04.ひ、平林、ついにぶっ壊れたの!?
そんなこんなで、この世界に来てから1週間がたった。まだ、木の実を食べながら、細々と生きている。
1週間前に初めて話した私達だったが、謎の団結力が生まれてきた。
非常事態の力だ。
非常事態って恐ろしい。
この世界に来て、私たちが気付いたことがいくつかある、といってもほぼ平林の受け売りだが、、、
まあいい、気を取り直して一つ目。
この世界のモンスターは、ほぼほぼ巨大動物だということ。
あの熊以来、襲われそうになったことはないが、あの後、一回だけ巨大なトラを見た。
怖かった。
そして二つ目。
どうやら、山の中で食べられるものは木の実しかないらしい。
ここ最近、木の実しか食べていない。
すごくダイエットできている気がする。
(なんやかんやいって、人生で1番濃い1週間だったなぁ、、)
ドテッ
「うわっ」
そんな事を考えながら、木々が生い茂る山道を歩いていると、私はこけた。
その拍子にポケットに入っていたカメラが出てくる。
前を歩いていた平林が急に振り返った。
「そういえば、カメラのシャッターをおして、この世界に来たのなら、もう1度押せば戻れるんじゃないか?」
「いってー、って、ほんとだ、ほんとだよ。平林、やっぱあんた天才だよ。」
確かにその通りである。
今まで頭をはたらかせていなかったので、全くカメラの存在を覚えていなかった。
しかし、こいつ私がこけたことを全く心配していない、少しくらいは心配してもバチは当たらないのではないか、、、?
「まあいいや、善は急げ、さっさとシャッターおすねーー」
私がそういったときには、もう平林はポーズを取っていた。
やはりこいつ、常にズレている。
「よし、はいチーズ」
全く気を失う気配がない。
「「・・・・・・・・」」
「やっぱむりだよねええ、つらー、え?平林?」
平林が固まったまま動かない。
「杉谷、お前、後ろ、、、、」
「え?後ろ?」
私は後ろを向く。
「ぎ、ぎゃああああああああーーーーーー」
あろうことか、私の後ろには10mを超えるほどの大きさの大蛇がいた。
「ティタノヴォアーーーーーーーー」
今回は短めです。