06.意外に頑張って泳いだよ!?
”ジュルリ”
視力の良い私はネッシー(仮)が舌なめずりをしたのをしっかりと確認した。
「・・・」
「やばい、逃げよう。」
私は全く泳げないが、体力への自信は、人一倍ある。
体力でカバーしながら泳ごう、いや泳ぐ以外の選択肢は残されていない。
「うおおおおおおおおおお」
私のパワーを最大限に使いながらザブザブと泳ぐ。
しかし、泳げないので、溺れる寸前だ。
後ろから木の葉や木の枝も流れてくる。
正直、かなり邪魔だ。
そんなこんなで、泳げないなりにザブザブと頑張って泳ぐこと約十分。
大体100mほどあったネッシー(仮)との距離も10mほどになっていた。
「ああ、もう終わりか、、、、パパ、ママ、毎日喧嘩していた妹、友人たち、そして、この7日間共に旅をした平林、良い時間をありがとう。私は、天国に行きます。」
そんなことをつぶやきながら、これが少女漫画なら平林が助けに来てくれるのにな、なんて、らしくないことを思う。
そんなふうに妄想しながら、悟りを開いていると、ゴォ゙ーゴォ゙ーという音が近づいてきて、予想外のことが起こった。
もう一度いうが、もちろんこれは少女漫画の世界ではない。
まあつまり、平林は助けに来なかった。
しかし私は、ものすごく運が良かった。
「いやあああああああああああああああーーーー」
お決まりの私の絶叫が響くとともに私は落ちた。
物理的に。
急に滝が現れたのだ。
さすがのネッシー(仮)も滝には怖気付いたらしく、追いかけてこない。
叫びながら落下していると、あっという間にバッシャーンと水中に落ちた。
そして、浮かび上がる。
(私、この滝に落ちたのに生き延びたんだ、、、自分ながら、化け物なみの生命力じゃない?これ。)
そんなふうに自画自賛しながら、ふと周りを見渡してみると、陸を見つける。
「お、あるじゃん!」
すごくテンションがあがってくる。
”ザブザブザブザブ”
例の溺れる寸前の泳ぎ方で、なんとかして陸にたどり着くと、私は岩の上へ倒れ込んだ。
「久しぶりの岩、、、、、冷たい、、、」
山の中は木と土ばかりで、蒸し暑かったため、岩の冷たさに安心し、そのまま寝てしまった。
ビショビショのJKが滝のほとりでねているなんて普通に考えてかなりおかしい状況だろう。
そう、私は何故か異世界で走り回っているけれど、花のjkなのだ。
「わたしのじぇーけーらいふをかえせ、、、、zzz」
虚しくも、そんな独り言を言いながら私は岩の上で眠りについた。
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