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存在がうるさいやつ

誰かが王様の意見を聞くことなく、儀式のために移動が始まった。王様や将軍は馬車に乗って移動。ベイルくんとリリアちゃんも馬車に乗ることになったが……。


「スイ様もベイル様と一緒に移動をお願いします」


レックスさんが私もベイルくんたちと一緒に馬車に乗るよう促すが……。


「レックス団長、その方はご遠慮いただきたいです」


バシッとリリアちゃんに断られてしまう。


「ど、どうして?」


聞いてくれたのはベイルくんだ。

私に向けられる視線とは違い、慈愛に溢れた表情でリリアちゃんは説明する。


「ベイルも分かるでしょ? ドラクラ化のためには、聖女との同調がとても重要になるし、リラックスした状態が必要なの。スイさんがいては、その妨げになってしまう」


「えー! 私、静かにしてるよ?」


抵抗を試みるが、リリアちゃんは将軍譲りの鋭い視線を向けてくる。


「存在そのものがノイズなんです!」


ひ、ひどい……!!


「スイさん、私もこんな言い方したくありません。申し訳ないとも思います。でも、私たちは真剣なんです……」


確かに、その目を見れば気持ちは痛いくらい伝わってくるけどさ……。


「分かりました」


話を区切るのはレックスさんだ。


「時間もないので、リリア様の言う通りにしましょう。スイ様」


「はい!」


「馬車は用意できないので、私と二人で馬に乗りましょう。」


それって……二人乗りってこと?

テレビで見たことあるけど、凄い密着状態になるやつじゃない??


「待って、レックス!」


ベイルくんが言う。


「スイさんに乗馬は無理だよ。故郷で無理やりヤギに乗って、ひっくり返ったって言ってたし!」


「べ、ベイルくん!?」


言わなくていいよ!

恥ずかしい!!


聞かれたくないことを言われ、耳を赤くする私だが、レックスさんは涼し気に答える。


「大丈夫です。ベイル様も幼いころ、私が操る馬に乗ったことがあったでしょう? あのとき、恐怖を感じましたか?」


「そ、それは……」


「お任せください」


そう言って、レックスさんは馬車の扉を閉めてしまった。小窓からベイルくんが顔を出したので、私は「頑張れ!」という意味を込めて、頷いて見せた。が、ベイルくんは不安げなまま。


「さぁ、スイ様。乗ってください」


レックスさんに引っ張られ、私は馬の上に。


背中にはレックスさんの体温……!!

抱きしめられているみたいなんですけど!!


緊張の中、馬が走り出すと、レックスさんが耳元で囁いた。


「これは……チャンス、かもしれませんね」


え、どういうこと??

二人きりになるチャンス、ってこと??


「どさくさに紛れて、スイ様がベイル様をドラクラ化させてしまえば、我々の目的は達成します」


あ、そういうこと。でも……。


「いいんですか??」


「これを逃せば、次のチャンスはいつになるか分かりません。私が道を開きます。スイ様、どうか……!」


「分かりました!」


よっしゃーーー!

ここで私とベイルくんのコンビがどれだけ強いのか、見せつけてやる!


それで、あの将軍を一泡吹かせてやろうじゃないの!

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