第217話「我が家のゴーレム実戦投入の結果その2・錬金術はアレとは違うらしいけど、どのみち手間暇かかるゴーレム作りは最高の娯楽と判明した」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属育成計画中なのですw
第217話「我が家のゴーレム実戦投入の結果その2・錬金術はアレとは違うらしいけど、どのみち手間暇かかるゴーレム作りは最高の娯楽と判明した」
『……。』
「……。」
俺とクロちゃん弟との間に、微妙な空気が流れている。
なんと声を掛けたら良いものか?だけども、クロちゃん弟は黙って俺の後を付いて来るわけで。
どうしてこうなったのか?いや、俺がモフり過ぎて気絶してしまったクロちゃん弟であり、それを放置してトリントンを構っていた報いか?
「あ〜、その…クロちゃん弟はキュラさんと八手が喧嘩している理由って知っってる?」
『……。』
階段を登りながら、ちょうど2階に差し掛かったもので、何か話しかける切っ掛けは無いものか?と俺は話題を捻り出したけれども、クロちゃん弟は無言で顔を振った。
「……。」
ヒィィィ(汗)。これ、絶対怒ってるよね!!やばイィ、兄ピンチ(何)。
そしてピンチのまま、俺たちは3階に到着した。俺たちの目的地は3階の拡張物置部屋、その更に奥、新設された錬金術室である。
「やあやあ、お待たせ。」
音声『旦那様。お待ちしておりました。』
音声【閣下、遅かったですね〜。おや?弟さんと何かあったんですかぁ?】
うっ。我が家の執事長、DSさんの態度にいたって変化はなし。
2L (トゥエル)が余計なことを言ったところで、そのナイスミドルな雰囲気は崩れていない。ホッとする俺。
しかし、このバカ天使め。そもそも、クロちゃん弟と微妙な空気になった原因の半分はお前にある(?)のだ。ドヤ顔で言いやがって、腹立つぅぅぅ(怒)。
音声『まあまあ、旦那様。茶葉を幾つか持参いたしましたので、ティータイムにいたしましょう。人造兵を作製する前に、心を落ち着かせて下さい。』
え?いやまあ、俺の心を察して、DSさんが準備を始めたけど、真っ白な何も無い空間だった錬金術室の真ん中に、いつの間にか二対のソファとテーブルが置かれていて。
「あれ?これって見覚えあるけど?」
音声『はい。一時的に執事長室のものを移動させて頂いています。』
あ、やっぱりか。このソファの座りごごち、お尻を包み込むような感じ、これは高級品やぁ…。
「あ、クロちゃん弟も、早くこっち来て座って!」
『……。』
クロちゃん弟、俺は隣の席のスペースを開けて待ち受けたのに、あえて対面席の反対側にチョコンと腰掛けた。ああ、兄は絶望だった(悲)。
「……(涙)。」
音声【では閣下、お隣に失礼しますね。】
ダメ天使は躊躇なく、俺の隣を占拠。コイツはブレないなぁ。
にしても、その茶葉の缶とかティーポットのお湯とか、DSさんはどこから取り出しているのだろうか?あ、この香りは俺の好きなダージリンティーの銘柄だなぁ。
音声『旦那様。砂糖とミルクを置いておきますね。』
またしてもDSさん、何も無いところからサッと籠を取り出して、テーブルに置いたんだけど、手品なの?
「え?DSさん、それなんなの?何処から出してるの?」
音声『ホッホッホ。これは収納空間ですな。早速、反応炉を使用させて頂き、作製いたしました。』
え?収納空間??…それってドラ◯もんの4次元ポケット的な??それはちょと、おったまげたぞ。DSさんてば、いつの間に?
音声【いやいや、閣下。何を言っているんですか?閣下の「宝物庫〈Ω〉」に比べたら、ただの巾着袋のような物ですけど?】
さも当然とばかりに2L (トゥエル)が言うけども、ああ、そりゃそうか。俺の「宝物庫〈Ω〉」って無制限らしいし、ちっさいおっさんのコロボックルさん達でさえ、収納の技能を持ってるんだよね。
って事は、さほどに珍しくも無いのだろう。
「でもさ、後付けで作れる収納空間って、どうなの?何を材料に作ったの?」
音声『…いえ、それは…。』
音声【アレですよ。閣下の髪の毛ですけども?】
ん…?
いや、ちょっと待って?確か、俺の髪の毛って「権現の髪」だよね?
「…あれ?最近丸坊主になった件って、確か、麻黄の力を抑える為に使ったよね?」
やっと五分刈りになって来た俺の頭…この時期に坊主になるとは思いもしなかった俺だ。
音声『ゴホンッ!!さあ、旦那様。お茶が入りましたよ…どうぞ。熱いうちにお飲み下さい。クロ様もどうぞ!』
「……。」
DSさん、明らかに話しを逸らそうとしているっぽい。俺に向けるその笑顔に嘘偽りはないものの、ダメ天使を無言の圧力で押し潰そうとしている。ティーカップを机に置きながら、ダメ天使に向けた執事長の視線を、俺は怖くて確認出来なかったわけで。
音声【ヒィィィ(震)。】
ガタガタ震え始めるダメ天使。口を滑らした自業自得だろうが、しかしとすれば、俺の髪の毛、余分に刈ってたって事で、DSさんも共謀してた疑いが濃厚なんだけどっ!?
腑に落ちん。しかし、この紅茶は美味い…ふうぅ。心が落ち着くなぁ。俺は砂糖とミルク多めの紅茶に舌鼓をうつ。
「…まあ、髪の毛なんてそのうち、また生えてくるし。2L (トゥエル)には定期的に散髪してもらうから、それを何に使おうと構わないけどさぁ…。」
音声【閣下!!最高ですっ!!愛してますからぁぁぁ!!!】
うるさいっ!そしてウザいっ!くっ付くんじゃ無いよっ(怒)!
『……!!』
猫舌のクロちゃん弟、突如、立ち上がると、俺と2L (トゥエル)の間に無理やり腰を突っ込んで来た。え?これ何ごと!?グリグリと、ソファの隙間を占領し、俺と2L (トゥエル)を引き離す。
音声【ふふふ。どうやら、弟さんを怒らせてしまったようですね?退散しますね。】
『……。』
でも相変わらず、クロちゃん弟は無言で。だけども、俺は何故だか幸せに包まれるのだった。兄は今日も幸せである。
◇ ◇ ◇
音声『旦那様。設計図はよろしいですかな?』
「ああ、完璧ですよ。」
勿論、そりゃ「あ〜でもない。こ〜でもない。」と、3〜4日掛けて完成させたゴーレムのデザインだ。俺の全力の魂を傾けた作品だからねぇ!!
巨大な錬金術用の反応炉を前に、俺たちは、いざ挑まんと立ち上がる。
しかし、こう見ると、この「超高性能《煉獄式錬金反応炉》」ってば、バカでかい業務用の冷蔵庫にしか見えないなぁ…。見た目はステンレスっぽい銀色だし、四角いし。
音声【閣下。素材を出して頂けますか?】
「あ〜。はいはい。」
早速、俺は「宝物庫〈Ω〉」から、届いたばかりのゴーレム素材を取り出す事とする。素材は2体分だから、半分の1体分を取り出すとしようか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《宝物庫〈Ω〉展開》
在庫30種類
◯31万3千312神貨
◯鉄鉱石200kg〈日本国産〉
◯魔鉱石100kg
◯賢者の核石(×2)
◯内部骨格『石棺』(×2)
◯魔道回路(×2)
◯天元突破∞〈超高級神界仕様肥料〉(×1)
◯田崎家秘匿種・竜脈結晶(×1)
◯竜脈結晶〈1/4〉
◯猫の千両箱〈500円玉等価交換 SR〉(猫の小判×110)
◯猫のへそのゴマ〈五百円玉等価交換 UC〉
◯猫のダイヤモンド〈五百円玉等価交換 UR〉
◯グチャグチャ折り鶴〈霊鶴・千寿が宿った折り鶴〉
◯ポイントカード「万華月」〈異世界産業クレセント20ポイント〉
◯損害賠償目録〈八幡宮総括本部対応残りポイント40〉
◯竜宮城割引チケット×5〈お得な割引チケット〉
◯第六周期複合鋼の大太刀(火)
◯第六周期複合鋼製の針(×8)
◯第六周期複合鋼の扇子〈菊華模様〉
◯第六周期複合鋼・軟鋼弓〈小型〉
◯第六周期複合鋼の大楯〈星〉
◯第六周期複合鋼の鞍 (×1)〈小型〉
◯水風船〈神の遊具〉
◯練丹〈下級仙薬〉×17
◯大黒天の福札〈福を呼ぶ御札〉
◯毘沙門天の武札〈武勇を助ける御札〉
◯弁天の楽札〈楽の才を導く御札〉
◯福禄寿の寿札〈寿を司る御札〉
◯寿老人の命札〈命を延命する御札〉
◯布袋の運札〈運命を超える御札〉
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うんしょっと、取り出したのは鉄鉱石が100kgと魔鉱石の50kg。これが結構、場所を取った。
音声『旦那様。まず先に鉱石を精製して、インゴットを作製いたします。』
あ、そうなんだ?
俺ってば、素材を全部突っ込めば、簡単にゴーレムが出来ると思ってたよ(汗)。G3 (ジザ)さんの神仙術とちょっとばかり違うのか?
あとは「賢者の核石」とやら言う、謎の石が1個。これは見た目、石炭のような黒さだけど、ズシリと手に重い。こぶし大の大きさだ。
そして注目の「内部骨格『石棺』」とやらは、何というか、ロボットの骨格のような感じ。人で言うところの骨みたいな物なんだろうけど、見た目は微妙だな。
手足なんて、細長いパイプで繋いだだけの、操り人形みたいなイメージでさ。取りあえず、床に放置する。
「…これ、身長的には2メートルぐらいか?って事は、完成するとゴーレムはこの大きさかなぁ?」
音声『そうですね。基本的にはその大きさで間違いないかと。しかし、外殻で使用する鉱石の規模に応じて、内部骨格は伸縮が可能となりますので、問題ありません。』
え?それって、大きくもなるし、小さくもなるってこと?
それこそまさに、絶対無理変形機構のゲッ◯マシンも再現出来るってことかぁ??これはもう、ワクワクが止まらねぇ(え)。
最後は、謎のブラックボックス…魔道回路とやら。
四角い箱だな。これをガン◯ムに取り付けたら、性能が大幅UPするとア◯ロのお父さんが言ってた的なアレに似ている。大丈夫か、コレ(え)?
「素材、出したよぉ〜。これで大丈夫かな?」
音声『はい、旦那様。とは言え、今回作製する人造兵は最低品質で基本的なものとなります。試作品ですので、稼働テストは不可欠です。』
ああ、それは分かってます。分かってますけど、どうしても譲れないものがあります。これだけは断固、絶対に譲れないのだ。俺は意を決して、ここに断言する。
「え〜とですね!試作品では無く、我が家のゴーレム1号の名称は…田崎家仮設ゴーレムPG・MT〈S01〉と決定します!もう一度、言います。田崎家仮設ゴーレムPG・MT〈S01〉です。大事なことなので2回言いました。これは決定事項ですっ!」
音声『……。』
音声【え?それって、何の略なんですか?】
フッ。ダメ天使め、よくぞ聞いてくれた。
「フフフ…PGとは、プロトタイプゴーレム…では無くっ!!パーフェクトグレードな仕様であり、海中型である為のマリンタイプ…即ちMTだ。つまり、田崎家仮設ゴーレムPG・MT…〈S01〉はまだ秘密。」
音声【え?ガンプラですかぁ?】
…違います。俺はパーフェクトグレードよりMGの方が好きですから。
「ともかく、名称は田崎家仮設ゴーレムPG・MT〈S01〉ね。略して〈S01〉でも良いよ?」
音声【それって、略してます?】
音声『まあ、よろしいでしょう。では〈S01〉の作成に取り掛かりましょう。』
冷静沈着なDSさんは、ダメ天使のツッコミを無視して黙々と働いている。
頼もしい限りで、自前の収納空間に鉄鉱石を吸収していった。って事は、収納空間の容量は最低でも100kgはありそうだなぁ。
音声『反応炉を起動します。旦那様、電子情報枠表示を展開します。』
お、遂にこの時が来たか。だけども、既にDSさんと2L (トゥエル)はこの反応炉を使って色々やってるっぽいけどね!!
『……!!』
俺の横に控えるクロちゃん弟が、ギュッと俺の手を握っていた。無意識だろうか?その目は真剣に反応炉を見詰めている。やっぱクロちゃん弟も男の子だし、ロボットに興味津々なんだろうなぁ…。
どれどれ?俺は反応炉の電子情報枠表示を覗き込む。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
《錬金術式・反応炉適応中100%》
超高性能・煉獄式錬金反応炉…
錬成演算≒NOCTURNEの開始準備完了しました。
デザイン機能MENU《使用設計図…未確定》
作成する項目を…選択して下さい。
〈触媒融合〉
〈魔法薬〉
〈魔鉱石〉
〈賢者の核石〉
〈反応炉〉
〈魔道兵〉
〈人造兵〉
精製予測〈錬成演算≒NOCTURNE100%〉…不確定
精製を開始するYES・NO
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一方、DSさんは反応炉の扉を開き、ポイっと格納空間から内部に鉄鉱石を突っ込み、カタン!と扉を閉めた。簡単にやってるけど、多分、俺には無理的なアレだな。
音声『旦那様。こちらで制御させて頂きますが、よろしいですか?』
「あ、はい。お願いしま〜す。」
全てお任せ。俺に出来る事は何も無い。もはや座して待つのみ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
《錬金術式・反応炉適応中100%》
超高性能・煉獄式錬金反応炉…
錬成演算≒NOCTURNEの開始準備完了しました。
デザイン機能MENU《使用設計図…未確定》
作成する項目を…選択して下さい。
〈反応炉〉
…鉱石精製インゴット化〈選択〉
…品質高純度化
…反応炉調整
対象素材『鉄鉱石100kg』
精製予測〈錬成演算≒NOCTURNE100%〉…鋼鉄インゴット10個
精製を開始するYES・NO
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
お?〈反応炉〉の項目が選択され、画面が更新されたようだ。
鉱石のインゴット化って、ここから開始するらしい。へぇ〜だよ。
「あ、でも思うに、鉄鉱石をインゴット化するって、時間かかるんじゃないの?」
音声【あ。インゴット化にかかる時間は、およそ1分ですねぇ。】
え?1分っ??
「1分って何だよ?熱とかアレで、ギュギュ〜ってやるんじゃないの?G3 (ジザ)さんの神炎炉なんて、暑いわ時間は掛かるわで、どうしょもないのにぃ(え)?」
音声【閣下。錬金術と言うのは、原子の構造を分解し、圧縮再構成する至高の奥義です…G3 (ジザ)先輩の適当な神仙術と一緒にしないで下さいね。あれは正直、意味が分からないので。】
「…いや、お前はまたそんな事を言ってからにぃ…どうなっても知らんぞ?」
神出鬼没でニョッキリと生えてくるG3 (ジザ)さんだ。必ず聞き耳を立てているに違いないわけでさ。いや、俺もぶっちゃけ、かなり酷いこと言ってる自覚はあるんだけど(汗)。
音声『旦那様、神仙術に関しては良い面もあるのです。神炎炉を用いた神仙術は、不確定要素が強い為、想定以上の結果が出る可能性があるのです。その結果、E5(エコ)殿も救えた訳ですからね…。』
うっ。そうだった。確かにそれはDSさんの言う通りで、説教された俺とダメ天使はシュンと落ち込んだ。大変、申し訳ないです…。
音声『ですから、旦那様。基本的に錬金術というのは、想定範囲から逸脱する事は滅多にありません。設計図通りに完成すると思って頂きたいのです。』
そうですかぁ。そりゃ、そうですよねぇ。別に、変な期待とかしてないし…反省してます。
チィ……ン♪
あ、電子レンジみたいな音だ。え?もう終わったの?DSさん、早々と扉を開き、内部を確認している。
音声『ご覧下さい、旦那様。とても質の良いインゴットが出来ましたよ。』
取り出したるは、馬鹿でかいインゴット。色は黒テカリ気味の長方形。それが10個だ。
それをDSさんは嬉しそうにヒョイヒョイと床に並べていく。インゴットの山の出来上がりである。
ところで…ダメ天使って手伝わないけど、良いのだろうか?俺はほら、クロちゃん弟の手を握ったままだから動けないしさ。元より非力だし(涙)。
「ほぇ〜。スゴいね。で、2L (トゥエル)は手伝わないの?」
音声【え?…手伝ってますよ?僕の頭の中は「錬成演算≒NOCTURNE」の補助でフル稼働してますからね?閣下のデザインした設計図も、僕が管理しているんですよ?】
…チッ。ドヤ顔が腹立つわ。
いや、しかしここから遂に念願のゴーレムが流れるように完成するのならば、そんなドヤ顔も笑って流そうじゃないの?俺の心は今、はやる期待に胸を踊らせているのだから!
「しかし、時間が掛からないのは良いねっ!さあさあ、早速、ゴーレムを作っちゃって下さい!!素材を入れちゃいましょう!!」
俺はDSさんと2L (トゥエル)を急かすように言った。しかし両名はキョトンとしている。え?なんか俺、間違った事を言ったか?
音声『旦那様…これから人造兵を作成しますが、まずは人造兵の外殻装甲のパーツを1つずつ、反応炉で作成いたします…。』
うん?外殻装甲の…パーツ?
音声【あのですね…閣下がデザインした設計図ですと、必要なパーツ数は全部で1350パーツになるんですよね。でもって、魔鉱石もインゴット化して、こっちは内部装甲に使用するのですが、パーツ数は850パーツですねぇ…。】
…ちょ、1350パーツって…それを1つずつ作るってぇの?
ねぇ、それってどんだけ掛かるの?え?ササっと流れるように出来るんちゃうの??反応炉に全部、突っ込みゃ良いんちゃうのっ??
「…おま、いや、話が違うじゃないかぁ(怒)!!」
音声【えぇぇぇ!?逆ギレですかっ!?ゾクゾクしますねっ!!】
俺の純情な心を弄びやがってからにぃ(涙)。俺はダメ天使に掴みかからんとするが、俺の手をクロちゃん弟が止める。うっ、そうだった。俺の左手はクロちゃん弟の手を握っていたのだ。
『…兄上殿。待ちましょう。僕は完成するまで待ちますから、兄上殿もっ!』
クロちゃん弟の真剣な眼差しに、俺は不甲斐ない自分を思い知った(悲)。
そう、そもそもデザインを複雑化し過ぎた俺が悪いのだ。それは全て「田崎家仮設ゴーレムPG・MT〈S01〉」に傾けた俺の情熱のせいなのだ。
「…そうだな。すまない。俺の思い込みのせいだ。…完成するまで待つよ。」
俺は素直に謝罪した。弟の前で、なんて事をしてしまったのだろうか。穴があったら入りたいぐらいだよ。ああ、恥ずかしい。
で、あからさまにガッカリした顔の2L (トゥエル)は放置したら、DSさんは朗らかな顔で俺を許してくれた。
音声『ホッホッホ。ちゃんと説明していなかったワタクシにも責任がありますな。では旦那様、電子情報枠表示をご覧下さい。』
ふむふむ。項目が〈人造兵〉に切り替わったようだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
《錬金術式・反応炉適応中100%》
超高性能・煉獄式錬金反応炉…
錬成演算≒NOCTURNEの開始準備完了しました。
デザイン機能MENU《使用設計図…NO.1》
作成する項目を…選択して下さい。
〈人造兵〉
…外殻装甲1〜1350〈選択1〉
…内部装甲1〜850
…霊子核
対象素材『鋼鉄インゴット』
精製予測〈錬成演算≒NOCTURNE100%〉…外殻装甲パーツ1
精製を開始するYES・NO
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
音声『順序的には、内部装甲を作成後、外殻装甲を作成いたします。次に作成したパーツを、そこの内部骨格に組み合わせ、内部に魔道回路と賢者の核石を並列直結させ、内蔵させます。』
床に置かれた内部骨格『石棺』をDSさんは指差した。
あ〜、組み合わせも人力でコツコツやるタイプなんだ…それは思いもよらないよねぇ。ゴーレム作成って、想像以上に人力作業だった(汗)。手間暇かかる系のアレでさ。
…ん?ちょっと待って。パーツを組み合わせるって、組み立てる的な?あれ?これって何かに似てない?
「…いやいや、それってほぼ、ガ◯プラじゃないのっ!?」
音声『そうですな。そう捉えてもらった方が、旦那様には分かりやすいかと?』
おいおいおいっ!?ガ◯プラ作ってウン十年の俺ですよっ!!
想定の斜め上ですが、これはヤバァイ!!巨大ロボットをプラモデル的に作れるとか、もうコレ、俺にとっては天国じゃね?神様、仏様、ありがとうぉ!!でも一応、確認しておかねばなるまいっ!!
「はぁはぁ…それって、俺でも組み立て…出来るんでしょうか?」
音声『ええ。勿論出来ますよ。しかし、パーツは多少、重たいので…。』
クッ!?組み立てられるけど、パーツが重たいとかっ!?
『兄上殿!僕が手伝いますよっ!!一緒に頑張りましょう!!』
「クロちゃん弟っっ!?」
我が弟、クロちゃん弟が運ぶのを手伝ってくれると言う。ああ、光明が見えた。最高である!思わず、ホロリと涙が出ちゃったよ(涙)。
そして自ら組み立てた「田崎家仮設ゴーレムPG・MT〈S01〉」ならばこそ、我が家の希望となってくれるだろう!!
音声『では、組み立てはお任せします。ワタクシはパーツを生産しますので、設計図代わりに2L (トゥエル)殿をお使い下さい。』
「ああ、了解!!さあ、ガ◯プラだっ!!頼むぞ、クロちゃん弟よっ!!2L (トゥエル)もなっ!!」
『はいっ!兄上殿っ!!』
音声【……はあ。分かりました。】
頼もしい返事を返してくれたクロちゃん弟。一方、ダメ天使はガッカリ顔でやる気無し。コイツはホントに、なんでこんな性格になっちゃったんだろう?(え)。
こうして、我が家初のゴーレム組み立てが始まったわけで。
正直、楽しくて楽しくてたまらない時間であった。途中で昼食を挟んだけどさ、すぐにパーツ合わせに戻り、巨大ヤスリまで作る始末で。はぁ、満足(汗)。クロちゃん弟も最初から最後まで、嬉しそうに手伝ってくれたしねっ!!
え?海底神殿?そら、まあ…ゴーレムが完成しないと調査に出せないでしょ?その為のマリンタイプだし…なもので、その3に続く!!
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈秘匿種(真王)〉
階級〈権現〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈57.8+〉
戦闘力 1341+15
防御力 1259+15
生命力 1290+15
回避値 1137+15
知能値 515+5
器用値 25
魔力値 1988+25
無属性1211+15
地属性1243+15
固有能力
竜脈適正「最高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
全能神の祝福
異世界言語LV1
宝物庫〈Ω〉
聖者の贈物
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治 隠密 命名 返還 猫愛 権現
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属召喚
眷属送還
眷属探知
眷属鑑定
竜脈の盾
竜脈結晶化
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
2L (トゥエル)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
シマ
カア君(若彦)
乙女ちゃん
ユズリハ(野良ネズミさん)
紅葉
菅原くん
橘花くん
リコピン
JOL
葉蘭
水引
葛葉
榊
千歳
鳳来
八手
蒼原
不知火
漁火
八重波
白波
鳴海
夕潮
芍薬
水楢
柏
梛
茜
白妙
牡丹
鬼蕗
BM
BL
ユナイゼス
キュライアー
ビビアンナーシェ
イシヒメ
麻黄
称号
竜脈使い
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
小型「電子情報枠」
種族〈電脳媒体〉
階級〈生命樹分体〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈2.5+〉
耐久値:500
SRWシャツ〈服〉
属性:化学繊維LV15〈通常級〉
付与効果:操縦技術+
ど根性 (?)
物理抵抗
耐久値:30
ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久強化
耐久値:60+α
◆ ◆ ◆




