聖夜にラーメンの何が悪い!
クリスマスまで待てよ!
という声が私の中で響いてますが、
勢いが大事、UPします
ほのぼのあったかな、
真冬に外で食べるラーメンをイメージして書きましたww
温まってくれると嬉しいです
召し上がれ
どこか、静かなところにあるラーメン屋の屋台。
「オヤジさん、指入ってる」
「おぅ、トン足のダシがよく出てらぁな」
「いや、そうじゃなくさ、オヤジさんの指入ってる」
「いやいや嬢ちゃん、これを含め、ダシだ」
不満げに器を見下ろす。
「オヤジさん、常連さんは大事にするモンだよ」
「はっ、こんな夜更けに、まして聖夜の夜に一人で来る嬢ちゃんのこった、
どうせ行くあてもねぇんだろ?」
「そんな事……あるけどさ」
「おら、膨れてねーで食いな、伸びちまやぁ」
不服だが仕方ない、黙ってラーメンを啜る、
オヤジさんの言うとおり濃厚な豚骨スープが、
麺に絡み付いて口まで運ばれる。うん美味しい。
「ところでオヤジさん、オヤジさんも一人?」
「おう! 男は一人でもいいでぃ」
「ふ~ん、でもさ、そんな事言ってると老後寂しいらしいよ?」
「はっ!今から気にしてどぅすんだよ、気まで老いちまぁ」
「…………そんな事言ってるからお嫁さん来ないんだよ」
「おう、もうこら抜けねぇやな」
そう言ってからからと笑う。自覚あるんだ。
「でもそこまで開き直ってる所がやっぱりオヤジさんだね」
「男らしいと言いやがれ」
親父さんは胸を張って笑ってる。
そんなオヤジさんを見上げながらスープを啜り、
唯一浮いている具のチャーシューをかじった。
「あ、美味しい」
「失礼だな、今更驚くねぇ」
「ごめん、そうじゃなくて、何? 新味?」
「おおぉ、その……ちょいと試作だ」
かはは、とはにかんで笑う。
「でもオヤジさん、泡立つのは頂けないね」
「おお、やっぱ気になるかぃ?」
「ん~、洗剤みたい?」
「グサ!……今鳩尾にきた」
「あははは、でも事実から目をそむけるのはいけないんじゃない?」
「そうだなぁ、まっ一応改良途中の新作、期待の新星だ」
「へぇ~…………ひょっとして私が始めて?」
「おう、嬢ちゃんの為に取っといたんでぇ」
――――ちょ~っとうれしかったり?
「嬢ちゃんは『いつもの』すら言わないからな、こいう時に便利だわ」
そう言ってオヤジさんはからかう様にカラカラと笑うが、
私は素直に美味しくて、温かくて、くすぐったかった。
「なんだよ、そんなに美味かったか?」
「うん……ありがと、健太」
「ばか、店が終わるまでは『オヤジ』だ」
そう言ってオヤジさん――健太はそそくさと客に背を向けた。
健太は私の幼馴染だ、2歳年上。
先代のお爺さんから店を貰いうけ、自分でも相当気に入っているらしい。
二十代後半でオヤジなんて呼ばれて傷ついたりしないのかな?
一度訊いてみたけど『年齢なんて関係ねぇ、
ラーメン屋の店主は幾つでもオヤジだ』、だそうだ。
故郷を離れてからずいぶんと連絡も取ってなかったが、
ここで偶然出くわして、以来ずっとここの常連さんだ。
「どうした、ぼぅっとしちまって、寝るなよこんな所で」
「ねぇ、オヤジさん、閉店いつ?」
そうだなぁ、と考え込む。
「こんな夜はまともな客もこねぇだろうし」
あれ? 私はまともな客じゃないのかな? ちょっと引っかかる。
「嬢ちゃんが食い終わったら閉店だ」
「じゃぁさ」
なんでぇ、と言いながら閉店の準備をするオヤジさん。
故郷でいつも頼りになったお兄さんは、
再会すればオヤジさんになっていたが、
今でも変らず頼りになる健太だ。
「この後一緒にどっか行かない?」
驚いて固まる健太。はぁとため息を付き、
「早く食え」
あ、口調がいつもの、お兄さんの健太だ。
私は目標を達成し、急いでラーメンをすすった。
クリスマスまで待たなかったのは、
最近書いたからで、
最近寒いから、いいかなっと思ってUPしました
後悔はしてませんww
冬はやっぱり大好きだ
書き易過ぎるww