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ある少女の恋物文学  作者: カイ・ナナミ
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出会い

新作です。是非読んで感想ください。

 私が彼に出会ったのは中学3年生の時に行われたオープンキャンパスでのこと。


 光城(こうじょう)高校のオープンキャンパスに参加した私は、全日程を済ませて帰ろうとしていた。


 私は親と一緒に来ていた迷子の男の子を見つけた。

私は迷子の子を母親の元へ送り届けた後、初めて来る高校で自分も迷子になってしまった。


「……どうしよう。どっちに行けばいいか分かんないよ…」


 途方に暮れていた時、私の前から男の子が歩いて来た。


「こんな所でどうしたの? オープンキャンパスに来てた子だよね?」

「……」


 私は人と話す時、口数が少なくなってしまう癖がある。表情もあまり変わらないことから中学の時、「機械女」というあだ名が付けられていた。


「ん? どうしたんだ。腹でも痛いのか?」

「い、いえちがい…ます。ちょっと……迷子の子を助けた…つもりが自分も迷子に……なってしまって…」


 その男の子は呆然とした後、急に笑い出した。


「ぷっ……あははははは。君、面白いな! 良かったら俺が校門まで案内してあげるよ」

「そ、そんな……悪いです……。私は大丈夫……ですから」

「いいっていいって。俺もそろそろ帰るとこだったから。それに君1人で帰れるの?」

「……」


 私は断ろうとしたが、男の子に核心を突かれてしまい、男の子に連れて行ってもらうことにした。

 私は案内してもらっている間、男の子の話を聞いていた。

 男の子は光城高校の2年生でさっき通りかかったのは本当に帰る所だったらしい。


 私はただ頷くだけだったが、男の子がそれを気にした様子はなかった。


 その後も色々話を聞いていると校門が見えてきた。


「あ、あの……その…………ありがとうございました」

「いいっていいって。ただの気まぐれでしたことだから。……あっそうだ。もしこの学校に入学するつもりなら文芸部をよろしく」

「……文芸部」


 そう言って渡された紙を見ると、そこには「文芸部、部員募集中!」という文字が書いてあった。

「これは?」

「俺さ、今文芸部に入ってんだけど今年の3年が卒業したら1人になるんだ。だから、来年入学してくる1年生に入部してくれるようにこうして紙を配ってる訳。だからこの学校を受けてくれるんだったら文芸部に入ってくれないかなぁって……ダメ?」


「いえっ行きます。入ります! 入らせてください!!」

 私はなぜかこの先輩の祈るような表情を見た時、即答していた。そしてこの先輩の近くにいると胸がすごく暖かくなる。


 この気持ちが何なのか分からないがすごく気持ちいい。


「えっマジで! 入ってくれんの!? ありがとう!!」

「っ!?」

 急に手を握られ私の顔は真っ赤になった。


「あっ、ごめん。嬉しくてつい。初対面の女の子にちょっと失礼だったかな」

「い、いえ……その………ええっと………私はそんなにいやじゃない……ってなんでもありません!? 今のは忘れてくらさい!?」

 私は自分でも何を言ってるのか分からないくらい焦って後ずさった途端、落ちている石に躓いて後ろにこけてしまった。


「大丈夫か? ……全く危なっかしいな。でも、やっぱり君は面白いなっ!?」

「ん?」

 先輩が急に言葉を切ったので不思議に思って先輩の目先を追うと、私のスカートが派手に捲れ上がっていた。


「ひゃうっ!?」

「ご、ごめん! 見るつもりはなかったんだけど……本っ当にごめん!!」

「い、いえ……」

 私は顔から火が出るくらいに真っ赤になりながらどうにかそう答えた。


「と、とにかくごめん。立てる?」

「は、はい」

 私は先輩の手を借りて起き上がった。ようやく落ち着いて来たが、まだ顔から赤みは引いていない。先輩の顔もまともに見れなくなっていた。


「ま、まぁとにかく良かったよ。入学するって言ってくれて。じゃあ次会うのは来年かな? この学校の先輩と後輩だ」

「………」

 私は頷いて先輩の顔を見あげた。


「じゃあ、また会おう。バイバイ」

 去り際に先輩は笑顔で私の頭を撫でていった。私は一瞬で顔が赤くなった。


 そして、気付いた。


 この気持ちが何なのかに。


 あの後、私は猛勉強し、無事に光城高校へ入学した。

新作出来ました!

今回の作品はほのぼのストーリーになっていると思います。

是非感想をもらえると嬉しいです!


「こうして世界は破滅する」も連載中ですので、宜しくお願いします!

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