第13レース
☆第13レース☆
東京スポーツ杯2歳Sを無事走り終えたおれの元には、結構な数の記者達が来るようになった。
暮れの決戦に向けて新聞記者達も大忙しだ。
そして、数日が経ったある日、権藤夫婦がおれの様子を見にやって来た。
「いやぁ、やっぱ似鳥さんが世話すると馬が走るね〜」
権藤のオッサンはかなり上機嫌だ。
おれのオーナーである花子さんも相変わらずの天然ぶりである。
「今日はね、アナタにお土産持ってきたのよ。見て見て、これ、淡路のとっても美味しい玉ねぎなのよ」
どうやらその玉ねぎをおれに持ってきたようだ。
うまく言えないがとてつもなく嫌な予感しかしない。
「ほら、アナタ。これ食べてみなさいよ」
うわー
嫌な予感的中。
皮どころか根すら残ってる玉ねぎを両手に持った花子さん。
自己満全開でおれの口に玉ねぎを押し込んでくる。
おれは生玉ねぎ大嫌いなんだよ…
そしておれがその後に体調を崩して2日調教を休んだのは言うまでもない。( ´Д`)y━・~~
悪い人じゃないんだけど…結果的には地獄の閻魔みたいなばぁさんだよ…
そして…玉ねぎを食わされ意識が遠退き、魂が軽く幽体離脱してる中、権藤のオッサンがおれの次走の事を語ってたのを何とか聞く事が出来た。
オッサンの持つおれと同じく無敗馬、
【アホマイヤダイジン】が地元関西開催の朝日杯2歳Sの方に回るので、おれは関東開催のG1のホープフルSの方に回るローテになるみたい。
しかし…
なんだよ、アホマイヤダイジンって w
ダイジンだってよ、笑い転げて腸捻転になるだろ、オイ(笑)
ホントこの夫婦、色んな意味でセンス凄いわ〜
他の人間馬がアナタの名前見たら、何頭が腸捻転になるか見ものだが、そこには一切触れないおれ(宗一郎)である。
ちゅーか、スーパー余計なお世話だよ、ナレーターめ(笑)
ま、何にしても、輸送もない中山のG1に決まったのは良かったと思う。
でももう、
G1勝てても玉ねぎだけは勘弁してくれ。
次、またあんなの食ったら間違いなくアナフィラキシーショックでまた死んじまう自信あるぞ(笑)
全く…困ったばあさんだわ( ´Д`)y━・~~