回ってる方も行ってみたい!
「ベイリール様も騎士団長も、ダメダメと言うが……」
将軍はいつもの強面で反論する。
「当のスイちゃんの気持ちは分からないではないか! オーケーかもしれんだろう!?」
その発言に、全員の視線が私に集まる。もちろん答えは……。
「いや、ダメに決まっているから」
「……そうなの?」
ほら見たことか、という顔でレックスさんとベイルくんが将軍を見るが、彼は「何が悪かったのだろう」と真剣に考えるかのように、視線を落とした。
が、すぐに顔を上げる。
「でも、スイちゃんの夢って都会で大活躍して、貴族か王族と結婚してスローライフを送ることなんでしょ? それ、私なら全部叶えられるよ。将軍も貴族みたいなもんだし、いい感じの仕事も斡旋できるから。ほら、私しかおらんだろう?」
何でこのオッサンが私の夢を知っているんだ??
やっぱり、リリアちゃんが??
くっそーーー、あのロリっ子!!
余計なこと言うなよ!!
でも、確かに将軍の言う通りだ。
この人と結婚したら、私の夢って全部叶っちゃうんじゃない??
指を顎に当てながら真剣に考えていると(少しだけね。少しだけ真剣に考えていると)、レックスさんとベイルくんが同時に一歩踏み出した。
「「それは私(僕)でも、叶えてあげられますから! 将軍である必要はありません!!」」
えええ??
なになに?
レックスさん、割と本気で言ってない?
その場しのぎとは、ちょっと違うような気がするんだけど、私の思い上がりかな??
「ふん、では騎士団長。貴殿は主のパートナーを娶ると言うのか? そんな騎士、聞いたことないわ!」
「そ、それは……」
引き下がるレックスさん。
「次にベイリール様。貴方様にはリリアがいるでしょう! 私の前で、別の女を妃にしたいと宣言した、と受け取ってよろしいか??」
「そ、それは……」
引き下がるベイルくん。
「ほーらね! スイちゃんを幸せにできるの、私だけじゃん!」
そう言って、将軍は私の肩に腕を回してくる。
「やめんかジジイ!! 馴れ馴れしい!!」
思わず突き飛ばすが、さすがは武士の頭領。私の腕力では微動だにしない。
「はっはっはっ!! そういう気の強いところに惚れたのだ! で、いつデート行く? 次の日曜か? これからでも構わんぞ? スイちゃんは、ザーギンのスーシー食べたことある?」
「な、ない! 食べさてくれるの??」
「もちのろん! 回ってないスーシー、スイちゃんに食べさせてあげたいなぁ」
いやいや、回転スーシーだってララバイ村にはなかったから、マジで憧れなんだけど!!
「行く行く!! 回っている方も行ってみたい!」
「回っている方でもいいの?? スイちゃんは可愛いのう!」
「えー? そうかなぁ? えへへへっ」
将軍、割といい人かも!
でも、何だろう。
脳みそが溶けていくような感覚があるような……。
「スイさん!」
「スイ様!」
「はっ!?」
おっと、レックスさんとベイルくんが大声で呼んでくれなかったら、将軍の(お金による)誘惑になびくところだったぜ。
「いやいや、行きませんから! 私は髭が濃い人嫌だし、そもそもあんた妻帯者だろ?? 私は一途な人が好きなのっ!」
「髭は剃る! 妻とは冷え切った関係だから大丈夫! スイちゃんに一途!」
それで一途と言うか!
せめて離婚しろよ!!
それから、将軍と私の問答は続いたが、最終的にはこんな言葉で締めくくられた。
「今日はここまでにする。だけど、スイちゃんは絶対に私のものにしてみせるから! 回ってないスーシー、一緒に行こうね!」
ま、回ってないスーシー、行きたいなぁ。
これは後日談なんだけど、今回の将軍の行動を耳して、リリアちゃんは絶叫してから、こんなことを呟いたらしい。
「あの人が、私のお母さまに?? でも、そしたらベイルは私だけを……」
よく分からないけど、手段を選ばないという意味では、似た者親子なんじゃないかな、と思ったような、思わなかったような……。
「面白かった!」「続きが気になる、読みたい!」と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品の応援お願いいたします。
「ブックマーク」「いいね」のボタンを押していただけることも嬉しいです。よろしくお願いします!




