第129話「倍々作戦その2・午後6時の門限」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属 …育成計画中なのですw
第129話「倍々作戦その2・午後6時の門限」
入浴を終えてリゾート気分を満喫した俺たちは…いや、違うでしょ?なんでお風呂に入ってるのさ?と言う事実に直面していた。
そんなこんなで、慌ててコテージを飛び出した俺たちだった。
空は青く、白い砂浜の向こうは海原だ。この開放感…箱庭と言えども最高のシュチュエーションである。
音声『潮の匂いには幾分、慣れましたが…。』
DSさんは海の匂いが苦手らしい。
「まあ、そのうち慣れるでしょ?本当の海は、もっとプランクトンとかのせいでキツい匂いがするからねぇ。」
海の町出身の俺が言うのだから間違いない、だろう?
音声{遅かったですね、御主人様?}
うっ。忘れてた。基本的に俺から離れられない…と言っても、半径500m圏内自立型のE5(エコ)さんである。
確証はないが、白ねこ島の移動距離はそれを軽く上回ると思われる。なんで、白浜で待ってもらっていたのを忘れていました…。
「忘れてないよ?DSさんの安全確認が長引いただけだよっ?」
音声『そ、そうですな。予想以上に確認点が多かったですな。』
その場しのぎとは言え、上手く口裏合わせ成功だ。
音声{へぇ。そうですか?お二人とも、やけにお肌がツヤツヤしてますね?}
気のせいじゃないかなぁ?なんて言いながら、俺は石畳の道を歩き始めた。
お風呂上がりでサッパリしたし、草むらばかりの景色だけど、外を歩くって良いことだなぁと染み染みと思う。早く弟たちを連れて来たいものだ。
「この石畳の山側には果樹園を作っても良いなぁ。まだ林檎と蜜柑と梅しか果樹が表記されてないけど、梅が1番高いのが意味不明だな?」
音声{思ったんですけど、それって乙女ちゃんさん達の影響じゃないですか?}
え?ああ、乙女ちゃんは林檎の樹霊だからか?で、橘花くんが蜜柑系の樹霊で、多分、梅系の樹霊が居たら同じ霊子消費になっていたと?
音声『ほほう。なるほど。その可能性は高いですな。であるならば、2階の観葉植物も表記されているのでは?』
偶然か?そうでないかはコレで確認できるかも知れないな?
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猊下《田崎 蓮人》様と認証しました。
箱庭システムVr01「白ねこ島」改造MENU
>植生改造LV1>>
>草花>>
>ポトス〈必要霊子20〉
>モンステラ〈必要霊子20〉
>サンスベリア〈必要霊子20〉
>パキラ〈必要霊子20〉
>月桂樹〈必要霊子20〉
>金の成る木〈必要霊子20〉
>たんぽぽ〈必要霊子40〉
>すすき〈必要霊子40〉
※1本あたりの霊子消費量です
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「どうやら、正解だな。」
って言うか、たんぽぽに霊子40消費とか大き過ぎじゃない?
音声『こうして考えた場合、配下の樹霊を増やした方が効率が良いのでは?』
音声{そんな簡単に言わないで下さいっ!普通、樹霊は簡単に誕生しないですからねっ!!}
へぇ。そうなんだぁ。簡単に生えてきた気がするけど(え)。
「…確認しないけど、畑の方はトマトとキュウリとナスは表記されてるだろうなぁ。」
音声『猫トマトと精霊馬に精霊牛ですね。』
そうそう。リコピンには名前を付けたけど、そろそろ精霊馬と精霊牛には命名したいな。
そんな一行だったが、石畳は雑木林に突入。薄暗い感じがとても良い。その先には広場があって、石の鳥居が鎮座していた。鳥居〈甲〉である。
「よし、準備は良いか?工場に行くぞ。」
音声『では参りましょう。』
俺に続いてDSさん、E5(エコ)さんが鳥居を潜った。潜った先は「白ねこ島」の北部に設置した秋刀魚増産区画であった。ほんと、コレは便利である。
早速、俺は昨日やり損ねた仕事に着手する。鳥居〈乙〉と区画を繋ぐ道を作成するのだ。
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>建設項目LV1>>
>道路>>
>あぜ道〈必要霊子1〉
>舗装道路 土〈必要霊子3〉
>舗装道路 石〈必要霊子5〉
>石畳〈必要霊子10〉
※設置距離は10m
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「こちら側は、別に石畳にする必要は無いんだよなぁ。」
向こう側は和風をイメージして石畳にしたので、ただ単に菅原くんが喜びそうだったからと言う理由は伏せておく。出来れば石灯籠や神社を配置してもっとソレっぽくしたいところだ。
なので、こっちは「舗装道路 石」にしてみた。ただの砂利を敷いた道だった。なんかイメージと違った。
音声{これはコレで良いんじゃないですか?土埃も出なさそうですし?}
そうね。ともあれ、区画内のプレハブ小屋は全てコレで繋いでみた。
音声『ほほう。これはなかなか本格的ではないですかな?』
と褒めてくれるDSさんですけど、全部プレハブ小屋ですからねっ?
そんな区画の中心はプレハブ小屋2棟と災害避難住宅を1棟である。
ちょとだけ離れた場所に仮設トイレと仮設水飲み場、プレハブ診療所と公衆電話が設置されている。
「ちなみに、電気も水も使える事は確認済みだぞ。」
音声『何故、公衆電話を?』
音声{ですよねぇ。}
雰囲気ですが、何か?
「プレハブ小屋に水槽を設置する前に、内部をチャチャッと整えちゃおう。」
箱庭の改造の方は、コテージと違って一式配置が出来ないようだ。ちょっとメンドい。
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>建設項目LV1>>
>家具>>
>折りたたみ椅子〈必要霊子5〉
>長テーブル〈必要霊子10〉
>カラーボックス〈必要霊子10〉
>業務用机〈必要霊子15〉
>ステンレス洗面台〈必要霊子20〉
>簡易ベット〈必要霊子20〉
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家具もレベル1だとヒドい。もう仮設事務所ばりの物しかないぞ。
音声{これはまあ、無いよりマシなレベルですねぇ。}
マシとか言うんじゃありません。ともあれ、プレハブ小屋2軒分に簡易ベット以外を設置していく。1軒分で霊子60の消費。2軒分で120の消費だ。
「んじゃ、どこに水槽を設置するかな?」
音声『旦那様、家具の位置はコレでよろしいですか?』
そう。家具は出せるけど、配置は自分でしてね?と言う仕様なのだ。折りたたみ椅子ぐらいなら運ぶけど、洗面台とか業務用机は無理です。非力なんです。そしてE5(エコ)さんは役立たずなんです。
音声{まあ、言いたい事は分かりますね。頑張ってください、御主人様。}
そんな中、やっぱりDSさんだ。軽々と家具を設置してくれた。
「OKだよ!!あ、でも入り口近くに…洗面台を持ってきてくれるかな?」
音声『了解いたしました。』
何故かといえば、運搬しやすくする為だ。それと水槽に水を入れやすくする為だ…あっ!?
水槽を「宝物庫〈Ω〉」から出して気付いた。
「水を…ホースが無い。」
忘れてた!!
音声『旦那様、ワタクシがひとっ走りして取ってきましょう。』
「えっ!?いや、ちょ…」
止める間も無く、DSさんは走り去った。残像がスゴイ。
はぁ、まあ仕方ない。全てが行き当たりばったりだからしょうがないよね。
音声{御主人様、初っ端から躓いてますねぇ。}
「そうね…DSさんが戻って来るまでに、災害避難住宅の方にベットと電化製品を配置しておこうか。」
何があっても良いように、生活できる程度の設備は準備しておくつもりだ。
一旦、俺はプレハブ小屋を出た。
と思ったら、俺の懐から白い球体がフワフワと飛び出した。
「ん?千寿姫か?」
『アイッ!!』
これは俺の「宝物庫〈Ω〉」に普段は引き篭もっている霊鶴の千寿姫だ。千羽鶴から誕生したヤツである。
音声{あら?千寿姫さん、こんにちわ!}
サッと千寿姫が俺の髪の毛に隠れた。千寿姫は極度の人見知りだが、この感じだと、E5(エコ)さんは比較的大丈夫な感じらしい?
『…アイッ。』
雰囲気的に、ペコリと頭を下げた感じ。
「千寿姫も外の世界は初めてだろ?どうだ、白ねこ島はっ?」
と言っても、まだ何にも無いけどな!!ほぼ無人島ですけども。
『アイッ!』
千寿姫は嬉しそうに俺の頭の上を飛び回った。キャッキャ!と言う感じ。
「喜ぶのは良いけど、迷子になるなよぉ〜?」
音声{御主人様って、可愛い子たちには本当に好かれますよねぇ?}
それはどう言う意味でしょうか?ちょっと問い質したいですね。
そんな事より、俺は災害避難住宅の内部に入って家具を乱立させた。
「もぉ…E5(エコ)さんはポンコツだから…はぁはぁ。重いよ…どっこいしょ。」
どうにか簡易ベットを1番奥に移動させることが出来た。御丁寧に布団付きだったので、重さが倍々なのである。これが本当の倍々作戦か?上手いこと言った。
「そうそう、ところで千寿姫。JOLとは仲良くいってるか?タコ兄弟のタコ君も人見知りだから、仲良くしてやってくれるかな?」
『アイッ!』
良い返事を頂きました。さて、次は電化製品だな。
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>電化製品>>
>扇風機〈必要霊子5〉
>電気ストーブ〈必要霊子5〉
>災害用ラジオ〈必要霊子5〉
>小型冷蔵庫〈必要霊子5〉
>掃除機〈必要霊子5〉
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ショボぉぉぉー!?
「予想以上にヒドいラインナップだな。」
『アイ…。』
千寿姫も一緒に落ち込んでくれた。優しい子である。
全ての霊子消費が5なので、合計しても25消費だ。大したことはない。
ここは全部、設置しておこう。
音声{災害用ラジオって意味あります?}
「分からん。」
雰囲気的にカラーボックスの上に置いてみた。でもまあ、多少は見られる室内になったんじゃない?あと、カーテンとか欲しいけど。
音声{ところで御主人様、さすがに無人にするわけにはいかないですよね?誰か駐留させた方が良いと思います。}
「そりゃそうだよね。」
音声{提案します。2L (トゥエル)さんを駐留させましょう!ず〜っと!!}
コラコラ、お前はまたそんな事を…。
『アイッ!!』
うおっ!?まさかの千寿姫が同意とか、2L (トゥエル)風前の灯火!?
「いや、候補としてはJOLとかカア君、イシヒメに頼もうかと思っていたんだが…。」
音声{いえっ!!ここは2L (トゥエル)さんでしょう!!}
『アイッ!!!』
なに、この結託力。どう言う事なの?
女子力に押される俺。
そんな最中に、雷が落雷したかのような衝撃で彼が戻って来た!!勿論、我が家の執事長である。待って、まだ5分ぐらいしか経ってなくない??
音声『お待たせしました、旦那様。』
いや、全然、待ってないから。赤いきつねを食べる時間しか経ってないから!!
音声{チッ…}
ええっ!?この人、舌打ちしましたよ!?千寿姫が「宝物庫〈Ω〉」に引っ込んで、主張が通らなかったからって。
「…あ、ああ、ありがとう。早かったね、DSさん?」
音声『いえいえ、そんなことはありませんよ。超電導の反発力を利用して、電磁砲の要領で加速しただけですから…。』
えっと、俺は何を聞かされているんですか?科学実験ですか?
こうして我が家から持って来たホースを使い、洗面台から水槽に水を補充。巨大水槽2個分なので、それなりに時間が掛かった。
「ホースはココに置いておこう。多分、我が家の方は物質再構成されるだろうし。」
物質再構成されない場合は、このホースが付喪神化している可能性があるが、さすがにホースですから!それは無いでしょう。
音声『楽しみですなあ、旦那様。』
「ああ、今日は充実した1日だったなぁ〜。まだ昼前だけどっ!」
本日の目標、完了。
◇ ◇ ◇
今日の昼食はピーマンの肉詰め。子供には分かるまい、この苦味の美味しさが。
案の定、橘花くんと乙女ちゃんが苦渋の表情だったが…。
そして、時間が経過して秋刀魚倍々作戦の結果発表である。
副音声『旦那様、急いでくれ!』
ビビさんが俺を急かす。急かされたまま、俺は1階のキッチンに急行した。
キッチンの洗面台では、4R (シリュウ)とヒヨコ3兄弟がガヤガヤと騒いでいた。それは冷凍秋刀魚を投入したボゥルだった。
「どうなった!?」
『親方様、ココ達が食べようとしたから怒ったニョロよ!』
え?ヒヨコ3兄弟が?
『ピィ❤︎』『ピュ♡』『ピッ☆』
「ああ、確かに次に機会があったらって言ったけど、すまん。これは販売用だからダメなんだよねぇ…。」
ガックリとヒヨコ3兄弟は項垂れた。可哀想だけど、仕方ないのよね…。
『だから言ったニョロよ!!お前達にはまだ早いニョロよっ!!』
「4R (シリュウ)、そんなに怒るなよぉ。ごめんな、来年の秋まで待ってくれ!この通りっ!!」
もう俺、平謝りである。
そして、それよりも重要なのは、半分にぶった切った冷凍秋刀魚が見事に復活していたのである!!
「半身で泳いでるってオチじゃあるまいな?」
副音声『大丈夫だぞ、旦那様。ちゃんと全身が再生しているぞ。』
ビビさんの太鼓判である。なら安心だ。
ボゥルの中で新鮮な秋刀魚がビチビチッ跳ねているわけだ。水飛沫がヒドい。
「…倍々作戦の目処が立ったな。これで何とかなりそうだぞっ。」
さて、この秋刀魚だが、その日にうちに俺が生産区画の、あの例のプレハブ小屋の水槽に持って行こうとしたのだが、DSさんに却下された。
音声『旦那様、今何時だと思っているのですか?』
「え?夕方の6時かな?」
音声『ダメですね!こんな時間に旦那様を外出させる訳には行きません。ワタクシが行ってきますのでっ!!』
どこの中学生でしょうか?門限6時とかっ??
音声{DSさんは過保護すぎます…ボソッ。}
音声『何かっ??』
音声{ひっ!?}
有無を言わせぬ口調でDSさんは秋刀魚をバケツに移し、あっという間に行ってしまった。いや、あの速さなら助かるけども、本格的に専属のメイドを造る必要性があるぞ、こりゃ。
副音声『運搬だけなら、イシヒメと私で分担しても良いぞ、旦那様?』
そうは言うビビさんだけどね、最近はビビさんの負担が増えてるからなぁ。
「それはまた考えるとして、冷蔵庫の中の秋刀魚は補充されたかな?」
副音声『うむ、物質再構成されているぞ。それと、半身を入れた方も記録されたんじゃ無いかと思うぞ?もう少し様子を見るか?』
「半身の方は、12時間だと不安だから、24時間に延長してみよう。明日の朝に解凍してくれ。それと、再生した秋刀魚は3当分して、頭側を再び冷蔵庫に戻してくれ。」
と言うことで、次に解凍する秋刀魚は3分割したもののうち、腹部分と尻尾部分だ。
まだ軌道に乗ったとは言い難いが、こうして秋刀魚倍々作戦は無事に幕を切った。
明日の朝が楽しみである。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈秘匿種(真人)〉
階級〈地祇〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈31.0+〉※変化無し
戦闘力 726+12
防御力 644+12
生命力 640+12
回避値 592+10
知能値 90+2
器用値 25
魔力値 962+20
無属性666+10
地属性698+10
固有能力
竜脈適正「最高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
全能神の祝福
異種言語LV1
宝物庫〈Ω〉
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治 隠密 命名 還元 猫愛
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属召喚
眷属送還
眷属探知
眷属鑑定
竜脈の盾
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
2L (トゥエル)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
シマ
カア君(若彦)
乙女ちゃん
ユズリハ(野良ネズミさん)
紅葉
菅原くん
橘花くん
リコピン
JOL
葉蘭
水引
称号
竜脈使い
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
小型「電子情報枠」
種族〈電脳媒体〉
階級〈生命樹分体〉
属性:電子属性20
カテゴリー〈2.5+〉
耐久値:500
南国風シャツ〈服〉
属性:化学繊維LV20〈通常級〉
付与効果:リゾート気分〈微〉
保温効果
物理抵抗
耐久値:25
ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久強化
耐久値:60+α
◆ ◆ ◆