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第109話「普通すぎる宅配便・幸せな食卓」

我が家転生…「我は無限の竜脈使い?」…が眷属 …育成計画中なのですw


第109話「普通すぎる宅配便・幸せな食卓」


竜脈生活76日目。


それは唐突に訪れた。


朝食を食べ終え、コタツでまったりとする弟たち。俺はコーヒー牛乳を片手に、そんな様子を満喫する。今日も朝から我が家は通常運転です。


『兄さん…もうすぐ千羽鶴が完成するわね…。』


「おう。乙女ちゃん…そうか。」


沈黙…。


そう、これである。近頃、乙女ちゃんが俺と微妙な距離感を取ってくるのだ。

視線を合わせないのだ。なぜだ?


『兄上、現在のところ、合計で86羽ですね。明日にもできるんじゃないでしょうか?』


「そうかぁ。俺も作りたかったけど、もう完成しちゃうのかぁ。」


せっせと折り紙を折りながら、菅原すがわらくんが俺の言葉に笑った。


『兄上が作ったら意味がないなんですよ。』


う〜ん。それはどういう理屈だろうか?とは言え、この千羽鶴も必要不可欠な精製素材。


「みんなの気持ちが籠った千羽鶴だ。きっとE5(エコ)さんも喜ぶよ。」


『僕もいっぱい作ったよ!!』


そうかそうか。俺は橘花たちばなくんの頭をイイコイイコした。そんな俺を乙女ちゃんはジト目で見てくる。


『…乙女、羨ましいんだろう?』


『な、何言ってるのよ!?そんなわけないじゃないっ!』


プイと横を向いた乙女ちゃんを、クロちゃん弟はやれやれと顔を振る。


ハロウィンの夜、本体の苗木と合体してから、乙女ちゃんはこんな感じなのである。

とは言え、クロちゃん弟や橘花たちばなくん達との関係は変わっていない様子。そこは安堵している。


コーヒー牛乳を飲み終えた頃合い、3階に闖入者があった。最近では階段室警備に妙な誇りを持つらしき侍従見習いのニャイである。相変わらずの厨二病的な黒鎧だ。


『ガガガ…蓮人様。1階の猫又殿がお呼びですが…ガガガ』


「ん?猫又って、シーちゃんか?」


久し振りに呼ばれたな。ってことは、亜空間の扉に何か引っ掛かったのか?

相手は仏壇の上に鎮座する白猫シーちゃんだ。怒られる前に行った方が無難だろう。


『では、兄上殿。僕も一緒に行きましょうか。』


「そうだね。どっこいしょっと…行こうか。」


コタツから立ち上がり、俺はクロちゃん弟と3階を出た。乙女ちゃん達は引き続き、折り鶴作りに勤しんでいる。


「…ところで、JOLジョリュは随分、ニャイに懐いているな?」


JOLジョリュとは、ハロウィンの夜に誕生したカボチャ男である。頭は俺のお手製のカボチャのランタンだ。

そんなJOLジョリュがニャイの足元に無言のまま付き従っているという画だ。

そんなだから、菅原すがわらくんと橘花たちばなくんがビクビクしていたが、いい加減にに慣れて欲しいところだな。


『ガガガ…この南瓜頭プリズナーですが、従順なのでワタシが面倒を見ている次第であります…ガガガ』


なるほど。このJOLジョリュに関しては、掲示板でなにか情報が上がっていた気がするが、卵の件で頭がいっぱいで気にしてなかったからな。


『何モ分カラナイ…色々教ワッテイル…。』


教わる相手がコイツで良いのか?という疑問はあるのだが、今はそっとしておこう。


「まあ、慣れるまで頑張ってくれ。分からないことはニャイの上司のDSディスさんに聞いてもいいからな?」


『ガガガ…大船ユニヴァースに乗って頂きたい。上司ディアボロは必要ありませんな…ガガガ』


大した自信だな。その自信はどこから来るものか?まあ、真面目なところ?がニャイの唯一、良いところだがな。翻訳が困難ではあるが。


『頑張リマス…。』


コクリと頷くカボチャ男というのも面白い。


『兄上殿、急がないと怒られますよ。』


ああ、そうそう。姉御肌のシーちゃんは怒らせると怖い。クロちゃん弟に急かされて、俺は階段を駆け下りた。


◇ ◇ ◇


『ミャ!ミャミャ!!』


え〜と。要約するとこうである。『遅いわよ!もう帰っちゃったから、荷物だけ置いて行ったわよ!』とのこと。


「なんだ?荷物って?」


シーちゃんは仏壇の上でお冠。これでも急いで来たんですけどぉ。


『誰が来たんでしょうか?』


『ミャ〜。』


クロちゃん弟に、シーちゃんは答える。要約すると、ふむふむ。『羽の生えた蛇?』だって?


「蛇って羽は生えてないでしょ?どういう蛇なのよ〜?」


『兄上殿、やめて下さい。また怒られますよっ。』


えー?これは俺とシーちゃんのいつものスキンシップなんですけども。

でもまあ、クロちゃん弟に止められたら仕方ない。黒縁ゴーグルを額に乗せて、ほんとにイケメン黒猫さんである。どこに出しても恥ずかしくないねっ!!


「…とりあえず、荷物を回収しましょうかね。」


俺は両手を仏壇の中に突っ込んだ。そして指先が何かに触れたので、それをむんずと掴んでみる。


「おや?この手触りは…ダンボールかな?」


思い切って取り出してみる。ポンっと、仏壇の正面からそれは飛び出した。

小包大のダンボールだ。その側面には「〓 JYUKAI.co.jp. 」の文字が印刷されている。


こ、これわぁ…そのまんまAM◯ZONじゃないですか?

これが神界通信販売の仕様ですね。


「と言うことはですね…これは昨日購入した商品とみた!」


だが、即日発送とかスゴいな。ちゃんと、うちの竜脈の中にも届くし、これで安心して高額商品も発注できると思われる。

とは言っても、卵だけで2億円以上なんですけども…。


『兄上殿、開けてみても良いですかっ??』


ああ、ドキドキするよね。初めてのお届けダンボールは、俺も開けるときにドキドキしたし。


「うん、いいよ。中身はね…。」


『あっ…このガムテープが肉球に…う〜ん。よいしょっと…よいしょ。』


一生懸命にベリベリとガムテープを剥がすクロちゃん弟の姿に、俺は言葉を止めた。

見ているだけでホンワカとした気持ちになってくる。


『開けますよ、兄上殿っ!!』


「はいはい。」


ダンボールの箱を開け、覗き込んだ俺たちの目に入ったのは…それは何の変哲も無い、プラスチックケース入りの生卵だった。


『卵…ですね?』


「そうね…普通に生卵だね?」


普通の卵だった。生卵が2パックだ。もはや、いつものトラブルも起きずに普通の生卵であったことに、ある意味感動を覚えるほどに。というか、トラブルに慣れすぎた俺がいる事に驚きだ。


「…確か、クレセントとか言う会社だったっけ?…普通すぎて逆に良いな!」


『普通すぎて逆に良いって…あっ、兄上殿。手紙が入ってますよ?』


え?手紙?どれどれ…。


__________________________________


本日は、商品を購入して頂き、ありがとうございました。


我が社、「安全安心・異世界産業クレセント」は今後とも、御高名なる田崎様と親密なる関係を築きたく思います。


今回は初回利用としまして、我が社のポイントカード「万華月」60ポイントを贈呈させて頂きます。カードは同封させて頂きますので御了承下さい。


尚、我が社のホームページは下記を御参照して下さい。また、我が社の本拠地は異世界「シンナヴァル」となります。

我が社はシンナヴァルと地球神界との物流販売提携をしておりますので、必要な際には御利用を心待ちしております。


以上。



異世界産業クレセント 代表取締役 シン・ナンナル


ホームページ:KURESENT.shin@co.jp


__________________________________



「…これ、日本語で書かれてるよな?」


『兄上殿、カードが入ってますね。どうぞ。』


クロちゃん弟が俺にカードを手渡した。現代日本でも流通しているような、強化プラスチック製…のように見える銀色のカードある。デザインもオシャレな満月仕様。キラキラと輝いている。ロゴは黄金色に発光しているし、ポイント数が浮き上がる。


「…絶対、一般会員用じゃないだろ、このカード?」


そもそも、どんな会社か知らないが、生卵を買っただけの相手に代表取締役って、いわゆる会社のトップに立つ人が手紙を送ってくるとかないからっ!!普通過ぎて逆に良いとか、もう前言撤回しても良いレベルだ。


『60ポイントって、溜まると何か貰えるんでしょうか?』


「まあ、普通に考えるとそうだよね?多分、詳細はホームページに書いてあるんだろうけど、生憎と、こっちは地球のインターネットを覗き見れるだけなんだよね〜。」


残念だけど、このホームページは神界側の電脳世界のものと思われる。結果、このカードは我が家にとっては無用の長物なのだ。でも持っているのも怖いので、即座に「宝物庫〈Ω〉」に突っ込んでおいた。


とは言え、念願の卵増産計画が…別の形で叶ってしまった。

そして、必需品が必要となった場合も、同じ方法で補充できる目処が立ったわけだ。お金は払うけどもっ!!


恵比寿エビス様の方の課金ガチャ卵はまだ届いていないか。しかし、いやぁ。驚いたな。本当に異世界とかあるんだ??」


『ええ、そうですね。シンナヴァル?ですか?』


どうやら、クロちゃん弟も興味津々のようで。やっぱり男たるもの、一度は行ってみたいよね、異世界とか。その前に日本に帰れるかも分からないけどさ。


「本当に異世界があるとか知ったら、我が家の跡地に侵入して来る奴ら、大喜びするだろうなぁ。いやあ、ワロス(w)。」


今頃、どこかで誰かがクシャミをしているだろう。

まさか、階段室でカボチャ男がクシャミをしているとは知らず…。


「さあ、今日のお昼はメンチカツと…卵かけご飯だぞっ!!」


『では、菅原すがわら橘花たちばなを呼んできますね。』


そうだな。その間に俺はチャチャッと準備をしてしまおう。卵のパックを手に持って、キッチンへ向かう。あっと、その前にだ。


「シーちゃんや。そのうち、もう1つ荷物が来るからヨロシクね!」


『ミャ?』


要約すると『1回にまとめなさいよ?』とか、母さんがよく言ってたセリフそのままなんですけど??


そして、わざわざクロちゃん弟が2人の弟を呼びに行った理由だが、無論、JOLジョリュである。トラウマとかにならなければ良いんだが(笑)。

俺はキッチンに顔を出し、食材の下拵え中のビビさんを発見する。


「お〜い、ビビさん。生卵が追加来たんで卵かけご飯にするよ〜。」


『卵が来たニョロかっ!?良いニョロか??』


いや、なに当然のように4R (シリュウ)は言っちゃってるの?

青い小蛇の4R (シリュウ)の目的は言わずもがな。


「いや、ダメです。卵は食べるものですから。」


『ガーーーーーン…ニョロ。』


副音声『ああ、旦那様。生卵の残りが7個だったのだが、1つ怪しいので、残りは6個だったのだ。追加されれば、ホットケーキも大量に作れそうだな。』


そうね。なんと20個も追加だから……え?1つ怪しいってどういう意味?

俺は4R (シリュウ)をガン見した。


『…そ、そうニョロね!卵は食べるものニョロよね!ちょっと、食前の体操に行って来るニョロよ。』


「いや、ちょっと待ちなさい。そこの4R (シリュウ)くん?」


出て行こうとした小蛇がビクッと震えた。


『親方様?なんだニョロ…よ?』


「ふむ。とりあえず、金烏きんうって100年に1度しか卵を生まないらしいよ?知ってた?」


『えっ!?そうなのニョロか?』


ああ、これは正直に知らなかったパターンだな。


金烏きんうのトト君も驚いた口でパクパクしている。そしてココちゃんとリリ君にヨシヨシと慰められているではないか!おいおい、なんだよ、ここは天国か?楽園か?

こんな癒やしを見せられたら、些細な問題はどうでも良くなってきたぞ(え)。


「よし、デザートにホットケーキを作ろう!バターとハチミツで最高に甘いヤツをなっ!」


橘花たちばなくんの喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。やる気が出て来たぞ。


『ほっ…ニョロ。』


そこ、安堵のため息をつかないように。子育て中止は継続中だしね。



と言うわけで、本日の昼食はコッテリなメンチカツと、あっさりな卵かけご飯と言う取り合わせになりました。

メンチカツは各々、好きな物をかけて食べました。俺は醤油派なので、誰がマヨネーズをかけようがケチャップをかけようがとやかく言いません。


だが、本日のメインディッシュは卵かけご飯なので、ここで一言いいたい。


「さすがに、卵かけご飯は醤油派だよっ!それ以外は認めないよっ!!」


『…兄さん、良いじゃないの?好きにさせなさいよ。』


と、乙女ちゃんは言うものの…。


「いや、乙女ちゃんは何をかけようとしているの?それ、ケチャップだよねっ??」


『僕はマヨネーズが良いのっ!』


橘花たちばな!兄上が言ってるだろう?卵は醤油だよっ。醤油以外にありえないよっ!表に出ろっ!』


音声【僕はソースで行かせてもらいますよ。ああ、良いコクですね。フフフ。】


『いいじゃないのっ!ケチャップは野菜なんだから、ヘルシーでしょ!!』


食卓は混沌としていた。もはや意味が分からないほどに。

そんな中、黙々とクロちゃん弟と4R (シリュウ)だけが食事を進めていた。


『毎回、よくやるニョロね。俺は食材の味をそのまま楽しみたい派ニョロね。だから何もかけないニョロよ。』


『僕も普段はソース派ですが、さすがに卵かけご飯は醤油ですね…。』


口論は続く。だが、ホットケーキが出ると、みんな笑顔になった。

やっぱり甘いものは人を笑顔にするのだ。今日も田崎家は幸せである。


◆ ◆ ◆


田崎 蓮人

種族〈秘匿種(真人)〉

階級〈地祇〉

所属国〈災害竜脈の地〉


カテゴリー〈24.5+〉

戦闘力 560+12

防御力 488+12

生命力 484+12

回避値 462+10

知能値 64+2

器用値 25

魔力値 702+20


無属性ウーデニア536+10

地属性(テラ568+10


固有能力パーソナルスキル

竜脈適正「最高位」

幸運の加護

雷霆の守護

世界卵の選別

蓬莱の恩恵

王桃の系譜

全能神の祝福

異種言語LV1

宝物庫〈Ω〉


能力スキル

打撃 調理 計算 博識 精密操作 努力 竜脈 再生 霊子

統治 隠密 命名 還元 猫愛


召喚系インウォーカティオ術式

契約

契約破棄

契約鑑定

召喚

送還

眷属召喚

眷属送還

眷属探知

眷属鑑定

竜脈の盾


眷属ファミリア

E5(エコ)さん

DS (ディス)さん

4R (シリュウ)

G3(ジザ)さん

2L (トゥエル)


契約

ルル君

金さん

チョメ君

ミミちゃん

シーちゃん

ミチ

花子さん

タロさん

ロンちゃん

クロちゃん

ハナちゃん

ハッピー

シマ

カア君(若彦)

乙女ちゃん

ユズリハ(野良ネズミさん)

紅葉

菅原すがわらくん

橘花たちばなくん

リコピン


称号

竜脈使い


装備

魔弾・オレイカルコス〈魔銃〉

属性:中炭素鋼カーボンスティール改LV220〈秘跡武具サクラメント級〉

付与効果:神の遊具〈風属性エア

月光核〈新月〉増幅20%

耐久値強化〈合金マテリアル

耐久値:400+α


E5(エコ);)6}<da¥

種族〈電子のsZ|>?€〉

階級〈£#]の蝶妖精フェアリ$/Ⅷw)-〉

属性:€\%|?}\+

カテゴリー〈-s72&〉

耐久値:-7hxi-?,


生卵くんシャツ〈服〉(NEW)

属性:リネンLV15〈通常ノーマル級〉

付与効果:卵かけご飯愛+

物理防御

耐久値:20


ジーンズ〈服〉

属性:厚地織布デニムLV18〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

耐久強化

耐久値:60+α


◆ ◆ ◆


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