男は女々しい
2月19日(月)雨
子供の頃の家族構成は、父、母、姉、妹、と僕。ただし、父はほとんど家に寄り付かない人だったので、基本的に家の中は、女三人、男一人だった。
小学生の部活は、吹奏楽部。女子に混じってトランペットを吹いていた。中学校の部活は水泳部、すぐ隣のコースを競泳水着の女子が泳いでいた。高校は男女共学で美術部、部員のほとんどが女子だった。
大人になってからの家族構成は、妻、長女、次女、犬(初代、二代目ともメス)と僕。このメンバーに最近義母が加わった。
不思議だ。なんの因果か、昔から僕のまわりには女性ばかり。
さて。このように女性だらけの環境で生活を続けていると、さもすると女っぽい性格になってしまうのではないかと思う方がいるかもしれないが、それは大間違いである。
女性に感化されるどころか、逆に、おのれが女性とはまるで違う一匹の『男』という奇妙な生き物だということを、日々痛いほど思い知らされている。
具体的に言うと、男はクサい、男はエロい、男は単純、男は重いモノが持てる、男はチンチンが生えている、男はバカ、などであるが、僕が女性の中で生活をしていて最も思い知らされること、それは『男は女々しい』ということである。
男は女々しい。矛盾する言葉だが、これは真理である。こと男どもが寄り集まって集団を成すと、それは顕著だ。男の集団、それは、うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみ、がはびこる陰湿なコミュニティー。
大人になり、社会に出て、つくづく実感した。男だけの集団、あるいは女性を隅に追いやり、男が権勢を振っているような集団の、女々しいこと女々しいこと。
体育会系の縦社会は女々しい。封建的思想は女々しい。幕末の新選組のような閉塞した男社会は総じて女々しい。女性の冷ややかな視線から逃れ、男だけの空間で虚勢を張る男は、哀れなほど女々しい。
だから僕は、もっともっと女性に社会に出てきて欲しい。会社の上層部の、半分以上は女性で良いと思う。男は、仕事を覚えると、すぐに要領よくサボろうとする。経験上、女性は、手を抜かず生真面目に業務を遂行する人が多い。
そして、世の女性には、男をもっとしっかりと監視して欲しい。男は、女性の厳しい権力チェックが怖い。女性の冷笑が怖い。男は、基本的に女性にモテたいから、女性の前では、うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみ、などのカッコ悪い感情を露骨に出さない。男は、女性の前では、やせ我慢をする。元来女々しい男は、女性の前で、やせ我慢をして、歯をくいしばって、かろうじて男らしく振る舞っている。
男は、女性の前だと、がんばって男になる。




