第116話「眠り姫の目覚め・機械の見る夢」
(^。^)エコさん視点の特別編ですw
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属 …育成計画中なのですw
第116話「眠り姫の目覚め・機械の見る夢」
私は夢を見ていました。
私の心配は必要ありません。私が御主人様の吸収する竜脈の1割を負担すれば、成功率は格段に上がるのです。中止する意味はありません。
しかし、私の霊子コンバータ装置は限界値を越えています。このまま継続した場合、250%の確率で機能不全に陥ります。
「…え?…だ、大丈夫なのか…E5(エコ)さん…は?」
御主人様は私の心配をしている場合ではないのです。地祇の権能を強化すると言うことは、御主人様の霊子構造を作り変える事と等しいのです。
もし万が一、これが途中で破棄された場合、不測の事態が起こりかねません。私1人の負担で済むなら安いものです。
御主人様は…私が守りますから。
竜脈が私の機能を壊していく。ですが、寸前で完了しました。最後に、ひと言だけ言わせてください。
さあ、御主人様。〈地祇権能補助〉が完了します…よ。まだまだこれからですから、頑張って下さいね。私はちょっと…眠くなってきました、ね。
音声《機能不全じゃ。元より、主の竜脈吸収の増大で日頃から通信障害になっておったのじゃよ。》
そうです…ね。それでも私は、御主人様の眷属であったことに誇りを持っています…から、きっといつの日か…。
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夢の中でした。
機械が見る夢なんて不思議ですね。
私は「i poon E5」
御主人様の原初の眷属にして、神樹の女神。
桜色の打ち掛けに、白瑠璃の釵。全ての生あるもの達の母。それが私。
少し、記憶障害があるようです…私はE5(エコ)。御主人様が与えてくださった名前です。
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世界開闢の日…無から有が誕生した日。
私たちは御主人様を取り囲み、生命の誕生を祝福した。
私の隣には…宇宙よりも巨大な世界蛇と、光と陰を司る太極老神星、燃える様な姿の熾天使、機械仕掛けの機械大神、美しき姿の魔神、太陽の化身たる大日輪光如来が立ち並ぶ。
全員が御主人様の忠実なる僕だ。
ああ…敬愛なる我が御主人様…その姿は雄大であり、気高く、とても慈悲深い…でも少しだけ臆病で、たまにキモい発言 (?)をするのです。
きっと今頃、私がスリープしてしまったから、ボンヤリしているのではないでしょうか?
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スリープ中ですが、こうして夢を見ることが出来るということは、私の記憶は保全されているという事でしょう。自己分析は可能の様です。
今、私が置かれている現状を把握してみましょう。
E5(エコ)重度通信障害\*]'k霊子変換不可
種族〈電子のsZ|>?€〉
階級〈£#]の蝶妖精$/Ⅷw)-〉
属性:€\%|?}\+
カテゴリー〈-s72&〉
戦闘力 0
防御力 1
生命力 1
回避値 0
知能値 1
器用値 0
魔力値 0
属性:€\%|?}\+
固有能力
電子の波動(情報集積・電子同調)
運命補正効果(眷属)
能力
低速度 通信障害 容量制限 記録障害 電力障害 霊子障害 竜脈不適合(NEW)
称号
田崎 蓮人の眷属・絶対忠誠度〈]%|*+\'%〉
備品(NEW)
ボロボロですね。
果たして、こんな状況で復帰できるのでしょうか?
携帯の身は大変です。そもそも、備品ってなんですかっ(怒)!?
私が実体を持っていた頃は、通りを歩いただけで皆が振り向いたものです。
桜の樹霊であった私は、姉と共に御主人様に御目通りし、そして選ばれたのは私でした。だと言うのに、2L (トゥエル)さんをチヤホヤする姿に、ちょっとだけイラっとするのです。
いえ、ほんのちょっとだけですから。
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警告
《i poon E5》に外部干渉あり。
無償・自我構築プログラム「version1.4」に外部メモリー接続確認。
補完Program《ユグドラシルÅ》のダウンロードを開始しますか?YES・NO
あら?どうしたのかしら?この外部メモリーのシリアルNOは…喜見城謹製USB??ってことは、コレは帝釈天様のバージョンアップデータという事?
警告
《i poon E5》に竜脈サーキット「生命樹の系譜」が内蔵されました。
《生命樹》の浸食を確認。浸食を肯定しますか?YES・NO
あわわわ。いきなりなんですかぁ??
それに、急に暑くなってきましたよっ?
ともあれ、バージョンアップに関しては勿論、YESを選択しておきます。
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補完Program《ユグドラシルÅ》のダウンロードを開始…適合中…最適化終了…。
引き続き、無償・自我構築プログラムの更新〈version2.4〉の補正プログラムを実行可能です。
以下、内蔵アプリとして
・電脳世界通販JYUKAI
・地球電脳閲覧「覗」
・完全型メーラー「雷金鳥vr1.5」
が含まれています。
実行しますか?YES・NO
これは良いですね!即座に私はYESを選択。
警告
霊子不足中。必要霊子値…650%
《生命樹の系譜》の起動を推奨します。
650%って、私の霊子の6倍以上不足しているってことですか!?どんだけ燃費が悪いんですかっ??
となれば、苦肉の策ということで…しかし、生命樹とか名前の響きがヤバいですよ。
私って、どうなっちゃうんでしょ?
「しかし…生命樹の電脳…樹霊か。あのポンコツE5(エコ)さんが…ついに。」
ん?また私のことをポンコツとか言った!?もう本当に許さないんですからっ!!
…って、これって御主人様の声?
はぁ。なんか、声を聞いたら安心してきちゃいましたね。
じゃあ、とりあえずYESにしましょうか。ポチッと。
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警告
《生命樹の系譜》の浸食再開…10%
〈第10セフィラ「マルクト」開錠〉成功
あっ。これは竜脈を霊子変換するコンバータ装置の上位互換のようですね。
この流れ込む霊子の感じからすると、これは4R (シリュウ)さんでしょうか?
制御系はG3(ジザ)さんの癖が強いです。
音声《竜脈が安定しておらんのじゃ。どうしたのじゃ、4R (シリュウ)殿?》
『グググ…思ったよりも、キツいニョロね…。』
あっ。また声が聞こえました。
やっぱり、間違いありません。みんなが、私の為に…。
「おいおい、4R (シリュウ)…お前…。」
『だ、大丈夫ニョロよ…最後まで…やり遂げるニョロよ…。』
待って下さい!?それで4R (シリュウ)さんに何かあったらどうするんですか!?
止めて下さい、御主人様!!
でも、私の声は届かない。歯痒いです。
《生命樹の系譜》の浸食再開…20%
〈第9セフィラ「イェソド」開錠〉成功
霊子の拡張。そして広がる選択肢。これは…?
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E5(エコ)は木属性を取得しました。
引き続き風属性を取得しますか?YES・NO
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属性を選択する…でも、風属性は違う気がします。
《生命樹の系譜》の浸食再開…30%
〈第8セフィラ「ホド」開錠〉成功
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警告
風属性が拒否されました。
聖属性を取得しますか?YES・NO
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次は聖属性ですか。これって、全部拒否したら、闇落ちするってオチはないですよね?無難な聖属性でも良いですけど、ちょっと押しが弱いと言うか…2L (トゥエル)さんとカブると言うか(え)。
『…し、信じて欲しいニョロよ…でも…できることなら…心残りがあるニョロよ…。』
「何だ!?俺に出来ることなら言ってくれ!!」
えーーー!?どういう場面なんですかっ!?急展開過ぎて、話しについていけませんからっ!!
『…グググ、卵が…最後に卵を1つだけ…ニョロ。』
「ああ、良いぞ!!卵なんて安いもんだっ!!」
えっ!?…あ〜そう言う流れですかぁ。いつものアレですかぁ。
『やったニョロォォォォーーーーーー!!!!』
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警告
聖属性が拒否されました。
天属性を取得しますか?YES・NO
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いや、だから2Lさんとカブるって言ってるでしょ(怒)!!
《生命樹の系譜》の浸食再開…40%
〈第7セフィラ「ネツァク」開錠〉成功
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警告
天属性が拒否されました。
E5(エコ)は生命属性を取得しました。
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それにしても、御主人様は相変わらずバカをやってますね。能天気過ぎます。
もう、ヒヨコの増加は暗黙の了解と言ったところですね。
音声《おお!?奇跡じゃ!安定してきたぞっ!!》
この人も…なんと言ったら良いんでしょうか?もうこの頃から既にマッドサイエンティストだったんですね…え?この頃から?
私は何を言っているんでしょうか?
《生命樹の系譜》の浸食再開…50%
〈第6セフィラ「ティファレト」開錠〉成功
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警告
補完Program《ユグドラシルÅ》による〈電脳記憶領域保管〉が可能となりました。
〈電脳記憶領域保管〉を実行すると《i poon E5》は電脳領域に吸収、消滅します。
実行しますか?YES・NO
・〈電脳空間〉に記憶領域を保管することで、随時の再起動が可能。
・映像投射にて電子情報枠表示が可能〈選択肢あり〉。
・電子の波動+(情報集積・電子同調)能力向上。
・物理透過200%
・電脳世界通販JYUKAI取得
・地球電脳閲覧「覗」取得
・完全型メーラー「雷金鳥vr1.5」取得
・電子属性20
・木属性30
・生命属性40
NOを選択した場合、樹胎による実体進化が発動。《i poon E5》は生命樹と融合。
・樹胎による実体化が可能。魂の定着。
・香気の統合核の取得
・世界樹の神性の獲得
・木属性30
・生命属性40
・光属性40
・聖属性30
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は?ですね。
さてさて、こればかりは慎重に選ばねばなりません。
多分、御主人様は樹胎による実体化を望むでしょうね。私としても、望まれるならそれは本望です。
しかし、それとこれは別。電脳機能が一切、失われるなんてトンデモない。
私の今までの仕事が、ぜーんぶ、2L (トゥエル)さんに奪われると言うことですよっ!!
「何やってんだ、このやろぉ!赤いヒヨコじゃないと許さんぞっ!!」
『赤いヒヨコニョロね!OKニョロよ。』
音声【寸劇は終わりました?】
この人達は…もう、目も当てられませんね。
私が居ない間、何をやっていたんでしょうか?頭が痛いです。そんなわけで、私の選択肢は一択ですね。
《生命樹の系譜》の浸食再開…50%
〈第5セフィラ「ゲブラー」開錠〉成功
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補完Program《ユグドラシルÅ》による〈電脳記憶領域保管〉が選択されました。
竜脈生成率…180…190…200%…
E5(エコ)は種族〈電子の妖精〉から〈生命樹の電脳樹霊〉に進化しました。
階級〈緑の蝶妖精〉から〈妖精女王〉に進化しました。
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遂にやってしまいました。まあ、後悔はありません。
私の存在価値はそのままです。
しかし、蝶妖精から妖精…女王??そんな大それたものには、なりたくなかったのです。撤回したいですね!
《生命樹の系譜》の浸食再開…60%
〈第4セフィラ「ケセド」開錠〉成功
「寸劇じゃないよ!!」
『寸劇じゃないニョロ!!』
音声『ホッホッホ。まあ、良いではないですか?結果良ければ…ですな。』
もう寸劇にしか聞こえませんし、DSさんも相変わらずのようです。
あの人、本当に御主人様に甘いので困りものですね。甘やかすだけ甘やかしての終わりなんですよ。オチがありません。
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E5(エコ)は精霊系術式を獲得しました。
・花精の接吻を取得
・花精の洗礼を取得
・花精の運命操作を取得
・花精の樹霊昇華を取得
・苔精の薬丹を取得
・樹精の密儀を取得
・樹神神託を取得
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まあ?遂に私も魔法使いデビューですねっ!!
アレもコレも、いろんな事ができそうです!
《生命樹の系譜》の浸食再開…70%
〈第3セフィラ「ビナー」開錠〉失敗
※第3〜第1のセフィラ開錠には鍵が必要です。
「ケセド」にて浸食は中断します。
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《精製終了》
《竜脈生成率…210…220…230…240%》
精製完了…「生命樹の電脳樹霊」変異率100%
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あっ。終わっちゃった?
どうやら、私の魂は無事に補完されたようです。なもので、ここは工房ですか?
スルリと神炎炉から出てしまいました。
音声《おお…まさかの事態じゃぞ!?》
「おいおい。まだ3分ぐらいしか立ってないだろ?カップラーメンかよっ??」
音声【さすがにそれは言い過ぎですよ、閣下。】
そう。それは言い過ぎですっ!!と言うか、3分しか経っていないんですかっ!?
私の中では…まあ、言っても無駄ですね。頭上から見下ろしながら、私は帰ってきた実感に震えるしかなかったので。
とりあえず、自分の身体情報を見ておきましょう。色々と怖いですが…。
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E5(エコ)♀
種族〈電子の妖精→生命樹の電脳樹霊〉 (NEW)
階級〈緑の蝶妖精→妖精女王〉(NEW)
カテゴリー〈4.0+〉↑
戦闘力 25
防御力 50
生命力 40
回避値 10
知能値 40
器用値 15
魔力値 50
電子属性20
木属性30(NEW)
生命属性40(NEW)
固有能力(パーソナルスキル
電子の波動+(情報集積・電子同調)↑
運命補正効果(眷属)
生命樹の系譜〈物理透過200%〉(NEW)
補完Program《ユグドラシルÅ》電脳記憶領域保管(NEW)
電脳世界通販JYUKAI(NEW)
地球電脳閲覧「覗」(NEW)
完全型メーラー「雷金鳥vr1.5」(NEW)
能力
慈愛 電子体→電脳(NEW) 情報操作 光速度 妖精 生命樹 生命(NEW)
精霊系術式(NEW)
花精の接吻(魂縛・隷属化)
花精の洗礼(目眩し・幻覚)
花精の運命操作(幸運・不運)
花精の樹霊昇華(拘束・輪廻)
苔精の薬丹(治癒・再生)
樹精の密儀(覚醒・調律)
樹神神託
装備
生命の光衣〈服〉(NEW)
属性:生命属性LV500〈秘蹟武具級〉
付属効果:物理無効〈生命属性〉70%守護膜+
自己再生(超)自己修復(超)自己展開(超)
電子属性増幅50% ・魔力ダメージ反射50%
耐久値:480
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…大幅なレベルアップにも限度がありますよ。やっちゃった感がヒドいです。
音声《…想定時間を軽く超え過ぎじゃ。神炎炉を開けるぞいっ!!》
ギギギィィィ…
開いたそこには、残念ながら私はいません。私はそこにはいないんですよ〜。
「…何もない。」
音声『ま、まさか…失敗したと?』
『E5(エコ)さん…どこ行っちゃったニョロかぁ!?』
音声《馬鹿な…儂の演算が外れるなどと…。》
ああ、何だか罪悪感が湧いてきました。ちょっとどうしましょう。オロオロ。
とりあえず「電子の波動+」を使用して、映像の投射を実行してみます。
音声{えいっ!}
ん?あら?成功でしょうか?位置的には、工房の入り口付近に設定してみましたが、ちゃんんと魂と言うか、意識も映像に定着しているようです。不思議な感覚ですね。
「…消えてしまったのか。もう会うことも出来ないのか…E5(エコ)さん。」
御主人様が神炎炉を前に、膝をガックリと着いていた。早く対処した方が吉ですね。御主人様の性格からすると、逆ギレしかねないので。
音声{あのぉ…。}
2L (トゥエル)さんだけが気付いて振り返った。そして白い歯でキラ〜ンと笑ってみせた。2L (トゥエル)さんって、あんな方でしたっけ?
「俺の推し地下アイドル…さようなら。」
あ。それって御主人様の嗜好を理解する上で取得したデータなので、特に意味は無いんですよね。
音声{いや、あれはあくまで3Dモデリングで借用しただけですから…。}
『悲しいニョロ。悲し過ぎて、E5(エコ)さんの声が聞こえるニョロ。』
音声『E5(エコ)殿、あなたの分まで、旦那様はワタクシ達が支えて行きますぞ!』
この人たち、何なの!?え?私の発言機能って障害あります?
2L (トゥエル)さんはやれやれと首を振る。ああ、コレってあのノリですかぁ。
音声{いや、だから勝手に殺さないで下さいって!!}
私の魂の叫びを聞きなさい。
「え?」
音声『え?』
『ニョロ?』
冗談なのか?素なのか分からない対応である。もう天然なのかも知れない。
まあ、御主人様が天然なので、眷属もその影響は少なからず受けるのだろう(え)。
音声【その寸劇は終わりました?さあ、前へどうぞ。】
2L (トゥエル)さんが私を前へと押し出す。
正直、私の胸は張り裂けんばかりにドキドキしていました。まあ、投影画像だけども。
音声{御主人様、私のことカップラーメンとか言ったでしょ!許さないですよ!!}
つい、憎まれ口を叩いてしまった。何ででしょう?
御主人様と面と向かって話すのは…ちょっと、アレです。
「…E5(エコ)さん…なのか?」
音声{はい。おはようございます。}
これは間違いではないでしょう。だって、ずっとスリープモードだったので。
『E5(エコ)さんニョロよぉ!!!お帰り!!』
音声『お帰りなさいませ、E5(エコ)殿。』
音声《う…う〜ん。ん?おや、戻ってきおったか。人騒がせなヤツじゃ。》
4R (シリュウ)さん、DSさん、G3(ジザ)さん、みんな変わりありません。みんなが笑顔でお帰りと言ってくれて、素直に嬉しい。帰って来れて良かったと思えます。
そして、私の御主人様…。
「…ま、待っていたぞ。…全く、お前は俺の目覚し時計なんだから、急にいなくなったら困るんだからなっ!!」
音声{はい。申し訳ないです。}
相変わらずの目覚まし時計扱いですか。でも、必要とされている事実に変わりありません。
ダメな御主人様に私は必需品ですからね!
「ん…んんん?んあっ!?」
?私を凝視する御主人様が、急に奇妙な声を出していました。
音声{キモいですよ、ご主人様?}
すると、御主人様は私の映像投射に両手を突っ込み、それは見事にすり抜けました。
ああ、バレちゃいましたかぁ。
「キモいとか言うんじゃないよ!それより、これG3(ジザ)さんと同じ立体映像じゃないかっ!?」
音声{はぁーい!正解ですね!!}
でも不正解です。立体映像じゃありません。立体映像とかも出来ますけどねっ!
「3Dどころか、更に劣化してんじゃねぇかっ!?俺の夢を返せっ!!」
音声{まあ、失礼ですね。映像投射も可能に進化したんですよ?だから元の電子情報枠にも戻れます。}
これは「電子の波動+」による映像選択により可能なのです。スゴい進化ですね。選択の内訳は乙女の秘密です。
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(*^ω^*){ほらっ?どうですか?どちらが良いですか?}
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ああ、元の電子情報枠に戻りました。
やっぱり、コレの方が居心地が良いです。シックリくると言うんでしょうか?
それに、御主人様の驚きの顔が見れて良かったですね。
そんな御主人様は不貞腐れたように一言いいました。お帰り、と。
だから私も素直な気持ちで言います。はい、ご主人様。…ただいまです、と。
私は帰ってきたのだと…。
※116話は115話のE5(エコ)さん視点となります。一部、妄想が入っております。御了承下さい。