第156話「思わぬ競争・馬に蹴られて終わり」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属 …育成計画中なのですw
第156話「思わぬ競争・馬に蹴られて終わり」
竜脈生活107日目。
目が怖い。みんなの目が怖いんです。
だが、我が家の招き猫、ミミちゃんのニッコニコの笑顔とは比べるべくもない。
「ミミちゃん、500円ガチャはやらないの?」
『ニャ。』
どうやら、やらないようだ。と言うか、課金ガチャ卵の方が重要のようで。
音声{孵化するまで7日かかるみたいですね。ミミちゃんさん、頑張ってくださいっ!}
卵が入ったケースを抱えたまま、ミミちゃんは微笑んでいる。とても良い笑顔だ。
そして、この課金ガチャ卵の1個目には50000神貨をつぎ込んでいるのだ。即ち、5千億円を課金したのである…やっちまったなぁ。誰にも言えない秘密である。
だが、これは必要経費なのである。必要な事だったのだ。そう、自分を慰めてみる。
「これで優先順位の1位は終了したな…ちょとE5(エコ)さん、錬金炉をJUKAIで検索してくれる?」
音声{嫌です。}
え?聞き間違いですか?まさかの完全拒否とか。
「…え〜と。何故に?」
音声{自分の心に聞いて下さい。私の心はドロドロに汚されちゃったのに、駄目天使の為に協力する気は一切ありませんからねっ!!}
まだ根に持っていたらしい(汗)。しょうがない、アレは事故みたいなものだったけど、きっとE5(エコ)さんは許さないのだろう。むしろ、許す日は来るのだろうか?
ともあれ、今日も今日とてやる事があるので、昨日のゴタゴタを引き摺るのは俺の性に合わないので、ここで気分を切り替えよう。
「よしっ!!じゃあ、今日は屋上に行こうかっ!!」
かくかくしかじか…先日約束した、麒麟の號竜たちとスキンシップしたいわけで。
何故なら、俺は約束を守る男だからねっ!
そうと決まれば話しは早い。
「お〜い。クロちゃん弟?」
隣室に声を掛けるが…誰も居ない。おかしいな?今日は朝から屋上に行くよって言ってあるのに。てっきり、誰か待ってると思ったんだけど?
「まあ、居ないものは仕方がない。…だけど屋上に行く前にだな。」
俺はその足を廊下の先、拡張物置部屋に伸ばしていた。
音声{御主人様、まさか?}
そう。そのまさかである。
「お邪魔するぞ?」
拡張物置部屋の片隅…通称「ハッピーエリア」。それは幸せを意味するわけでもなんでもなく、ただ単に、我が家の聖獣ハッピーが住む場所ってだけの名称だ。
で、俺はハッピーの世話をする妖怪仙人のBMに声をかけたわけで。
『ボフッ!』
クマの巨大ヌイグルミであるBMが俺に気付いて頭を下げた。
見た目からは及びもつかないが、BMはとても礼儀正しく思慮深い人物なのだ。こっちが頭が下がる思いだよ。何しろ、あのG3(ジザ)さんの助手を出来る者なんて数限られるしな。
「いやいや、気にしないでくれ。んで、ハッピーは居るかなぁ?」
『ボフッ。』
おっと、パーテーション代わりのタンスの陰に転がっていました。ゴム紐でグルグル巻きにされています。
『ニャ〜ビャ〜。』
情けない顔でまぁ。俺に助けを求める声を上げている。聖獣って言うぐらいだから、見た目は白い虎みたいにフサフサしているし、体毛の紋様も神々しい感じなんだけどね?
「あのね…ハッちゃん。反省したのかな?」
『ニャビャッ!!』
う〜ん。基本、ハッピーは馬鹿だから(?)何も考えてないんだよね(え)。
反省したっ!!って言うけど、これは条件反射的なアレだな。
「いや、俺的には、お前の気持ちも分かるし、友達の味方をしたかった気持ちも分かるんだけども…実質、問題を起こしたことに変わりはないからね?」
『ニャ…ニャビャァ…。』
絶望的な顔をするハッピー。いや、顔芸のバリエーションが豊富だな。
「だがまあ…今回は俺の独断でお仕置きは終わりにするけど、DSさんの許可は取ってないからな?」
『ニャァァ…ビャァ!?』
嬉しさ半分、恐怖半分のハッピーである。なんかもう、笑顔と涙と鼻水でよく分からない顔をしている。
これでも血統書付きのチンチラシルバーだったんだけどなぁ〜?
音声{本当に大丈夫なんですかぁ?}
いや、大丈夫じゃないけどさ。今回の件は俺にも責任があるわけで。
そんなわけで、ハッピーのゴム紐をほどきながら、俺はため息をつくしかなかった。
「…金さんも今のところは大人しくなったし、ハッピーも改心するのを祈るしかないなぁ。」
と言いつつも、まあ期待半分ではあるが。
にしても、結構、きつめに縛ってあったので難儀したのだが、やっと外れたよ。
『ニャビャァ〜〜!!』
「うっ!?」
俺に抱きついて号泣するハッピーを、久し振りに抱き上げてみたのだが…超重たいんですけどっ!?それにフサフサの毛に隠れているけど、かなりの筋肉質である。
「お…重い…。」
だけども、俺はヨシヨシと頭を撫で回す。ハッピーに関しては、最近は本当に一緒に過ごす機会が無かったから、不貞腐れてしまったっていうのは、俺のせいなんだよね。
『ニャビャ?』
「まあ、重いってことは成長したってことだから、喜ばしいことではあるし、ハッちゃんがBRを庇った姿に感心したのも事実だからな。」
でも、もう握力が限界を迎えたので、ハッピーは床に転がっていた。
『ニャ…ニャビャ…。』
「すまんすまん。ところで、これから屋上に行くんだが、一緒に遊びに行くか?」
俺の言葉にハッピーは目を輝かせた。ウンウン!と頷く。なら決まりだな。だが、そんな俺たちの前に立ち塞がる障害…それは!?
『モゴモゴ…オ…オイラも助けておくれよっ…モゴモゴ。』
ああ、もう1人の戦犯…BRだった。BRも当然、ゴム紐でグルグル巻きにされて転がっていたのだ。
『ボフッ!ボフッ!!』
珍しくBMが怒っている。まあ、BRは彼らにとって末弟みたいなもんだからな。相当、BRは今回、彼らに叱られたようで。
『モゴモゴ…BMにいちゃん、ごめんなさぁぁぁい…モゴモゴ。』
「…主犯のBRは、G3(ジザ)さんの許可が出るまでグルグル巻き継続だな…。」
こればっかりは仕方がない。とにかく、人質を取ると言う行為がいただけないわけで。
「すまないが、頼んだよ。BM。」
『ボフッ!!』
任せて下さい!!とBMが即答した。なので俺は退散しよう。気まずそうなハッピーも連れて、一目散に逃げ出すのだった…。
◇ ◇ ◇
外の空気は気持ちがいい。引きこもっていても、屋上もまた我が家の一部。引きこもり生活は継続中である。
屋上にやって来たのだが、ハッピーもウキウキして俺の脚に擦り寄ってくる。ちょっと歩きにくいんですけど、それは我慢しよう。
「おっ、カア君。異常はないかな?」
『無イト言エバ無イガ…有ルト言エバ有ルナ…。』
何ですか、その頓知みたいな答えは?屋上の監視員、大鴉のカア君が入り口屋根から俺を見下ろして言った。
「分かりにくいよ。まあ…見て大体、分かったけども?」
音声{まあ。皆さん、頑張ってますねぇ。}
E5(エコ)さんの言う通り、屋上は競走場となっていた。アレっていつ以来だろう?優勝したのは乙女ちゃんだったよね。
トマト猫のリコピンに騎乗した乙女ちゃんと、麒麟の號竜に騎乗したクロちゃん弟。そして精霊馬に騎乗した菅原くんに、精霊牛に騎乗した橘花くんである。
順位は…特に意味無いのかな?みんな楽しげに屋上の周縁を競い合っている感じだ。
「お〜お。楽しそうだなぁ。」
そして、俺の脚に縋り付くハッピーもウズウズしている。
「いいぞ、ハッちゃん!行ってこ〜い!」
『ニャビャァア〜〜!!』
ハッピーが白い弾丸となって走って行った。ハッピーって持久力と瞬発力があるんだよね。
「こうして見ると、やっぱり安定感があるのは號竜とクロちゃん弟だな。スピードが落ちないし。」
音声{確かにそうですけど、俊敏さはリコピンさんと乙女ちゃんさんですよ?}
そうね。カーブの曲がり方は上手い。乙女ちゃん、あれは半分人格変わってるね。
『総合的ナバランスハ…菅原ト精霊馬ガ良イゾ。』
さすがはカア君。見ているところが違うね。それに菅原くんは、橘花くんに合わせて、少し速度を落としてると見た。
「橘花くんと精霊牛は、直線距離は加速度が1番だけど、それ以外はマイナス要素が多いからなぁ。」
そもそも、牛ですから!!でも、パワーは1番あるってことじゃない?
そんなジョッキー談義を俺たちがしている間に、猛烈な勢いでハッピーが追いついていた。
これ多分、今までグルグル巻きだった鬱憤を晴らす勢いと思われ。
音声{あっ!ハッピーさん、精霊馬さんを追い抜きましたよっ!?}
それを菅原くんが唖然と見送っていた。
「…やるな。ハッちゃん。だが次の難関は、既に直線に入った精霊牛の加速度だな。」
評論家のように俺は分析した。
音声{あっ!?ハッピーさん危ないっ!!精霊牛さんにぶつかりますよっ!?}
だが、ぶつかると見せかけて、ハッピーは精霊牛の身体を足場に、カーブを急反転。橘花くんの頭上を越えて躍り出た。
橘花くん、ワーワー声を出しているがよく聴こえない。
「恐るべきアクロバット走法…。」
『アレハ…許サレルノカ…?』
いや、競馬場じゃないんだから、特にルール縛りもないでしょ?
音声{あっという間に3位になっちゃいましたよ、ハッピーさん。}
「これは予想外の展開。さあ、このまま逆転してしまうのでしょうかっ!?」
そして時には実況者のように解説してみる。
次は安定感のある號竜とクロちゃん弟のコンビを前に、ハッピーは攻め喘ぐ。これはクロちゃん弟と號竜が、前後左右に微細な足取りをすることで、抜き去ろうとする隙を潰している為だ。
「安定感がある號竜だからこそ可能な技ではあるが…。」
『ダガ、速度ガ目ニ見エテ落チテイル。」
そう。グングン落ちている。逆に先頭の乙女ちゃんが距離を離していく。そして迫る後方の2頭。2位以下は団子状態に陥る可能性が高いな。
音声{このままだと、ちょっと危険ですよ?}
と、思いきや、である。
「あっ!?ハッピーめ!無茶なっ!!」
子鹿のような號竜の脚の間を、腹の下をすり抜けて、なんとハッピーの体格だからこそ可能な逆転劇を成功させたのだ!しかし、一歩間違えたら、號竜に踏まれて大変な事態になっていたぞ。ああ、肝が冷えたよ。
『コウナルト、モウ一騎討チダナ…。』
乙女ちゃんとハッピーの一騎討ち。だが双方、もはや限界か?お互い、俊敏さがウリの猫科(?)である。
音声{まあ、並びましたよ!?頑張れ、乙女ちゃんさんっ!!}
E5(エコ)さんが乙女ちゃんとリコピンを応援し始めた。
俺?俺は…無回答とさせて頂く。
「俊敏さに勝るリコピンと乙女ちゃんのコンビ…対して、瞬発力に勝るハッピー。むうう、これは難しいっ!!」
押しては引いて、引いては押しての繰り返し。激しいデッドヒート!!
そして、結論から言えば…勝者は…「管原くんと精霊馬」でしたっ!!
「えっ!!??」
後方の直線から猪突猛進してきた橘花くんの精霊牛に、何と、気付かずに乙女ちゃんとリコピンのコンビ、そしてハッピーは跳ね飛ばされていたのだっ!?
『きゃぁぁぁーーーー!?』
『ニャビャャャャーーーー!?』
『止まらないよぉぉぉ〜〜!!』
上から、乙女ちゃん、ハッピー、橘花くんである。その後は言わずもがなである。
その隙に、ゴールを切ったの管原くんと精霊馬のコンビで、リコピン、ハッピー、精霊牛を蹴り飛ばしての優勝であった。これぞ馬に蹴られてお終いってヤツだな。ちゃんちゃん。
『お兄ちゃんに良いとこ見せようって頑張ったのにぃ〜〜!』
「いや、それでも橘花くんは2位だからね?頑張ったよっ!!」
ベソをかく橘花くんに、俺はそう言って慰めた。だけど本当に2位なんてスゴいと思うよ。そんな弟を、俺は誇らしく思うのですよ。
『本当にぃ〜〜?』
「ああ、本当だぞっ!だから、精霊牛も落ち込むなよ?お前も頑張ったし…だから、ちょうど良いから名前を付けようと思う。」
落ち込んでいた精霊牛を見て、俺は閃いたのだ。
その言葉を受けて、精霊牛が身震いした。
『ブモォ!』
え?武者震いだって?そうか、それなら良い名前をお前に与えよう。
「それは茄子の成分…お前の名前はナスニンだっ!!」
だって、トマト猫のリコピンはトマトの成分だしね。ならばこそ、もう精霊馬の名前も決まったようなものだ!
『兄上!!僕の精霊馬は!?』
『ブヒィィン!』
1位を獲った管原くんと精霊馬のコンビが、興味津々に俺に詰め寄る。ちょっと圧がスゴいよっ!?近過ぎるよっ!!
「…勿論、胡瓜の成分…お前はカロテンだっ!!」
俺は言い切った。精霊牛はナスニンで、精霊馬はカロテンに決定だ。もはや異議申し立ては受け付けない。
『ナスニン!よろしくねっ!』
『ブモォ〜。』
あっ。精霊牛の方は大丈夫のようだ。突っ込みどころ満載の名前だったんで、ちょっと心配だったんだよね。疑問も抱いてないようで、はしゃいでいる。
『…カロテン。不思議な名前だね。』
『…ブヒィン。』
性格が出るよね。なんでこう、コンビで性格が似るのかなぁ?
冷静な感じの管原くんと精霊馬だけど、特には不満は無いようだ。ふぅ、一安心である。
音声{ちょ、ちょっとそのネーミングセンスは…御主人様、本気ですか?}
『野菜ノ成分テ…正気カ?』
E5(エコ)さんもカア君も、そんな言い方ないと思います。これでも一生懸命考えたんですよっ(怒)。本人たちが喜んでいる(?)から良いのです。
以上、本日の競争を終了とさせて頂きます。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈秘匿種(真人)〉
階級〈地祇〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈40.1+〉
戦闘力 942+12
防御力 860+12
生命力 856+12
回避値 772+10
知能値 126+2
器用値 25
魔力値 1322+20
無属性846+10
地属性878+10
固有能力
竜脈適正「最高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
全能神の祝福
異種言語LV1
宝物庫〈Ω〉
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治 隠密 命名 還元 猫愛
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属召喚
眷属送還
眷属探知
眷属鑑定
竜脈の盾
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
2L (トゥエル)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
シマ
カア君(若彦)
乙女ちゃん
ユズリハ(野良ネズミさん)
紅葉
菅原くん
橘花くん
リコピン
JOL
葉蘭
水引
葛葉
榊
千歳
鳳来
八手
蒼原
不知火
漁火
八重波
白波
鳴海
夕潮
芍薬
称号
竜脈使い
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
小型「電子情報枠」
種族〈電脳媒体〉
階級〈生命樹分体〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈2.5+〉
耐久値:500
ジャージ(NAKE)〈服〉
属性:化学繊維LV25〈通常級〉
付与効果:希望〈微〉
物理抵抗
保温
耐久値:60
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