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Tears Hope: the three Hearts  作者: 夏.D
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第5話

太陽の下に立つと、アリアは一瞬だけ軽い痛みを感じたが、それがすぐに消え去った。驚いた彼女は、すぐに建物の陰に避難したが、体や服に焦げ跡がないことを確認すると、安堵の息を吐いた。彼女は何度も自分の体を確かめたが、何も異常がなかった。彼女は再び陽光を浴びたが、今度は恐怖ではなく、喜びがこみ上げてきた。ネックレスが完璧に機能していると気づいた瞬間、アリアの心は感動で満たされた。


—「これで、私は太陽の下でも自由に動ける...」

彼女はつぶやき、少し涙が目に浮かんだ。彼女はこの可能性を何度も夢見てきたが、実現するとは思っていなかった。


その興奮を胸に、アリアは喜び勇んで訓練場へと向かった。彼女が訓練場に到着すると、新しい孤児たちがトーナメントの準備をしているのを目にした。訓練場の中央には、背の高い女性が立っていた。彼女は南のアルカディア出身らしく、濃い肌に白い巻き髪が腰まで届き、いくつかの編み込みが金の装飾で飾られていた。その肉体は見事で、アリアはその姿に圧倒され、決して手に入れることはできないと思った。


間違いなく、彼女はエルドロがよく話していたアイオリで、エルドロの師匠であり、アイウリの姉でもあることが一目でわかった。アイオリは弟とは正反対の印象を与える人物だった。


アリアは、人々の間をそっと通り抜けながら、まるで臆病な見物人のようにその場に近づいていった。彼女は、アイオリが若い孤児たちの訓練を監督し、まだ非公式の準備段階の戦いを見守っているのを目にした。アリアは、昨夜エルドロと自分が夜中に訓練をしていたことを思い出し、微笑んだ。


—「彼はよく訓練場を片付けたみたいね。」

彼女は心の中でつぶやき、自分の思考に没頭していると、突然何か固いものにぶつかった。


現実に引き戻されたアリアが顔を上げると、それは壁ではなく、アイオリ本人だった。彼女はアリアを冷たく見下ろし、その視線は威圧的でありながらも、アリアを評価するようなものだった。アイオリは無言で手を差し出し、アリアを挑発するかのように、その手を軽く動かした。

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