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僕の日記  作者: Q輔
12/50

キャラクターが勝手に動き出したので連載を止めました

 2月23日(金)曇り

 

 以前「ファイナルジャッジ!」という三途の川の渡し守を主人公にした連載(連作)を書いていた。現在は書いていない。絶賛休憩中だ。あることが原因で筆が止まった。その原因は、タイトルのとおりである。


 連載作家様たちが、エッセイや活動報告などで「個性の強い魅力的なキャラクターを作り上げることに成功をすると、ストーリーをあれこれ考えなくても、キャラクターが勝手に動き出す。キャラクターが勝手に話し出す」なんてことを書かれているのを幾度か読んだことがある。まさに僕も上記作品でその状況に陥った。


「陥った」などという否定的な言葉を使うべきではないのかもしれない。動き出したキャラクターの言動を追いかけ、作家はただそれをひたすら活字に置き換えて行けばよいのだからね。いくらでも書ける。一年でも二年でも書き続けられる。実際その時はそう思った。


 でも、それゆえに、僕は連載を止めた。書いているのか、書かされているのか、よく分からなくなってしまったのだ。


 このキャラクターは、ここでこう言う。このキャラクターは、ここでこう動く。本当は物語をこう展開させたいのだけれど、このキャラクターの性格上それは難しいから諦める。ああ、創作に嫌気が差す。でも書ける。書けるのだ。どうしよう、ヤバい、ずっと書ける。環境や設定を整えて、そこにキャラクターを放ちさえすれば、永遠に書けてしまう。なんか怖い。止めたい。


 連載を止めてからは、週に一作のペースで、純文学の短編ばかりを、寂れた商店街にいる同じ味しか作れないコロッケ屋のオヤジのように、地道に書き続けている。キャラクターかストーリーかと問われれば、僕は後記に軸足を置いた作家なのかな。


 まあ、つっても、ぶっちゃけ、この件に関して、自分なりの明確な答えは出ていない。ただ、現実的に現在連載作品は書いていませんっちゅうだけの話であってね。またいつかシレッと連載を始めるかもしれないし、このままずっと書かないのかもしれないし、絶賛お悩み中なのよね。もうしばらくあれやこれやと悩んでいれば、やがて答えも出るだろう。今は陽気に、この悩みを楽しんでいる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とてもわかります。 僕は20年前にそれで筆を折りましたからね。 僕の場合は只ヶ未熟だったために、走り出したキャラクターの暴走を制御出来ずに作品を壊してしまったがために、自身の才能の無さを…
[一言] >寂れた商店街にいる同じ味しか作れないコロッケ屋のオヤジのように この絶妙なワーディングセンスがとても好きです。 ものすごく身近な言葉の組合せなのに、納得感が素晴らしくて。 私はコロッケ屋…
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