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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人間の雌と××したいと知人が言うんですがどうしたらいいですか→通報

 知人が人間の雌を拾ったという。

 人間は異界からの落ち物だが、拾った者に所有権がある。世話は面倒だと聞く。


「国に引き渡すのか?」


 知人は首を振った。国に引き渡して保護されるかというとそうではない。一定期間を経て引き取り手がなければ、屠殺処分だ。あまりにも脆弱なので得るところもない。特に雌はなあ。そういえば変態には人間の雌は愛玩動物になるらしい。性的な意味で。俺には理解不能だ。

 しばらくして、知人が相談してきた。

 人間の雌に何を食わせたらいいのか分からないそうだ。一般に人間を飼育している連中の精神網で情報収集したそうだが、何故か全然ダメらしい。猛者の掲示板で相談してみろとアドバイスした。

 後日、知人の顔色が暗い。餌駄目だったのかと聞くと、それは解決したらしい。どうも人間の雌にも種類があるようで、知人が拾ったのは『にほんじん』という人種だそうだ。毛の色以外は全部同じに見えるんだが、飼育するには細々と餌の種類を用意してやらねばならんらしい。知人は人間の雌がストレスで死ぬところだったと顔色を悪くしている。

 甲殻種は無表情な奴が多いんだが、雰囲気ですげえ焦っているのが分かった。……まさかな。

 更にしばらくして知人が気まずそうにまた相談してきた。

 人間の雌と交尾したいと言う。

 知人が変態になった。

 俺は真剣に相談に乗ってやった。お前都会暮らしでちょっとおかしくなっているんだよ。空気のきれいな田舎に一度引っ込んだ方がいい。人間の雌と交尾とかありえないから。


「こ、交尾したいなどとは言っていない。ただ、その、触りたいだけだ」


 ふにふにしているので、壊しそうなんだ。しかしできれば××したいなどと真顔でとつとつと聞かされ、俺は明らかに知人が変調をきたしていると思ったのでおまわりさんこいつですと匿名で通報してやった。

 今日もいい仕事をしたぜ。



 後日。

 解放された知人が首輪をした人間の雌と歩いていた。

 目を見開いて、人間の雌を覗き込むように上からガン見している知人。

 あいつ、禁欲的な甲殻衛士で通っていたのに……しかし人間の雌ちっちぇえな。知人と体格差2倍くらいあるんじゃないだろうか。

 ふにふにしているらしいが、知人の手で揉み揉みしたら死んでしまうかもしれん。

 あ、おまわりさん、あいつです。俺は善良な市民の義務として再度通報してやった。



 


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