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引き渡された秘宝

「うむ、構わんぞ。わしもそろそろ返さんとなと思っていた所じゃ」

大事な物だからと思っていたため、あっさりした答えにポカンとする三人。

「大丈夫なのか?すごく大切にしていたのに・・・」

『(俺はすぐ許可が下りると思っていたがな)』

『なぜかは聞かんでおくか・・・』

何かを察したかのようなボスを首長が見て、一人で会話をする修を不思議そうに見た。

「修はなぜ一人で会話をしておるんじゃ?誰かが中に入っておるんか?」

「さすがじいちゃん察しが良いな。修の中に入っているのは森の中の瘴気の原因でもあった霊子の親玉だ。秘宝を故郷に返したら霊子に還す約束をしているらしい」

ファグルがボスを簡単に紹介をした。

『能力によって一時的に体を借りておるのだ。それにしても霊体に実体を貸す能力なぞ知らなかったからの、始めは戸惑ってしまった』

「そうだったのか、秘宝の力が働いたのかもしれんの」

憶測で答えるベッツに笑いかけるボス。その様子を見たファグルとカルゼはふと修の能力について改めて考えていた。修が異世界から来た事を知っている二人は、様々なイレギュラーな事象が起こるのではと考えているのであった。

『(まぁ俺は知っているけど言えないからな~)』

「それはそうじゃな。では話はこの辺にして秘宝の所に行くかの」

そう言ってベッツは椅子から腰を上げて部屋を出て、一行はその後をついて行った。




「ほれ、お主の探し物はこれじゃろ?」

ベッツの手の中には青白く光り輝く宝石の様な物があった。

『そうだ、これだ・・・やっと見つけた・・・』

ボスが両手で秘宝を包み込むようにぎゅっと握った。

「それは過去イーアス国に行った時に、恐らくお主の所の首長か誰かから譲り受けたものだったんじゃが、最近になってその地域が荒廃しかけているという噂を聞いたんじゃ。それを聞いてしまったからには返すべきじゃと思っていたんじゃよ」

悲しそうに目を伏せながらベッツは言う。

「わしの見立てでは、その宝石はお主の村を簡単に救う事が出来る程の物と考えておるんじゃ。違うかの?」

スゥっと片目を開いてボスを見るベッツに、ボスが当然だという風に顔を強ばらせた。

『(首長の見立ては合っている。俺の目にもこの宝石の情報が見えているんだが、俺の魔力の1億倍の魔力が秘められているな)』

『首長の心遣いに感謝する。我の故郷であるイーアス国シュートリア地区はこの恩は決して忘れないだろう』

首長の前に片膝を地に付き深々と礼をするボスに、ベッツは微笑みながらその頭をそっと撫でた。

「さて、引き渡しも済んだ事だし急いでボスの故郷に向かった方が良いかな?修の事も心配だし」

「そうだな。じいちゃんありがとう、ちょっと行ってくるぜ」

「うむ、気を付けて行って来るんじゃよ」

首長に見送られて部屋を出た一行は、門の方角へ急ぎ目に駆け出した。

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