第110話「千羽鶴完成・その魂の行方」
我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属 …育成計画中なのですw
第110話「千羽鶴完成・その魂の行方」
竜脈生活77日目。
いつの間にか、ケチャップ派なるものが誕生していた事実の発覚。
そしてケチャップ派はヘルシーであると主張する。
「ヘルシーなわけないじゃん?あれはただのリコピン贔屓だよね?」
『フニャ?』
俺の愚痴を、ルル君は賢い顔で聞いてくれている。青い瞳がとても綺麗だ。
そんなルル君の頭をイイコイイコして俺は寝っ転がった。
今日の屋上は穏やかだ。たまには雨も乙だが、我が家に雨は降らない。何故なら、我が家の太陽は邪神さんだから。
o(`ω´ )oピカッ!ピカッ!
しかし、こう考えると邪神さんってのも、不憫ですね。こんな狭い場所に閉じ込められて、いつ出れるかも分からない。ああ、でもそれは俺も一緒か?ある意味、俺も邪神みたいなものか?
『フニャ。』
ルル君が俺の身体にぶつかって、横で丸くなった。一緒に日向ぼっこをしてくれるらしい。
ああ、とても良い気分だ。
こうして青い空?空間を見つめていると、色々あったなぁ〜と思う。順調ではあるが、やっぱりE5(エコ)さんが居ないのは物足りない。
『モノオモイニ…ヒタッテイルノカ?』
おや?いつの間にか大鴉のカア君が側にいた。ちょっとウトウトしていて気付かなかったよ。
「やあ、カア君。カア君は神様だから、ず〜と長い間、生きて来たんでしょう?」
『フム…ヤブカラボウニ、ドウシタ?』
カア君は不思議そうに目を細めた。
「俺は平凡な人間だからなぁ。こんな竜脈の中に閉じ込められて、どうする事も出来なくて、ここで生きて死ぬしかないんだろうけどさ。残された者達はどうなるのかなぁ?なんて思っててさ…。」
『ホウ。タシカニ、ナ。シカシ、カミトテシヌゾ?』
えっ?神って死ぬの?そう言えば、神とは言ってもカア君の場合は罰を受けていたんだっけ?
「まあ、いつかは死ぬとしてさ、このルル君だって進化して天使になるって言うし、蟻でさえ妖獣になっちゃうんだよ?つまり何を言いたいかと言えば、俺はこの子達を残して先に死ぬのが辛いんだ…。」
その前に、この子達だけで生きて行けるようにしなければならない。今は良いかもしれないけど、俺が居なくなった後の事を考えなければならない。
『フム…ン?…イヤ、サキニシヌトカ、ナイダロウ?』
「え?」
カア君は何を言っちゃってるんだろう?俺みたいな凡人、精々、あと40年が関の山ですよ?天使より長生きするとか有り得ないから。
『ジュミョウハ…セイメイリョクニ、ヒレイスル。ステータスヲカクニンシテハ、ドウカナ?』
え〜と、寿命は…生命力?に比例する…で、正しいのかな?しかし、E5(エコ)さんがスリープしてから自分の身体情報とか見てないし。そもそも、あの情報ってちょっと怪しくないか?
「カア君の冗談は置いておいて、このままず〜っと、俺はココにいるんだろうか?」
『…サテナ。』
さすがのカア君も、それは分からないかぁ。
『ク〜ン。』
うわっ。くすぐったい。ペロっと舌で顔を舐められました。
誰かと思えば、黄色い子鹿の號竜だ。
「あれ?號竜じゃないか。どうしたんだ、お前?」
珍しいな。普段はクロちゃん弟との仲睦まじい感じで、俺は割って入れない感じだけども。
だって、そもそもはウン百万円もの我が愛車だ。黄色いニクいヤツである。
『クィィ〜ン!!』
「そうか…お前も、俺の事を心配してくれるのか。こんなに頼りない俺だけど、元の持ち主として認めてくれるのか。」
可愛い顔を、俺の脇腹に擦り付ける號竜の姿に、俺は満更でもないと笑顔を浮かべた。
『…イヤ。カレノアルジハ、イマモキミダヨ。キット、キミガメイジタカラ…。』
俺が命じたから、クロちゃん弟の乗騎になったと?
『ナ〜。』『ブモォ。』『ブヒィ〜ン。』
おっ?トマト猫のリコピン、それに精霊牛、精霊馬まで集まって来たぞ。
「お、おい。お前ら、やめろって。くすぐったいぞ?」
一体、どうした事か?揃いも揃って、みなで俺の顔をペロペロと。
そして俺を囲んでスヤスヤと眠り出す。これ、どういう状況だ?ギュウギュウ詰めだけど、とても暖かくて良い気持ちだ。
『なんだ、あんちゃん?みんなでおしくらまんじゅうか?』
またして珍しいヤツが来たな。1人で屋上に顔を見せるとは。
「お?BRじゃないか?監禁解除か?」
『5日間もグルグル巻きとかヒドイよ。俺はぬいぐるみボディだから大丈夫だけど、ハッちゃんと金さんは死にそうになってたぞ?』
そう。あの廊下がチョコレートでベトベト事件から5日間、諸悪の根源である3名は拡張物置部屋にて監禁グルグル巻きの刑に処せられていたのだ。
「自業自得だからな…まあ、誰もDSさんを止められないし、とりあえず静かにしろよ。みんな寝てるからな。」
『オイラ、ちゃんと空気読むから大丈夫だって。』
この紫色のタヌキから空気を読むと言う言葉が出たことが驚愕だ。成長したものだ。
「そうそう。JOLには会ったか?カボチャ男だ、仲良くしてくれよ。」
『え〜?なんかニャイの手下みたいになってるぞ?なんか暗いヤツだぞ。』
そう言うことを言うんじゃないよ。明るければ良いというもんでも無い。
しかし、ニャイとは相性が良さそうなJOLなので、階段室警備部の部員として動員しても良いかも知れん。
諸悪の根源3人衆の抑止力となりうるな。
『あんちゃん、悪い顔してるぞ?怖いぞ。』
「失敬な。俺は我が家の安泰しか考えていない、それは素敵な家主だぞ?」
自分で言ってて恥ずかしくなった。それを見てカア君が笑う。
のどかな風景だ。
「そうそう、やっと今朝、ミミちゃんが猫の小判を引いてくれたんだよ。これで残すは千羽鶴だけになった訳だけど…嬉しくてミミちゃんをつい、モフりまくったら気絶しちゃったけども。」
『あら?私も地祇様の手で気絶したいわねぇ。うん、冗談よ。』
何てことを言い出すんだ、この八手め。今日は観葉植物6姉妹の中で八手が巡視役のようで。
「お?八手も一緒にダラダラして行くか?」
『そうね。たまには良いかも知れないわね?私も分担の折り鶴は作り終わっちゃったし。』
そう言えば、早ければ今日中に千羽鶴が出来るとか乙女ちゃんが言ってたっけ。
よくもまあ、みんなで頑張ってくれた。
「みんなには感謝しているよ。葛葉達にも伝えておいてくれ。」
『あらやだ。地祇様の口から言った方が良いわよ。それにしても、私たち人型の精霊が霊力を込めた千羽鶴…アレ、ちょっとヤバいんじゃないのかな?』
え?ヤバい…?純エルフの見た目の八手の口から思わぬ言葉。
「ちょっと待て。アレはただの折り鶴だろ?」
『あんちゃん。アレはオイラが見てもヤバいぞ。それが千羽も集まったら、何が起こるか…面白そうだけどな!』
とは言え、千羽鶴は既に「竜脈サーキット」の精製に使用すると確定しているのだ。
「そうか…だが俺には、クロちゃん弟の折り鶴がある。」
グチャグチャな折り鶴だが、一生懸命に折ってくれた折り鶴が「宝物庫〈Ω〉」に眠っているのだ。俺の宝物だ。
『ナルヨウニシカ、ナランサ…。』
大人なカア君の言葉。深いです。
そして、しばらく俺たちはダラダラと日向ぼっこをして過ごした。
いつの間にかハナちゃんが俺の腹の上で寝ていた。ハナちゃんは猫なのに、とても良い香りの花の匂いがする。まさにアロマな感じであった。
ああ、俺は今日も幸せだ。
◇ ◇ ◇
不意に目を覚ました。
何だろう?この感じ。いや、悪い感じじゃないけども。
號竜たちの暖かさに囲まれて、ハナちゃんのアロマに癒されて、俺は幸せの中にいた。
そんな俺の目の前に、フワフワと白い球体が浮いていた。興味深げにソレは俺たちを見ている。
まあ、正直、何だコレ?な俺たちの状態ではある。
だって、麒麟やトマト猫がお腹を出してグーグー寝ているし、カア君もうつらうつらで、BRは大いびきだ。八手はそんなBRを枕がわりにしている。ツワモノだなぁ。
そして俺のお腹の上にはハナちゃんが乗り、なぜかその上に女王蟻の葉蘭までうたた寝中。護衛役の蟻の水引は土霊族のチョメ君のお腹の上で寝ている。
「チョメ君、いつの間に来てたんだ?」
『…チュ…?』
『うーん。重たいよぉ。あんちゃん、助けてぇ。』
ん?寝言か?
『地祇様ぁ…逃げてぇ…。』
おいおい、誰から逃げるんだよ?どんな夢だよ?
「…と言うか、君はどこから来たのかな?」
白い球体はポヨンポヨンと揺れる。白いモヤモヤとかは馴染みがあるんだけど、ちょっとコレはなんか違うな?どっちかって言うと、菅原くんが電霊だった頃のアレと似た雰囲気だ。
『……。』
声が小さくて聞き取りにくい。意思はあるけど、まだとても小さい感じで。
「こんにちは。俺は田崎 蓮人だ。我が家の家主だよ。」
『…。』
おっ?白い球体はいきなり消えてしまった。なんだったんだろう?
『兄上ぇ!!千羽鶴が完成しましたよっ!!』
『出来たよ、お兄ちゃん!!!』
怒涛の勢いで乱入して来たのは、我が弟たちと、そして乙女ちゃんだった。
そんなだから、俺たち日向ぼっこ組は跳び起きる羽目となったわけで。
『あら、兄さん?なんなの、この状況?みんなに好かれてるのね?』
「ふふふ。羨ましいだろ?なぁ、リコピ〜ン。」
俺はリコピンを抱き上げてやった。赤い手足がバタバタともがいている。赤いけど、ちゃんと猫なんだよね。
『ナー。』
『ああ!?私のリコピンを返してっ!!』
返しません。俺は逃走を開始した。はぁはぁ。ものの5分で力尽きたけども。
『あんちゃん、体力ねぇなぁ。』
クソ。この紫色タヌキめ。
『お兄ちゃんは僕が守るもん!!』
良い子だね。橘花くんは男前だよ。
『兄上殿。千羽鶴ですよ。受け取って下さい。』
あっ。すっかり忘れてました。俺はクロちゃん弟から千羽鶴を受け取った。
それはズシリと重い。いや、この重さは別の意味でもある。
何と言うか、受け取った瞬間に先ほどの白い球体の正体が分かった。
「千羽鶴の…魂かな?よく分からないけど。でも…。」
ともあれ、俺はみんなに感謝した。
この千羽鶴の魂がどこへ行くのかは分からないけれども。そして、果たしてコレを精製に使用してしまって良いものなのかも?
『兄さん、これは私たちがE5(エコ)さんを復活出来るようにと、祈りと霊力を捧げて作ったものよ。その為なら、この子も喜んでくれるわ。』
乙女ちゃんの言う、この子ってのは、千羽鶴に宿った魂のことだろう。クロちゃん弟も力強く頷いた。
「そうなのかな…?」
今はただ、そう答えるしか出来ない俺だ。千羽鶴を持って、俺は3階に戻った。
自分の寝室の壁に吊るしておこうと思ったのだ。せめて少しの間でも、そばに置いておきたい。そんな気持ちだったのだ。
『ニャ?』
壁に吊るした千羽鶴を、不思議そうにミミちゃんが見上げている。ミミちゃんはずっと俺のベットで寝ていたようだ。
「みんなの気持ちはありがたいけども…。」
俺はそっと「放物庫〈Ω〉」から、クロちゃん弟のグチャグチャ折り鶴を取り出してみた。
俺の宝物の折り鶴だ。見てると何だか涙が出てくるな。
『ニャ〜。』
「ああ、大丈夫だよ。きっと何とかなるさ。」
ミミちゃんを心配させるわけにはいかない。俺は自分に言い聞かせるように言った瞬間、あっ!?千羽鶴からピュ〜〜っと白い球体が飛び出して、クロちゃん弟のグチャグチャ折り鶴に吸い込まれてしまったのだ。
「えっあっ!?こりゃ大変だ!!」
俺はすぐにグチャグチャ折り鶴を「宝物庫〈Ω〉」に戻した。
何が起きたのか?そしてすぐに電子情報枠を開いて確認した。
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《宝物庫〈Ω〉展開》
在庫:22種類
◯1万4千964神貨
◯グチャグチャ折り鶴〈千羽鶴の魂が宿った折り鶴〉
◯ポイントカード「万華月」〈異世界産業クレセント60ポイント〉
◯小判〈500円玉等価交換〉(×1)
◯損害賠償目録〈八幡宮総括本部対応残りポイント100〉
◯五色の勾玉〈朱〉〈相生相剋へと導く因子〉
◯竜宮城割引チケット×5〈お得な割引チケット〉
◯第六周期複合鋼の大太刀(火)
◯騎士盾槍・第六周期複合鋼ロング・スピア〈小型〉
◯第六周期複合鋼製の針(×8)
◯第六周期複合鋼の扇子〈菊華模様〉
◯第六周期複合鋼・軟鋼弓〈小型〉
◯第六周期複合鋼の大楯〈星〉
◯第六周期複合鋼の鞍 (×1)〈小型〉
◯水風船〈神の遊具〉
◯練丹〈下級仙薬〉×3
◯大黒天の福札〈福を呼ぶ御札〉
◯毘沙門天の武札〈武勇を助ける御札〉
◯弁天の楽札〈楽の才を導く御札〉
◯福禄寿の寿札〈寿を司る御札〉
◯寿老人の命札〈命を延命する御札〉
◯布袋の運札〈運命を超える御札〉
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…千羽鶴の魂が移動していました。しかしコレ、他のみんなには秘密にしておいた方が良いだろう。見た所、吊るされた千羽鶴に残った力?は健在のようだし、そうそう気付かれまい。
「ミミちゃん、今起きたことはみんなに内緒だよ!」
『ニャ!』
俺とミミちゃんとの約束である。
◆ ◆ ◆
田崎 蓮人
種族〈秘匿種(真人)〉
階級〈地祇〉
所属国〈災害竜脈の地〉
カテゴリー〈25.0-〉
戦闘力 572+12
防御力 500+12
生命力 496+12
回避値 472+10
知能値 66+2
器用値 25
魔力値 722+20
無属性546+10
地属性578+10
固有能力
竜脈適正「最高位」
幸運の加護
雷霆の守護
世界卵の選別
蓬莱の恩恵
王桃の系譜
全能神の祝福
異種言語LV1
宝物庫〈Ω〉
能力
打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子
統治 隠密 命名 還元 猫愛
召喚系術式
契約
契約破棄
契約鑑定
召喚
送還
眷属召喚
眷属送還
眷属探知
眷属鑑定
竜脈の盾
眷属
E5(エコ)さん
DS (ディス)さん
4R (シリュウ)
G3(ジザ)さん
2L (トゥエル)
契約
ルル君
金さん
チョメ君
ミミちゃん
シーちゃん
ミチ
花子さん
タロさん
ロンちゃん
クロちゃん
ハナちゃん
ハッピー
シマ
カア君(若彦)
乙女ちゃん
ユズリハ(野良ネズミさん)
紅葉
菅原くん
橘花くん
リコピン
称号
竜脈使い
装備
魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉
属性:中炭素鋼改LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:神の遊具〈風属性〉
月光核〈新月〉増幅20%
耐久値強化〈合金〉
耐久値:400+α
E5(エコ);)6}<da¥
種族〈電子のsZ|>?€〉
階級〈£#]の蝶妖精$/Ⅷw)-〉
属性:€\%|?}\+
カテゴリー〈-s72&〉
耐久値:-7hxi-?,
アロマなシャツ〈服〉(NEW)
属性:麻LV18〈通常級〉
付与効果:金花気分+
物理防御
耐久値:25
ジーンズ〈服〉
属性:厚地織布LV18〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久強化
耐久値:60+α
◆ ◆ ◆




