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おれは人間サラブレッド ANATA号  作者: 桐生 ハム太郎
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第7レース

☆第7レース☆


遂におれのデビューが近づいてきたようだ。

似鳥のオッチャンの呟きを聞いた感じでは、おれは函館で新馬デビューするらしい。

函館…と言う事は、本州から車で行くのか。

結構な長旅だね、こりゃ。

藤平先生で函館なら、先生がおれに期待してるのであればフランス人JRA騎手のクリスティが乗るのかもな。

んで、勝ったらコスモス賞から札幌2歳Sか…。


まぁ悪いローテではないな。


流石に札幌2歳S一つでは功労馬として最後まで世話してもらえないだろうが、それをもしも勝てたのならダービーまでの切符もほぼ手に入れる事が出来るだろうし、何より、まだ本当に強い奴らがスタンバイしてないこの時期にどんだけ気張れるか。

おれの楽して馬として生きる計画でここが一番大事かも知れない(笑)


そして。

予定通り、おれは馬運車に乗り函館に向かう。

正直…あまり快適ではないね。

移動すると体重が落ちるのもこりゃ納得だ。



函館競馬場かぁ。

勢津子と湯の川温泉に泊まって、函館競馬場に行ったよなぁ。

何だか随分と昔の事のように感じるよ。

アイツ、今頃どうしてるのかな。

日頃から全く気にしてないわけでは無いが、二人の思い出の地に足を踏み入れたら、いつもよりも勢津子の事が気になり始めた。


馬になりたい…か。

普通に死んで馬になるならいいけど、こんな死に方をして馬になっても残された方の事を考えると最悪だよな。


「ブンブンッ」

おれは鍛え上げた自慢の首を左右に振った。



そして最終追い切りへ。


函館のダートコースは思いの外砂が深い。

「やっぱ、何だかんだで人時代のイメージと実際はかなり違うね」

体調自体はかなりいい。

おれの身体は他の馬より黒いのだが、この時期の函館はとても涼しくてそれがハンデになる心配は特に無さそうだ。

「あの馬、本当に噂通りだな」

新聞記者達の漏らす声からもおれはそこそこ人気になる気配。


問題は何のレースか。

芝?ダート?


屋根は最終追い切りでやはりクリスティが乗ったので、本番もクリスティで間違いないだろう。


まぁおれが何悩もうがレースを決めるのは人間。

おれは黙って勝つしかないやな。





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