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おれは人間サラブレッド ANATA号  作者: 桐生 ハム太郎
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裏開催第15レース

☆裏開催第15レース☆


「今日はクリスマスね」

勢津子がセカセカとおれのベッドの周りにクリスマスの装飾をしてる。

宗一郎が植物化してからそこそこの時間が経過してるのもあるが、勢津子も以前のような悲壮感はあまり感じられなく今日は穏やかな顔をしている。


「貴方が大好きなビババッチャンが年末の東京大賞典に出るわよ。やっぱりあの子、本当に強かったのね。」


宗一郎の最初の愛馬である【ビババッチャン】

通称ヒバオは夏のローカル戦を連勝し、遂にオープン馬になっていた。

地方交流重賞を連勝して臨む初めてのG1戦。

何頭かG1ホースがいるせいか人気のほうはあまりなくダークホース的な人気になりそうだ。


「ビバオが初めて勝ったのも丁度この時期ね。貴方がゴール板の前で大騒ぎしてあん時は本当に大変だったわ(笑)」



勢津子の独り言は続く。



「早く戻って来ないとビバちゃん引退しちゃうわよ?そろそろ今までの疲れも取れたんじゃない?」


宗一郎の出資した馬達は宗一郎に相馬眼があったのか否か分からないがみんな活躍してる。

最初の愛馬にして最後にオープン馬になったビババッチャン。

勢津子は今度のG1であの子がもし勝つようなら、宗一郎が戻ってくるのでは…と思ってた。



宗一郎の魂は今、他の馬の中にあるなんて夢にも思ってはいないだろう。




一方、北海道の石田牧場でも雪ちゃんがクリスマスの準備で家の中を走り回っていた。

アナタことおれが地方とはいえG1ホースになったもんだから毎日のように祝電が来てそりゃもう大変だ。


生産者報酬だってバカにならない。

おれのお陰で来年はまたシズカにオルフェーブルが種付け出来るだろう。


「とうちゃん、雪ねー、クロの所に行きたい」


雪ちゃんの最近の口癖。

ちゅうか、石田の社長にはほぼそれしか言わないみたいだ(笑)


ちなみにシズカの腹には今年はオルフェーブルの全兄であるドリームジャーニーの子を受胎している。

小さい牧場ゆえに毎年の様には人気種牡馬の種を買うのは厳しい。

でも、アナタでシズカとこのステイゴールド系の相性が良い事が分かった訳だし、アナタの活躍も後押ししてこの腹の子も間違いなく高値で売れるだろう。




おれは人間だから。

おれが活躍すれば石田家が潤うのは分かってる。

おれがこの先も頑張って雪ちゃんが大きくなるまでは不自由しねーようにしてやるからな。









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