所詮はポンコツよ
「この星は千年前は、生命が活動できないほど劣悪な環境だったと言われています。それを星の巫女が浄化。そして、数々の命を生み出したと言われています。聖女は、そんな星の巫女の力を一部使えるから、霧を浄化する力を持っているのです」
そうだったんだ……。
だから、ドラクラと同調するときは、星の巫女様に祈りを捧げるわけね。
ベイルくんの授業は次のページへ進む。
「聖女やドラクラだけでなく、騎士やサムライ、ポリスなど多くの組織によって王都は守られています。また、彼らのバックアップがあってこそ、フォグ・スイーパーは活躍できるので、僕らは感謝を忘れてはいけません」
な、なるほど。
ベイルくんの説明、めちゃくちゃ分かりやすいじゃん!
「では、スイさん。次に参考書の1ページ目から10ページ目を読んでみてください。さっきより、読みやすくなっているはずです」
「えええ? 文章だとまた難しいんじゃないかなぁ?」
しかし、言われた通り、参考書を読んでみると、今までが嘘だったみたいに内容を理解できる。
「ベイルくん、このまま50ページまで読めそうだよ!」
「いいですね! じゃあ読んでしまいましょうか!」
「うん!」
参考書を読み終えると、ベイルくんが簡単な問題を出してくれた。
「正解です。スイさん、理解も早いので、すぐにリネカーの授業だって分かるようになりますよ」
「本当??」
「はい。じゃあ、今度はスイさんが覚えた内容を僕に説明してみてください」
「私が?」
説明してみると、細かいところで理解できなかったことに気付く。そこをベイルくんが説明してくれたり、参考書を読み直してみたり、私は何だか勉強熱心になっていた。
「これで大丈夫そうですね。リネカーに声をかけてみてください」
「やってみる! 私、やってみるよ!」
中庭で読書するリネカーさんに声をかけてみる。リネカーさんは本を閉じると、私を睨みつけた。
「レックス様からの要請があったから、この仕事を受けましたが、私の時間は貴方によって割かれていることを忘れないでください」
さらに深い溜め息。
「……これで最後にしてもらいたいものです」
くうぅぅぅ……。
最初はイケメンだと思っていたけど、今は嫌味な憎たらしいやつにしか見えない。
絶対にぎゃふんと言わせてやるんだから!
十分の授業の後、リネカーさんは小テストの用紙を差し出した。
「50ページに三日間もかけたのです。全問正解は当たり前ですからね」
こ、こいつの目。私が正解できると思っていないな?
見てろよぉぉぉ!!
「……全問、正解です」
リネカーのやつ、目を丸くしてやんの。まさかって、びっくりしているみたい。
そんなリネカーに私は言ってやった。
「では、先生。次は100ページ目までお願いします。この調子なら、200ページまで進んでも問題ないと思いますけど」
一時間後。
夕方も過ぎて授業は終わった。
「スイさん、夕飯の時間ですよー?」
ベイルくんが顔を出す。
「べ、ベイルくん……」
「ど、どうしたんですか??」
ベイルくんが見たであろう私は、きっとデモンのように顔色が悪かっただろう。
「50ページ目までは理解できてたはずなのに、その後はぜんぜん分からなくて……。またリネカーさんに怒られちゃったよーう!」
「えええ??」
せっかくベイルくんが色々と教えてくれたのに……。もう自分のポンコツっぷりに涙が出てきちゃうよ……。
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