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1.スバル

「スバルちゃん、次移動だよ。行こ?」


 白く細い首を傾げれば、黒く艶やかな髪がサラリと揺れる。何度見ても見惚れる美少女についぼーっとしてしまうのはいつものことなのです。

反応を示さず熱視線を送り続けるあたしに、目の前の美少女は苦笑を浮かべると「スバルちゃん?」と再度呼びかけた。

その声にハッとして慌てて椅子から立ち上がる。

「ご、ごめん! そうだね、次移動だね! 早く行かないとだね!」

あわあわと荷物を抱えるあたしを見て、目の前の美少女はきょとんと目を丸めると、次いでふわりと柔らかく笑う。

「変なスバルちゃん」


ちょちょちょちょちょちょちょちょちょおぉおおぉぉぉおおおおぉおぉおおお!!!!!!!


ツカサちゃんかわいい ツカサチャンカワイイ つかさちゃんまじかわいい ツカサタンヤバイカワイイ つかさたんまじぱねぇ ツカサチョウマブイ チュカシャタン、はぁはぁ


「え……と、大丈夫?」

さっきの笑顔が嘘みたいに、一瞬にして不可解な顔をする美少女--ツカサちゃん--を見て再度ハッとする。やべ、またしても自分を見失ってた。

「だ、だいじょうぶだよ! さ、行こう行こう! 遅れちゃうよ!」

アハハーとへらへら笑うあたしに、ツカサちゃんは眉を顰めながらもうんと言ってくれました。うむ、眉を顰めるあなたもかわいいです。


 2人並んで教室を出れば、クラスの奴等はもちろん、廊下にいる奴等もうっとりとツカサちゃんを見る。そして隣にいるあたしに羨ましそうな視線を送ってくる。

ふふん。そうだろう、羨ましかろう。でもお前らなどにこの場所(ツカサちゃんの隣)は譲らんぞ。


 ツカサちゃんとキャッキャウフフ(と言ってもあたしだけ。ツカサちゃんは余り口数が多くない)しながら廊下を進む。歩く度にすれ違う人たちはツカサちゃんを見る。男子はもちろん、女子も。

けれどツカサちゃんは慣れているのか、絶対に視線を感じているのに完全無視である。あたしにしてはそこもイイ。あたしにしか笑わないツカサちゃん、最高です。


 そんな隣にいる超・絶・美少女のツカサちゃんを見て、頬がだらしなく緩む。あぁ、幸せ。とても幸せです。

今ではあたしには笑ってくれるけど、ここまで来るの、本っっ当に大変だったなぁ。



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