
で、橘花くんと視線が合ったら、どうしよう?こっち来たいなぁ…でも、弟の麻黄と一緒に食べたいよぉ…という心の葛藤が目にアリアリと浮かび、ウロウロとしていたが、最終的に年少組と一緒に食べる事にしたようだ(笑)。
でもそんな様子を眺めているのも楽しい。これぞピクニックの醍醐味でしょ?
赤鬼の茜なんて、ランチボックスを開けたら、そらもう満面の笑み。大騒ぎである。大きなおにぎりを頭上に掲げて持ち上げているし。
長男の柏が『フムッ!』と注意するが、柏自身も嬉しさを隠しきれない様子。
次男の梛が美味しそうに食べる玉子焼きは、出汁と砂糖をふんだんに使ったお子様仕様。甘くて美味しいでしょ?俺、渾身の一品さ!!
『兄上、この唐揚げ最高です!!兄上の愛を感じますね!!』
こっちはこっちで菅原くんがベタ褒めだ。
菅原くんってば、橘花くんが居ないと積極的に攻めてくるんだよねぇ(笑)。兄は、そんな菅原くんが微笑ましい限りで。
確かに今回の唐揚げは生姜のみならず、隠し味を色々と投入してるからねっ!ちょっと甘みを強くしているわけだ。兄の愛という隠し味だぞ!
『それは良いけど、菅原。ちゃんとプチトマトも食べなさいよ?』
『……。』
菅原くん、乙女ちゃんの指摘を無言でスルー。無言でおにぎりを頬張り始めた…おにぎりの具材は鮭と梅干しの2個種類だ。
あ、すっぱそうな顔をしてる…あれは梅干しだなぁ。
しかし野菜に厳しい乙女ちゃん、ちょっとウザい(汗)。かくいう俺も、実はプチトマトとか苦手だからぁ。普通のトマトは大好きだけどさっ!?
『乙女…ピクニックの時ぐらい、残しても良いんじゃないか?』
『クロ兄さんは甘いのよっ!!特に菅原の野菜嫌いは酷過ぎるわよ(怒)。』
思わぬところで飛び火したぁぁ。これまた、あやっちの仲裁が必要か?
あやっちに目を向けると、噴水の縁にトリントンと共に腰掛けて、膝の上でランチボックスを広げていた。グゥ…あっちも楽しそうだなぁ(羨)。
あやっちはおにぎり仕様で、トリントンはサンドイッチだ…あれ?トリントンがサンドイッチを食べて…いる??
「お、おいっ…ぃ。トリントン、普通に食べてるじゃねぇかぁぁぁ!!??」
『『『…?』』』
あれ?弟たちの反応が普通ですね?
『…兄上殿、トリントンは普通に食べられますけど、白ねこ島の海からの霊子供給に比べると効率が著しく低いらしいですよ?』
「…な、何だってぇぇぇ!?」
つまり、そう言う意味ではあやっちが異常と言うべきか?それもこれも孫認定の影響と思われる(汗)。
ちなみに、ハッチは白ねこ富士山から霊子供給を受けている。
アドムは…何故か?神のコテージから霊子供給されているらしい。意味不明である(?)。
「むむむ…何で俺に報告しないのぉ?」
『そんな事を言っても兄さん、本人の自由でしょ?束縛は嫌われるわよ。』
プギャ〜〜(怒)。しかし、俺は年長者…そんな言葉じゃ怒らない。何より嫌われたくないからぁぁぁ(叫)。
『兄上、落ち着いてくださいっ!!』
「だ、大丈夫だよ…?俺を嫌いになる人なんて居ないんだよ…(震)。」
トラウマが再発しそうな気がする。でもでも、俺には俺のことを心配してくれる弟たちがいるから大丈夫だ。
菅原くんはそう言ってくれるし、クロちゃん弟の目も優しい。
クロちゃん弟はもうちょっとモフらせてくれると嬉しいのだが…。
一同、大満足のままランチタイムは終了した。お腹が一杯になった為、バスに乗り込んだ途端、年少組たちはウトウトとし始めたのだ。つまり、静かになりました、と。
副音声【次は終点…シャクヤク・ホスピタル&錬金術本舗前です。】
ピンポ〜〜ン!
「ああ、麻黄ちゃん。悪いけど、年少組たちをバスで見ててくれる?」
『はいっ。あのっ…橘花お兄ちゃん…も?』
困惑する麻黄ちゃんの言いたいことも分かる。
はしゃぎ過ぎた橘花くんもまた、口の端からヨダレを垂らしながら、座席で熟睡中でね(汗)。幸せそうな寝顔でさ、今回のピクニックはやって正解だったとつくづく思ったよ。うん。
『全く、橘花はお子様ねぇ…。同じ樹霊として、どうなのかしら?はぁ…。』
「乙女ちゃん、そう言わないであげてよ。橘花くんも年下の子の面倒を見て、ちょっと疲れちゃったんじゃない?」
『いや、兄上殿…橘花はお面3兄弟と一緒に遊んでただけですからね。そう言う意味では麻黄が1番疲れてると思いますよ?』
クロちゃん弟の高評価を得て、麻黄ちゃん照れるの図。まあ、俺もそう思うけどね。
「麻黄ちゃんにはいつも面倒を掛けてごめんなぁ。橘花くんってば天然過ぎるから、これからも迷惑を掛けると思うけど…どうかヨロシクお願いします!!」
もはや、土下座をしそうな勢いで俺は頭を下げた。いや、これは本当に俺の本音でね(汗)。誰に似たのやら(?)、橘花くんって何事も1人じゃ大失敗しそうな子なので…。
『う、うんっ。お兄ちゃんの面倒は僕が見るよっ…。』
これが後々、麻黄ちゃんの不遇な人生?の始まりであった、とさ…?
さて、バスは停車した。〈B01〉も年少組たちを考慮してか?ソフトタッチな停車をしたようで。
副音声【…シャクヤク・ホスピタル&錬金術本舗前…です(小声)。】
「すまん。しばらく待機でヨロシク(小声)。」
副音声【了解しました(小声)。】
よく気の利いた〈B01〉である。今後ともよろしく頼みたい(笑)。
「さあ、みんな。こっち!こっち!!」
年長組…クロちゃん弟、乙女ちゃん、菅原くん、あやっち、そしてトリントンの5人を引き連れ、俺は偽ビルディングの入り口に降り立った。
『うわっ。兄上、これビルですよね!?』
そう。でも気を付けて!!このビル、ハリボテだからっ!見上げるほどの大きさだけど、あくまで映像だからね〜。
あっ。トリントンがぶつかって倒れたぁ!?何故に横道に入ろうとした??
副音声〔え?これ、壁??〕
「そう!壁だよ〜〜。このビルから先はただの壁だからねっ!!奥行きあるけどトリックアート的な?」
『兄さん!?そういうの早く言ってよね!?』
オデコを押さえながら、乙女ちゃんが苦情を言う。何と言うナイスタイミングぅ!!
「そう!!そう言う時こそぉ、シャクヤク・ホスピタル…即ち、病院ですよっ!!」
『私のホスピタルにようこそ、だヨ。さあ、乙女姉さん…集中治療室にどうゾ!!』
いつの間にっ!?
まるで気付かなかったが、観葉植物6姉妹の1人、白衣の芍薬が乙女ちゃんを羽交い締めにしつつ、玄関に引きずり込んでいる…。
「これ、止めた方がいいのかな?」
『いや、兄上殿…やめておいた方が良いのでは?』
だよねぇ…。
実際、乙女ちゃんのオデコ真っ赤だし(え)。リンゴだけにっ(何)。
そもそも、患者1号の乙女ちゃんを芍薬は逃す気が無いようだ。芍薬の目が狂気でヤバい(震)。
『兄さぁぁぁん!?覚えておきなさいよぉぉぉ!!』
いや、そんな大袈裟なぁ…(汗)。確かに、ちょっとホラーチックだけども。ある意味、トラウマ映像に近い。
「…え〜と。みんなも怪我したら、すぐに受診するようにね?あと、風邪とか。」
『『〔〔……。〕〕』』
いや、ちょっとみんな?反応薄くない?どうしてみんな、そんな死んだ目をしているのかな?死ぬには早いよっ??
あと、菅原くんはあからさまに嬉しそうな顔をしないように!プチトマトの件をまだ根に持っている様子で(汗)。
副音声〔えっと…どうしても来なくちゃ駄目かな?〕
あやっち?分かります。分かりますとも…しかし、その為に乙女ちゃんは人体実験?になったようなものでね!!彼女の犠牲を無駄にしちゃダメなんだよ?
「つまり、乙女ちゃんが戻って来たら、大丈夫ってことだからさ?」
『兄上殿…それはちょっと。さすがにヒドいと思います。』
そうだよねぇ。それは無いよねぇ…と、俺も思った(笑)。
だけども、今日のメインイベントはホスピタルじゃないのさ?
玄関入って右側通路を抜けると、なんともSFチックな広間に出る。そう、ここが「錬金術本舗」である!!
『うわ…兄上殿。すごい変わりましたね??』
クロちゃん弟は一度、「田崎家仮設ゴーレムPG・MT〈S01〉」の組み立ての手伝いで来たことがあったけど、もはやグレードアップ甚だしい現在。俺も全ての区画に入ったわけでは無いんで、全貌は不明である(汗)。
以下、男性陣は初めての景色にワクワクしていた。男子って、こういうの好きだしね。そう言えば、乙女ちゃんが消えた(?)んで、男しか居ないけども(笑)。
音声『皆様、お待ちしておりました…おや?旦那様、人数が少ないかと?』
おっと、我が家の執事長、DSさんの登場である。いやまあ、カクカクシカジカなワケでして…。
「色々あって、これだけになっちゃったけど…ちゃんとトリントンは連れて来たからさ!」
音声『左様ですか。では、早速…格納式調整庫区画へどうぞ。』
ツーとカーで、俺たちは目配せ合う。そしてトリントンは何ごとかと目を見張る。お楽しみはこれからさぁ!!
「…しかしDSさん、よく間に合ったね?2L (トゥエル)は死んでるの?」
音声『ホッホッホッ。昨日、旦那様が購入された反応炉…あの「ヘルメス・トリスメギストス」社製の中古物件とは言え、多次元宇宙内蔵型《天地開闢式錬金炉》の性能のおかげですな…いやはや、仕事が捗りますよ。』
ああ、あれかぁ…。
何しろ、アマイモン君はヤバいモノを送り込んで来たと思われ(汗)。
ピンクちゃん(?)もピリピリした顔色で配達に来たしさぁ。取り囲む羽根の生えた蛇さんも、いつもより多かったし(震)。
「15万神貨もしちゃったけど…それ以上の価値があると?」
音声『当然です…恐らく、50万神貨はくだらないのでは?』
恐ろしい…(震)。タダより高いものは無いんで、返品したい気分です。
しかしもう、DSさんはこの反応炉の虜と思われ…彼が上機嫌である事に気付いているのは俺だけだろう?見た目は変わらないけどさ。感覚で分かるのは眷属あるあるである(え)。
しかし、50万神貨ってば、日本円で5兆円って言う天文学的金額ですけど?
音声『さあ、ご覧下さい…こちらが「田崎家ENTJ型ゴーレムPG・MT〈E0M〉」です!!』
弟たちと共に扉を潜り、俺たちは格納式調整庫に収納された、その人造兵を目の当たりにした。
『『〔〔おおおおっっっ!?〕〕』』
弟たちがどよめく。
俺も唸ったよねぇ。予想以上に、俺のデザインがそのまま反映されているもんで…もうビックリだよ。まさに俺に対するサプライズでもあるね、これは(?)。
ちなみに、田崎家ENTJ型ゴーレムPG・MT〈E0M〉の「ENTJ」とは、外向型(Extroverted)、直観型 (Intuitive)、思考型 (Thinking)、判断型 (Judging) の頭文字を取っており、水中型の指揮官型して作成した人造兵だ。
「…ところで、2L (トゥエル)…お前、何やってるの?」
まるで屍のごとく、ダメな天使な2L (トゥエル)がぶっ倒れていた。
音声【…か、閣下…僕の演算機能の…限界です…グフぅ。】
よく分からんが、お前の頑張ったアピールは分かりやすいなぁ(汗)。
「…ん、これは?」
音声【…ト、トリントン用の専用侍従服です…超無限撥水機能に加え…海霊圧軽減、水属性同調と、至れり尽くせりの…秘跡武具級の衣服ですよ…グフぅ。】
ソレを手渡して、2L (トゥエル)は死んだ(え)。
そうそう、コレも頼んでおいたのだ。何しろ、トリントンは最近、お尻丸見えのほぼ全裸で海に潜ってるし(汗)。
「おい、トリント〜ン!これで服を着たまま海に潜ってもビチョビチョにならないぞぉ〜。」
副音声〔…え?あ、それはアドムに怒られなくて良いね?そんなことより、このゴーレム?〕
うん?あ、それはENTJ型の〈E0M〉のことか?勿論、これはトリントンに対するサプライズである!!
『兄上…これは猫ですか?魚ですか?』
ふふふ…菅原くんの疑問に答えよう。
この小型の〈E0M〉は、全長わずかに1メートル弱。これは昨日、投入した田崎家農作業特化型ゴーレム○(マル)号機PG・AT〈A01〉よりも小型サイズだ。
しかし、本日投入した水中型量産ゴーレムも6機目。これを管理するトリントンを補佐する指揮官の役目を持つのがENTJ型のゴーレムである。だから、小さくても大丈夫。むしろ小さい方が良い。
「この田崎家ENTJ型ゴーレムPG・MT〈E0M〉のコンセプトは「ウミネコ」だ!美しい流線型のボディとしなやかなヒレ、そこに宿る野生の魂…どうだ、スゴいだろう?」
これまた赤いボディ…外殻装甲に「紅鉄」を使用した為だ。マリンタイプは全機、赤色で統一する事にした。
副音声〔ウミネコって…鳥じゃなかった?〕
知ってるよ?だけど鳥だと陸型ゴーレムと被るでしょ(?)。だからね、あやっち?そこは逆の逆を追求したわけですよ…。
「逆の逆を攻めて、いわば海を泳ぐ猫…まさにウミネコをデザインしましたが、何か?」
『『〔えぇぇぇ…?〕』』
何ですか、その反応?
頭部は猫…身体は魚。だけども自由に魚ボディのヒレを手脚に変形させる事が可能ですから!!ほぼ、赤いロボ猫ですが、何か?尾ビレだけはそのままで。
音声『最高級の錬金術用の反応炉を使用して作成した〈E0M〉です。大きさはMTの3分の1ですが、内蔵出力は3倍のゲージを誇りますよ。御安心下さい。』
これまたDSさんのお墨付き。性能面は万端。その為のENTJ型の人工知能は超高性能。試験機である〈A01〉の成果?の集大成である…いや、吐いた記憶しかねぇ(涙)。
「問題はだな…どうだ、トリントン?お前の補佐をする〈E0M〉だぞ。」
副音声〔うん!!この子は…ウミーだ!!〕
え?ウミー??あ、名前?
いや…問題はだね、トリントンがこのデザインを受け入れるかどうかの問題であって(汗)。
音声『ホッホッホッ。では起動しますよ。』
いや、待って。DSさん!?ちょっと早い(汗)。
プシュ〜〜。
ゲージの扉が開いた。と同時に、田崎家ENTJ型ゴーレムPG・MT〈E0M〉の瞳に光が宿る。光は青色。瞳に知性の輝きが…?
副音声『ニャンともヨロシクねぇ?あなたがトリントン?』
トン!と飛び出した〈E0M〉。それはトリントンの前に。ヒレは猫脚vrになっている。
まあ、自然な変形で…これって、あやっち用の三つの僕用に転用出来そうだなぁ(ニヤリ)。
副音声〔うん!僕がトリントンだよ!ヨロシクね、ウミー!!〕
副音声『え?ウミーってワタシの名前…?まあ、イイわ。今日からワタシはウミーよ。ヨロシクニャン!』
いやまあ、本人が気に入ったのならそれで良いんだけどね?
しかし、確か「秋刀魚亜種・イルカ亜目」の相棒もルカーとか安易なネーミングのトリントンであった…。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈秘匿種(真王)〉
階級〈権現〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈64.1+〉※変化無し
戦闘力 1476+15
防御力 1394+15
生命力 1425+15
回避値 1273+15
知能値 560+5
器用値 25
魔力値 2213+25
無属性1346+15
地属性1378+15
固有能力
竜脈適正「最高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
全能神の祝福
異世界言語LV1
宝物庫〈Ω〉
聖者の贈物
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治 隠密 命名 返還 猫愛 権現
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属召喚
眷属送還
眷属探知
眷属鑑定
竜脈の盾
竜脈結晶化
次元結晶化
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
2L (トゥエル)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
シマ
カア君(若彦)
乙女ちゃん
ユズリハ(野良ネズミさん)
紅葉
菅原くん
橘花くん
リコピン
JOL
葉蘭
水引
葛葉
榊
千歳
鳳来
八手
蒼原
不知火
漁火
八重波
白波
鳴海
夕潮
芍薬
水楢
柏
梛
茜
白妙
牡丹
鬼蕗
BM
BL
ユナイゼス
キュライアー
ビビアンナーシェ
イシヒメ
麻黄
ココちゃん
リリ君
亜弥
称号
竜脈使い
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
小型「電子情報枠」
種族〈電脳媒体〉
階級〈生命樹分体〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈2.5+〉
耐久値:500
緑のお兄さんシャツ〈服〉
属性:化学繊維LV25〈通常級〉
付与効果:交通ルール遵守〈微〉
公序良俗〈小〉
耐久値:30
厚手ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗+
耐久強化+
耐久値:65+α
◆ ◆ ◆