第14レース 川崎2歳優駿 前編
☆第14レース☆
次走予定も決まり、カレンダーを眺めながら毎日トレーニングを積む。
ありがちで当たり前の今のおれのライフワーク。
人間時代にはいつも、
「さっさと宝くじ当てて糞ニートになって毎日筋トレしたい」と思っていたが…今が正にそんな感じ(笑)
実は今の暮らしがかなり気に入っているのだ。
そして今日の調教。
あれ?
珍しくまだレースまで間隔あるのにクリスティが朝から乗ってきた。
なんだろ?
馬場に入ると速いラップでとクリスティの手が動く。
前にいる馬を追う展開。
ふう。まだホープフルまで少しあるのになんだったんだ?
おれには全く意味が分からないまま、かなり実践的なトレーニングを終えてから、似鳥のオッチャンに身体を洗ってもらう。
「お前なら大丈夫だと思うけど、なんせあそこは直線みじけーからなぁ」
似鳥のオッチャン、もう昔の無口キャラはやめたんだな(笑)でも、その独り言…イマイチ意味わからねーなぁ。
「まぁ府中よりは近いからま、えっか」
オッサンの呟きは続く。
おれ的には意味がよく分からんがあまり良い予感はない(笑)
ま、でも悩んだとこで仕方ないし、今はホープフルに向けて頑張るしかねーやな。
そしてある平日。
朝、さっと軽く汗の流して身体を洗って貰った後に、赤い靴下を履かしてもらった。
なかなか可愛い。
…てか、なんだ?どっか出かけるのか?おれ?
着替えを終えたおれの前には馬運車。
やっぱりなんか変だ。
ま、まさかレース??
さっぱり意味が分からないままおれは馬運車に乗り込んだ。
これがホントのドナドナかぁ〜?
おれは今、勝手に勘違いをしてる。
「アラブの王様がおれを欲しがって電撃トレードになったって事か。まぁ、おれの走りを見たら王様が40億でおれを買うとか言っても何の不思議もねー。あー、おれはこの後はゴモルフィンブルーの勝負服の一員になって、世界中の主要G1レースに出て、アイルランドで種牡馬生活を送るわけだ。ま、ま、わりー話ではないよね?さらば、愛しの日本。さらば、似鳥のオッチャンよ〜」
そして…
妄想が頂点に登り詰めた時に馬運車は目的地に到着。
え?
飛行機いないやん(笑)
しかもなんか懐かしい空気を感じる…
げっ
ここ、もしかして川崎かよ!?
やっと意味が分かった。
おれ…川崎2歳優駿に出るのね(´-ω-`)
さっぱり意味わかんねー(笑)