第3話
エルドロは、反射的に防御し、アリアの突然の攻撃をかわすことができた。集中し始めた彼は、すぐに反撃に転じ、アリアがほとんど地面に倒れそうになるほどの攻撃を加えた。アリアはアクロバティックな動きで、その全ての敏捷さと柔軟性を見せ、超人的な速度でエルドロに迫っていた。彼はそれを逆手に取り、木製の剣で彼女の腹部を強打し、アリアはほとんどアリーナから投げ飛ばされそうになった。
—「本気でやるつもりはなかったのに。」
エルドロは木剣を空中で遊ぶように振りながら冗談を言った。
—「そんなに僕に特別な感情を見せるのが怖いのか、“プリンセス”？」
アリアの怒りが視覚的に伝わる。まるでアポカリプスの嵐のように、その血は彼女の肌の下で沸き立ち、小さな血の結晶が表面に現れ始める。彼女はエルドロに向かって突進した。今や練習ではなく、純粋な本能と血への渇望に駆られた、まるで獣のような攻撃だった。
アリアがエルドロに接近する前に、彼女は複数の場所を攻撃され、何が起こったのか、どこから攻撃が来たのかすら分からなかった。最後の一撃は背中に突き刺さり、彼女は遠くへ吹き飛ばされた。彼女はその衝撃でアリーナの外に飛び出しそうになったが、地面に剣を突き刺し、何とか踏みとどまった。
—「本気でやるつもりはなかったのに。」
エルドロは笑いながら、彼女の動きを観察した。
—「何かおっかないことでも考えてるのか？」
アリアはその言葉に反応せず、エルドロの攻撃に対して冷静に対処した。彼女はアリーナの境界線の上を踊るように、エルドロの攻撃を次々とかわした。エルドロは次第に苛立ち、彼の剣からは炎が立ち上がり始めた。剣は黒く焦げつき、攻撃はさらに激しさを増し、アリアに迫っていた。
エルドロはアリアの跳躍の合間に隙を見つけた。その瞬間、彼は強力な一撃を放つ機会を得た。まるで流星が地球に向かって落ちてくるかのように、エルドロの燃え盛る剣がアリアの胴体に迫り、城全体を照らすほどの炎が放たれた。その一撃は、アリーナを囲む橋の一つに黒い焼け跡を残した。
—「勝ったのか？」
エルドロはアリアの姿を探し始め、不安が徐々に広がっていった。
静寂がエルドロを包んだ。その場には奇妙なほどの静けさが漂い、ただ風と砂埃が彼を慰めるように流れていた。
「またやってしまったのか？」
彼の心に浮かんだ不安は、アリアが倒れているのではないかという恐怖だった。
—「タッチ、私の勝ちね。」
エルドロは背後に感じた木の剣の先を感じ、甘くもわずかに苦い感情が彼の胸を締め付けた。
—「また負けたか…」
エルドロは誇らしげに微笑んだ。そして彼女を見て、再び目を覆った。
焦げた革の匂いが周囲に充満し、アリアは奇妙な姿でそこに立っていた。彼女の服は焦げて部分的に燃え尽き、ところどころ下着が見えていた。しかし、エルドロは気にする素振りも見せず、約束を思い出した。
—「うわあ... 明日、兄さんが来るんだ。それに婆さんが何か大事な話をするって言ってたし、たぶん明日の訓練は休まなきゃならないな。」
エルドロはつぶやきながら、地面に座り込み、手で砂に何かの記号を描き始めた。アリアがそれをじっと見つめているが、彼女にはそれが何を意味するのか理解できなかった。
