07.や、やっと会えた、けどなんだこれ!?
目が覚めると、服も乾き、周りは明るくなっていた。
「ほんとこれからどうしよう、、、、」
今まですべて平林任せだったため、1人になると本当に困る。
とにかく今は、なにか考えなければ、、、、
平林なら、何を考えるのだろうか。
(あいつなら多分、今の自分の状況整理のあと、次に取るべき行動を、、、うん私にはむりだ)
私は、考えることを断念して、周囲を観察した。
やはり1人行動は全く向いていない。
あたりを見渡すと、岩の奥には、草が広がっていた。
開けていて、気持ちがいい。
(草の方、行ってみるかあ。)
草が生えている草原の方へ行ってみると、足跡のようなものを発見した。
「なにこれ、も、もしや、平林の足跡!?」
私は、その草の折れている跡を辿ってみることにした。
花や草が朝の光に照らされ、キラキラと輝いている。
時々、鳥のさえずりも聞こえ、私は自ずと気分がはずんできた。
(山も出たし、とにかく今は平林を探すのみ!がんばるぞ!)
私は歩きながら、この世界について考えてみることにする。
「ここ、モンスターとかいっぱいいるし、異世界なんだろうなー。けどまだ人を見てないんだよな、人を。人と会いたい。そうすれば、カメラのことも、もう少しわかりそうなのに、、、」
どのくらい歩いただろうか。
あたりの雰囲気がガラリと変わり、地面が草原から土に変わった。
「え?なんか聞こえる?」
ふと、声のようなものが聞こえる気がした。
「気のせいか。」
無視して歩いていると、
「おい!何すんだよ、」
今度はどう考えても平林の声が聞こえた。
「平林ーーーーーー!」
喜びのあまり私は走り出す。
喚いている平林の声がどんどん近くなる。
「うえーーい」
と、かなりのハイテンションで突進していくと、意味不明な光景が広がっていた。
数十人の人々が、平林のことをとりかこんでいたのである。
あのビビットピンクのTシャツは目立つ、間違えるはずがない。
そこにうえーいと言いながら、突進してくるJKがいると、地獄絵図の完成である。
正直全く理解ができないが、とにかく平林に説明を求める。
「平林、説明プリ⤴︎ーーーズ」
大声でそう叫ぶと、人々は、平林から注意がそれたらしく、そのすきに平林が猛スピードで逃亡を始める。
人々は平林を追いかけ、私には見向きもしない。
私はその場にいた全員から見事なフルシカトをされた。
「ここまでフルシカトされるされると、さすがに傷つくんですが、、、、」
そんな私の独り言も虚しく消える。
「よし!おっかけよう。」
鬼ごっこは得意だ。
なにせ、陸上部なのだから。
「陸上部ガチ勢のJKのこと、なめんなよ、私をシカトしたこと、後悔させててやるから!」
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