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同志スターリンは美少女です!?  作者: 虎の狐
大戦
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21話 第二次世界大戦終戦




1943年8月。ついに我々のソ連軍は旧ポーランド国境を超えてドイツ占領下のポーランドへと踏み込んだ。


しかし、そこから思わぬ事態が発生したのだ。何とドイツ軍のV1による攻撃が始まりこちらの損害が急に膨れ上がった。そもそもV1はこの年まだドイツは配備もしていない筈だったのだが·······とんでもない誤算だったようだ。

どんな方法を使ったのかは知らないが大量のV1を用いて連合や我々に甚大な被害を与えているようだった。


戦車もロケットの前では無力にも破れ去り相応に侵攻速度が落ち、戦車の機動力を生かした浸透突破も出来なくなりつつあった。これにより一時的に停滞した戦線にソ連軍は多連装ロケット装甲車のカチューシャを投入してドイツ軍に反撃を試みて両方更に被害を拡大させていた。

ベルリンまではまだそれなりの距離があるがさすがにV1にも限りがあるのか、当初に比べればその投射量は随分と減っていた。

それを好機と見たソ連軍は直ちに侵攻を再開して戦線を突破していった。

しかしドイツ軍もただで殺られる訳もなく市街地を用いて巧みなゲリラ戦術をしたために市街戦で戦車はロクに使えないためこちらの被害が甚大になり更に侵攻速度が落ちた。

最終的には1ヶ月で10キロ進むか進まないか位になってしまった。そうでもしないと到底補給が追い付かないし、占領した都市には憲兵を置かなければパルチザン祭りになりそうだったのでそれが原因で遅くなったのだ。


それでもソ連軍は着実に侵攻をしており、ここに来て連合軍はノルマンディー上陸作戦を1年も繰り上げて決行。こちら側に戦力の大半を注いでいたドイツ軍はそれを止める力はなく、あっさりと上陸を許してしまった。ただ、連合軍もドイツ軍航空機による攻撃や沿岸要塞による砲撃により少なくない被害を被っており、暫くはノルマンディーに拠点を設営するために停止するだろうという見込みだった。


更にフィンランドは1943年末にノルウェーを解放。ソ連軍もノルウェーより軍事通行権を得て、スカゲラク海峡を経て旧デンマークに上陸を開始。

ここならばキールにも近いのでドイツにとっては多大な痛手となるだろう。




■■■■




ドイツ首都ベルリン、総統官邸地下壕


「このように我々は四方面の戦線を抱えており、現状の戦線の維持は不可能です。特にソ連軍に至っては既に本国国境を破らんとする勢いで、デンマーク方面は既に国境突破を許してしまっています。キールは既に陥落、直にここベルリンに至るでしょう。バルカン方面は連合軍の上陸によりイタリアが陥落。ムッソリーニ統帥率いるイタリア社会共和国が抵抗を続けておりますがそれもいつまで持つか·······深刻なのはフランス方面でして、殆ど防衛兵力のいないフランスはすでにパリが取り返されフランス共和国の復活宣言がなされています。それに、反撃の要のV1ロケットも殆ど撃ち尽くしており抵抗の目処が立ちません。·······総統閣下。どうか講話をお考え下さい。最早我々に抵抗能力は御座いません。ソ連軍や連合軍の空爆により工場の稼働率が著しく低下しており、資源も輸入もままならず満足に兵器弾薬の補給が出来ません。どうか、講話を。」


「·········ならん。それだけは絶対にならぬ!!奴等に降服などしてみろ!!必ずあのボリシェビキ共と資本主義の豚共は我が偉大なるドイツをパイのように切り分けようぞ!!我が神聖なる大地をあんな奴等に踏ませてなるか!!死守せよ!現状の戦線を死守するんだ!!」


部下のその言葉に激昂したヒトラーはただひたすらに死守命令を出すだけだった。


「総統閣下。お言葉ですがそれは不可能です。我々にはまともに防衛できる武器と弾薬がありません。人員が幾ら居ても弾薬とそれを使う兵器がなければ本当に中世のように白兵戦を行うしか無くなります。そうなっては無駄に若者の血が流れるのです。だから、どうか講話を。」


「ええい!!この敗北主義者がっ!!武装SS!この敗北主義者を処刑しろ!!」


ヒトラーは自身の武装SSに自身に意見具申した男を処刑するように命令したが誰一人として動かなかった。


「何をしている貴様ら!!さっさとこの男を処刑しろ!!」


ヒトラーは武装SSが中々動かないことに激昂して怒鳴り散らす。そんな総統を見て武装SS隊員は漸く口を開いた。


「ヒトラー。最早貴様は我々の総統ではない。我々の命を無駄に消費する者など悪魔にも等しい。よって我々は貴様を拘束する。我々はマンシュタイン将軍を新総統として仰ぎ連合及びソ連に降伏する。ヒトラー、貴様はその土産と言う訳だ。」


「何だと!!?そんなことをしてただで済むと思っているのか!!?衛兵!!この裏切り者を直ぐに殺すんだ!!」


「無駄ですよ、ヒトラー。既にこの場に居るものの意思は全て私と同様です。衛兵、この男を拘束しろ。」


武装SS隊長の命令を受け、衛兵は直ぐにヒトラーを拘束して連合していった。

ヒトラーは最後の最後まで抵抗を続けていたが、結局はどうしようもないことを悟ると大人しくなった。


これによりドイツ新総統であるマンシュタインが直々にドイツ降伏を宣言して第二次世界大戦は幕を閉じた。それは史実とは違った形で。




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