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同志スターリンは美少女です!?  作者: 虎の狐
大戦
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22話 ミュンヘン講話会談




1944年8月15日。ドイツ新総統のマンシュタインの無条件降伏宣言により第二次世界大戦は幕を閉じた。


人々は世界規模での戦争が終結したことに深く安堵したと共にその惨状を改めて知ることとなる。

全欧州の都市はその殆どが焼け落ち、歴史的な価値のある建造物もその多くが灰となった。特にベルリンは悲惨で、最終決戦の地にもなったために多くの爆撃機から爆弾が投下され、砲兵隊から数十万発以上の砲弾を打ち込まれて壊滅状態に近かったのだが、それでもドイツ南部のバイエルンは殆ど戦争に巻き込まれておらず都市機能も十分にあったので、それと各国からも講話に来訪しやすいともあり講和条約の締結はドイツのミュンヘンで行われることとなった。

各国は第一次世界大戦からの教訓を得て、一国に過酷な講和条件を突き付けるのを忌避した。

前大戦でそれをしてしまった結果が今次大戦である。その為に領土や賠償金の要求は出来るだけ避けて、政治体制の変革を代わりに求めた。


この講話会議に日本は呼ばれていた。日本は既にアメリカ、イギリス、オランダ等の戦争状態だった連合各国とは既に単独講和条約を締結していたのだが、今次世界大戦に参戦していたこともあり呼ばれていた。それに、別にこの講話会議はただ単に講和条件を決めるだけではないので主要国全てが呼ばれていた。


各国首脳が一同に会しているのはこの大戦が終了したことを世界に示すためと、他には各国の(表面上の)仲直りをするためだ。平時では特に友好国でも非友好国でも貿易は行うものだしね。


まあ、私見たさに来たような人が殆どだよ。何せ私の見た目がね·······

ここで!!私の計画を話そう!

今回の講話会議でお茶が出されるのだがそれにこっそり()()()を混ぜるのだ!!そうすればイギリスのチャーチル首相、アメリカのルーズヴェルト大統領、フランスのド・ゴール大統領、ドイツのマンシュタイン総統、イタリア(王国)のパドリオ首相、大日本帝国の東條英機首相の列強6カ国のトップが一度に美少女になれるまたとない機会なのだ!

このような好機をどうして逃そうものか。私にはおじさんを美少女にすると言う使命が存在するのだ。

あんな薬が存在する以上私はおじさんの美少女化計画を進行していくしかない。

フフフ。各列強の首脳が美少女·········フフッ。想像しただけで笑みがこぼれる。


まあ、今はそれはいいとして講和条件なんだけど·······正直既に戦後に必要な影響力は確保したし、ドイツに関しても連合の相当な譲歩を引き出せる位にこの戦争には貢献した。

何はともあれひとまず講話会議の会場になっているニンフェンブルグ宮殿に向かわなければな。




■■■■




結果から言うと講話会議も、そして美少女化計画も万事上手くいった。


講和条件は枢軸国に対して軍備制限や賠償金や賠償地を少々課したものの、それは現在の枢軸国でも十年あれば十分に払える額に納めたし、軍備もそこまでガチガチに縛っていない。あくまで自国の防衛に必要な兵力だけの保持を認めたのだ。勿論、ドイツもイタリアも戦前の国境に戻して、再びポーランド、チェコスロバキア、オーストリアが再独立を果たした。

イタリアの海外植民地は全て取り上げられ、戦勝国に割り振られたが私はそれを求めなかった。その対価に、ドイツ国内の技術をこちらに取り込ませたし、これは各国もそうだがドイツ国内に存在した自国の美術品を接収した。特にフランスに対してはそれを多く求められた。戦争のどさくさに紛れて他国から運んだ美術品が多数あったので、もと在るべき国に返還させた。勿論フランス政府は相当渋ったが、流石に他の列強全てに迫られては断ることも叶わずに結局は受け入れた。

他には『相互戦災復興基本条約』を列強7カ国間で結び、各国のインフラや都市の復旧に際して優先的に資源や人員を動かせるようにしたものだ。

これは私の提案で、各国も直ぐに理解を示してくれて全員一致で取り決められた。

他にもその場で軍縮条約が決められ、それは『ミュンヘン軍縮条約』と名付けられた。内容に関しては、大戦で大量に動員した結果、各国ともに大量に膨れ上がった軍隊の縮小であり、主に陸軍に焦点が当てられた。この時陸軍の最大は我がソビエト連邦。海軍は大日本帝国が最大。空軍は僅差で我が国と大日本帝国、アメリカ合衆国が並ぶ。尚、大日本帝国は空軍ではなく陸軍航空隊と海軍航空隊であるがこの場では統一して空軍と呼んでいる。それに、どうやら日本にも空軍を設立する準備段階にあったようで、陸海軍の航空隊の統合を進めているらしい。


他に、大日本帝国と連合国間での一時的な戦争状態に関しても先の講和条約を以て全てを以前の関係に修復することを『日連共同宣言』で締結し、国交も無事に回復した。そしてソビエト連邦とは1945年までの不可侵条約を無期限延期とし、双方の合意でのみ破棄できるようにした。しかもその破棄後5年間は相互不可侵を条約に盛り込み締結。日ソ間の技術交換は終戦後改め、『日ソ技術共同開発条約』と名前を変えて存続。


世界的には新たに国際連合。通称:国連が正式に国際連盟の後継として発足することが決まった。それは即時の発足であり、臨時の国際連合本部として元国際連盟本部のあったスイスのジュネーブの元国際連盟本部庁舎をそのまま国際連合本部として一時使用されることとなった。

国連本部については交通の便と災害などを鑑みて史実同様ニューヨークに置かれることになり、全ての列強の首都にそれぞれ国際連合副庁舎を置くことが決められた。

又、地域単位ではアメリカ合衆国と大英帝国中心で北大西洋条約機構。通称:NATOが戦後発足し、それに対抗するようにソ連中心のワルシャワ条約機構。通称:WTOが発足した。

他にも大日本帝国中心の大東亜共栄圏も未だ健在である。


つまり上記のように世界は3つの陣営に別れている。


“世界3分の計”


誰からともなくそう呼ばれるようになったこの体制は地球において長らく続くことになり、後に統合の時を迎える。


全世界に波及した大戦は終わり、人類は再び未来へと向けて一歩ずつ確実に歩みを進めていく。





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