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おれは人間サラブレッド ANATA号  作者: 桐生 ハム太郎
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第14レース 川崎2歳優駿 後編

☆第14レース☆


話は川崎2歳優駿登録締め切り前に戻る。


「藤平さん、まぁそういう訳だからアナタで川崎の方はよろしく。」


権藤のオッサンのいつものワガママには藤平先生を始め、ほとんどの調教師が経験済みだと思うのだが、今回のワガママはあまりに幼稚で陳腐だ。


どうやら…権藤氏のライバルである【メイトウ】の冠馬を沢山持つ松友氏のメイトウガトリングが川崎2歳優駿に登録してるから、それが勝つのを阻止しようという事らしい。

権藤のオッサンはもう既にアホマイヤダイジンで朝日杯を勝ってるのだが、松友氏の川崎2歳優駿の出走を耳にして欲が出たのだろう。


「アナタはよ、頑丈な馬だから連闘でホープフルSでも大丈夫よ」


何言ってるんだこのバカとおれがもしその場に居たらマヂ蹴り入れるとこだ( ̄Д ̄)ノ



ま、もう仕方ない。

頭数はそこそこ居ても、ライバルは中央所属の4頭だけだから何とか勝つしかねー。



そして日も暮れておれの初めてのG1レースの時間がやって来た。


「相変わらずここはもつ煮くせーな(笑)」

今の地方競馬場は、昔と違い汚いオッサンの群れがかなり少なくはなったが、このもつ煮臭だけは昔と変わらない。

おれは人間時代…川崎記念の観戦に来るたびにここのもつ煮で腹壊して、いつか川崎のもつ煮で死ぬであろうといつも思っていたもんだ。


でも、不思議なもんで馬化したらもつ煮の匂いを嗅いでも食いたいと思わない。人間の時もこれだったら良かったのにと思わず思ってしまった(笑)


ナイターの雰囲気もなかなかいいね。


川崎の深いダートがどうかだが、まぁ何とかなるべ。

そして

おれは返し馬に入った。




「本日のメインはJRA指定交流重賞、川崎2歳優駿です。JRA所属馬はかなりの精鋭が揃いました。一番人気は重賞を連勝中のアナタが抜けた人気となっておりますが、何とこのアナタ、このレースが初ダートデビュー。波乱の要素も秘めております」


「オイ、クリスティ。今日は気分良いから逃げるぞ。邪魔はするなよ〜」

「アナタが1枠2番ゲートに誘導を受けて、最後、ザイフが最後に誘導を受けて…」



スタートしましたっ!!


「アナタがスタートと同時に身体一つ飛び出てそのまま先頭に立つ勢いですっ。早くも2番手以降とは7馬身ほどの差が開いております」


「アナ夫、ワタシミスターオナーべにウマをあやす魔法のコトバをオシエテもらいマシータ」


クリスティがブツブツバカな事を言ってるんだが、何でお前はそんな余裕ぶっこいてるんだよ?(笑)



「イージーイージー、イージーイージー」

「イージーイージー、イージーイージー」

「イージーイージー、イージーイージー」

「イージーイージー、イージーイージー」

「イージーイージー、イージーイージー」

「イージーイージー…」



あ〜

まぢうっセーw w w w w



この間、照男も言ってたが、なんだか今頃になって伝説のジョッキー【岡部鉄男】がレース中いつも言ってた呪いの呪文が騎手達の間で流行ってるみたい。でもこのフランス人まで言い出すとは思わなかったw


しかも…オナベじゃなく岡部だちゅーの(笑)


クリスティの場をわきまえないジョークですっかり周りへの集中力が途切れてしまったが、クリスティのゴーサインとケツムチ一発で最後の直線に入った事に気づく。


あれ?

後ろ…何もきてねー?


「後続何馬身離したんだ?凄い、凄すぎるアナタ、今独走でゴール!!」


「とんでもないレコードが出ました!1.36.6と表示されました。これはまるでセクレタリアトの再来か?」



終わってみればなんて事ない。

クリスティの面白くないボケを聞いてる内にレース終わっちまった(笑)


出迎えるファン達にもクリスティがイージーイージーと意味不明にあおる(笑)

ファン達も意味分かんねーけど、イージーイージーと皆返す(笑)


「キョウワタシトアナタヲオウエンシテクレタ皆さん、モウケタカネで腹イッパイもつ煮タベテハラコワシテクダサーイ!!アリガトヤンシター!!」


やっぱ腹壊れるんだ、もつ煮(笑)

ある意味減量に苦しむ騎手には最高の食い物だな、オイ(笑)




ま、何はともあれ、

一応これでおれもG1ホースの仲間入り。

地方戦とはいえ、何だか楽に勝ちすぎちゃったな

( ´Д`)y━・~~

でもま、この辺りで負けちゃうようだと種牡馬になっても花嫁こねーもんなぁ。



夜の川崎…もつ煮くせーけど最高だぜ(笑)



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