第159話「大根の生産依頼・試金石の行方」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属 …育成計画中なのですw
第159話「大根の生産依頼・試金石の行方」
竜脈生活109日目。
再び「白ねこ島」立ち入り禁止令が発令された。白ねこ富士山誕生の昨日の今日である。
う〜む。またしてもか。だが、俺はこれを好機と捉える。好機と書いてチャンスと読む。
「…でだな、資源調査を秘密裏にしておいてくれ。」
音声《ほほぉ。主よ、色々画策しているようじゃが、大丈夫なのかのう?》
ここはG3(ジザ)さんの工房である。E5(エコ)さんは居ない。鬼の居ぬ間に何とやらだ。
「チャンスを見て鉱山資源適応をポチるつもりだから、白ねこ富士山の地質調査と、海底資源の詳細な調査を頼むぞ。」
音声《まあ、白ねこ富士山の調査はDS殿に命じられているからのう、徹底的に行うが…人手がのう。》
『それ、私も興味あるナ。調査させてくれ、イイだロ?』
おっと。話に加わってきたのは、観葉植物6姉妹の1人、科学者系の樹霊、芍薬であった。丸眼鏡をクイッと指で引き上げて、マッドな顔で主張する。
音声《ふむ。芍薬が白ねこ富士山の方を担当するなら助かるのじゃ。助手としてBMを連れて行っても良いかのう?》
「相変わらず、芍薬は工房に入り浸ってるのな。まあ、内密に行動してくれよ?」
『研究こそが私の生きる理由だからネ。科学者は口が固いんだヨ?』
科学者って口が固いの?初耳だけど。
「んじゃま、よろしく頼むぞ。そろそろ行かないとE5(エコ)さんが勘付く頃合いだしなぁ。」
で、俺は脚を入り口に向けたのだが、そこで扉がバーーン!と開けられたわけだ。
「むおっ!?」
音声{怪しいですねっ…1階で合流する事になっていたのに、御主人様はなぜ、ここに?}
フッ。E5(エコ)さんよ、逆に褒めてやろう。
「よくぞ、俺がここにいると分かったな。…だが、別にその理由を教える義理などないっ!!ああ、無いともさっ!!」
音声《…増やす予定の会議室の件で相談しておったのじゃよ。ひょっひょっひょ。》
そう、それっ!!咄嗟に理由が思い浮かばなかったんで、逆ギレで乗り切ろうと思ったんだよねぇ。でもG3(ジザ)さんのナイスアシストで助かったよ(え)。
音声{怪しいですが、まあ良いとします。そんな事より、もう10分過ぎてますけど?}
いかん!?しまったぁぁぁ。
そう。昨日の夜のことだがメールが来たのだ。相手は例のごとく広目天様である。
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2020/12/04
差出人:喜見城広報部
宛先:田崎 蓮人殿
拝啓、お世話になっております。
明日、午前10:00に田崎家様を訪問させて頂きたく、御連絡させて頂きました。
つきましては、白ねこ島で生産されている大根と人参の件で、詳細な話しをさせて頂きたいと思っております。
別件ですが、12月10日に「白ねこ島産 秋刀魚新種〈シルバーサマナー〉」 の一般販売が開始される予定です。問い合わせが酷いことになっていますが、総合デパートの大黒屋〈神界支店〉での限定販売となりますので御了承下さい。
筆者 喜見城営業部 部長代表・毘楼 博叉
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大根と人参の件って、もう商談の匂いがプンプンするけど…冬が訪れた白ねこ島でどうやって野菜を生産するかは未定である。
「…っと、こんな事を考えてる場合じゃない!行くぞ、E5(エコ)さんっ!!」
音声{もうっ!本当にいい加減にして下さいっ!!}
ドタバタと俺たちは工房を後にした。やれやれと芍薬が呆れ顔で見送っていたのが印象的だなぁ。
◇ ◇ ◇
駆け込んだ1階の居間で、俺は軽く猫又のシーちゃんに挨拶して仏壇と向き合った。ふぅ、今回はそんなに遅刻してないからね。大丈夫だと思うんだ(汗)。そもそも遅刻とかダメだけどね。
『ミャ。』
え?要約すると『ほんとにダメな子ね。』って、俺の心に突き刺さります。
で、ちょっとお祈りして目を瞑ってみたら、あれ?青空の真ん中に商談用のブースが出来ているけど、広目天様が居ないね?どうしたんだろう?
音声{御主人様が遅刻したから、怒って帰っちゃたんではないですかぁ?}
「いやいや、広目天様って器がデカいから、そんな事で怒ったりしないからね!」
音声{そうですね。御主人様と違いますもんね?}
ゴラァ。普通に俺をディスるんじゃないよっ(怒)。あれはネコ女王が悪いんでしょがっ!
『アイッ!!』
おっ。E5(エコ)さんに抗議の声を上げたのは、俺の懐からフワァと飛び出した、白いフワフワの球体だ。俺の唯一の味方だな。
「お、千寿姫。珍しいな?」
『アイ!』
白い球体が、あの美少女の姿になって俺の頭の上に腰掛けた。小ちゃい妖精みたいなサイズ感である。頭が暖かいので助かるよ。
「まあ、立ってるだけなのも疲れるから、ソファに座らせてもらおうかなぁ。」
どっこいしょ、と俺は上質な革のソファーに腰掛けた。
「E5(エコ)さんも座れば?」
音声{私は結構ですよ。あっ、広目天様?}
『すまんな。ちょっと呼び出されたので、出迎えに行っていたんだよ。』
亜空間の切れ目から、ピチピチビジネススーツのガタイの良いおっさんが現れた。
出迎えって誰を?そう言えば、広目天様は1人ではなかった。なんだろ?黒い…ダルマさん?
お正月に向けての商品でしょうか?うちにも1匹、付喪神のダルマさんいますけどねっ。
「え〜と、どちら様でしょうか?」
『こちら、大黒天様だ。大黒屋のCEOだね。』
『おう!儂は大黒天だ。七福神ファクトリーの方にも参加してるんで、よろしくなっ。』
黒いダルマ…大黒天って何だっけ?ああ、七福神ね?そうね、恵比寿様の同僚ってことでしょ?
「んで、その大黒天様が何か俺に用が?」
『おう!それそれ!秋刀魚の販売で、うちのデパートが大繁盛してんだ。こりゃ大感謝だぜっ!!』
江戸っ子だ。この大黒天様、完全なる江戸っ子である。べらんめえ口調を喋る黒いダルマである。
「はぁ…そうですかぁ…。」
完全なる人ごとだ。俺には全く、無関係な話題だな。
『無関係ではないんだよ。こちらの大黒天様が、秋刀魚とセットで大根を売り出したいと言い始めてね。』
ええ?その仲介役で広目天様が来たのかな?と言うか、心の声を読むのはやめてもらいたいんですが…。
『おう!いいねぇ。恵比寿の奴が言った通りの面白い男だな、おめぇ。』
「はぁ。ありがとうございます…。」
これは褒められているのだろうか?貶されているのだろうか?
『アイッ!!』
おっ。俺の背後に隠れていた千寿姫が抗議の声を上げた。うんうん、健気で良い子だよ。お父さんっ子ってイメージなんだよね。
『おや?君は不動明王さんのところの矜羯羅さん?田崎家に来てたのかい?』
『アイッ??』
おやおや?妙な風向きになってきたぞ。
「千寿姫、そうなの?」
『…?』
あっ、これダメだね。記憶にないパターンだな。まあ、そんなケースなんだろうな?
「とは言え、今はうちの千寿姫なんで、あんまり突っ込んであげないで下さい。」
『あ、ああ、それはすまない。しかし君は大した男だな。さすがだよ。』
え?広目天様まで俺を褒めはじめたよ?褒めても何も出しませんけども?
音声{まあ、そこが御主人様の唯一、良いところですからねぇ?}
E5(エコ)さんのは、どうも俺に対するディスりがビンビン感じるぞ。こいつは許せん。
『すまんが、話が進まんのでなぁ。大根と人参の生産が可能かどうかだけ聞きたいのだがなぁ?』
ああ、そうですね。やっぱりそこですよね〜。
大黒天様の言うように、白ねこ島で出来た大根は3本と人参は5本。だが、これが頬っぺたが落ちそうな程に旨いんだよねっ!もう在庫がありませんけどもっ!!
「白ねこ島は今、ちょうど冬なんですよね〜。ビニールハウスを購入して届くの待ちなんですけど、それでも成功するかどうかは分かりませんよ?」
音声{ビニール…ハウスっ!!??}
あっ。E5(エコ)さんに知られちゃった。後の祭りだけどね〜。
『いや、それでも構わん!儂の大黒屋が全面バックアップするぜっ!温風ヒーター機器一式、すぐに準備をさせるぜっ!!』
あ、ちょっ!?
『…行ってしまったな。』
止める間も無く、黒いダルマさんは走って行った。落ち着きがないというか、人の話を聞かない神様(人)だね。
「これって、どうなるんでしょうね?」
『いや、実質的に大黒屋と提携関係…と言うことになるな?あの人は強引だから、なにかあれば恵比寿様に相談してくれ。いや、私の上司の帝釈天様でも良いがな?』
えぇぇぇ。広目天様、紹介だけして丸投げ事案ですよ、これは。とは言え、大企業 (?)がバックアップしてくれるのは有り難いけどな。
「まあ、出来るだけやってみますかぁ…。」
音声{もうアレですよ、怪しさMAXですねっ!!いろんな意味でっ!!}
『アイッ!!』
何だか訳がわからない三者三様の意気込みである。
ああ、我が家はどこへ向かおうとしているのだろうか?だがこれもまた、試金石と言えるのだろう。
ちなみに、午後に配達員が来ました。羽の生えた蛇さんです。
ビニールハウスはまだです。んで、届いたのは…砥石セットと文房具セットの2つ。
これはサプライズなので、クロちゃん弟とあやっちにも内緒なのだ。
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画像//万能砥石セット〈プロ仕様〉隕石鋼製 品質保証
〈月兎商店〉
4神貨〈4000万円〉★★★★☆
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高いけど、なぜかこれが目に止まったわけである。
値段が高いのは異世界間の輸送費が急騰しているせいと思われるが、デザイン性が秀逸なのだ。
それは以下の文房具セットも同様だ。
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画像//月兎商店謹製☆文房具一式〈ショー・ストーク男爵限定デザイン〉
〈月兎商店〉
3神貨〈3000万円〉★★★☆☆
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この「月兎商店」って比較的、良心的な値段だよね。砥石も文房具も近代日本的なデザインだし機能性だ。でもこれ、輸入品じゃなくて異世界品と覚しい。俄然、興味深いぞ。
勿論、これは12月24日まで俺の「宝物庫〈Ω〉」で眠ってもらう次第です。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈秘匿種(真人)〉
階級〈地祇〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈41.0+〉
戦闘力 966+12
防御力 884+12
生命力 880+12
回避値 792+10
知能値 20+2
器用値 25
魔力値 1362+20
無属性866+10
地属性898+10
固有能力
竜脈適正「最高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
全能神の祝福
異種言語LV1
宝物庫〈Ω〉
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治 隠密 命名 還元 猫愛
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属召喚
眷属送還
眷属探知
眷属鑑定
竜脈の盾
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
2L (トゥエル)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
シマ
カア君(若彦)
乙女ちゃん
ユズリハ(野良ネズミさん)
紅葉
菅原くん
橘花くん
リコピン
JOL
葉蘭
水引
葛葉
榊
千歳
鳳来
八手
蒼原
不知火
漁火
八重波
白波
鳴海
夕潮
芍薬
称号
竜脈使い
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
小型「電子情報枠」
種族〈電脳媒体〉
階級〈生命樹分体〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈2.5+〉
耐久値:500
ジャージ(DANROOP)〈服〉
属性:化学繊維LV32〈通常級〉
付与効果:厚手生地+
物理抵抗
保温・耐寒
耐久値:60
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