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同志スターリンは美少女です!?  作者: 虎の狐
大戦
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14話 スペイン内戦(合流) ドイツ─ソビエト連邦開戦前




歴史は変えられる。


それは私がこの時代に転生?憑依?して実感したことだ。


現実的には不可能だろう。どれだけ科学技術が進もうと過去にだけは行けない。タイムマシンという夢のような機械でも未来は見れて過去には戻れないのは既に数学的にも解り得ていること。


しかし私は過去の人物に憑依するという非科学的な体験をして実際にこの世界大戦の時代を生きている。


第二次世界大戦は始まった。







■■■■





この私というイレギュラーが居るこの世界のドイツは史実通りにポーランドに侵攻して約一ヶ月という短期間でポーランドを下してその戦力を低地諸国及びフランス国境に差し向けた。そこからの展開も同じ。

ドイツはオランダ、ベルギーに宣戦布告してアルデンヌの森を抜けてフランス北部に侵攻した。まともな防御線を北部に構築していなかったフランス軍はドイツの新鋭機甲師団を止められる筈もなく呆気なく瓦解。


パリも瞬く間に陥落して6月25日にフランス政府は降伏。北部はドイツに、南部にヴィシー政府が樹立され、自由フランスとしてアフリカ植民地に政府を移し徹底抗戦を宣言した。


しかし史実通りダンケルクにてドイツ軍は34万の将兵を捕り逃しイギリスへの脱出を許してしまう。これが後の敗因に大きな影響を与えているのだがこの時それを知るものはドイツには居なかった。


軍部も政府も仇敵であるフランスを降したことに有頂天になっておりどこもかしこもお祭り騒ぎだったのだ。ヒトラーも陥落させたパリを視察していた。


その頃のソビエト連邦の動きと言えば特にはない。バルト3国に独立保証を行ったり、これは外部には知られていないが兵力の殆どを要塞線よりも後ろに下げたりしていた。他にはイタリア並みの海軍にまで復活した海軍をレニングラード、セヴァストポリの軍港に集めたり対ドイツへ備えを始めていた。






■■■■






一方スペイン内戦は終息へ向かっていた。


ドイツが連合国と開戦したことにより戦力の海上輸送も陸路での輸送も不可能になり枢軸全軍は撤退した。


一方ソ連もそれに合わせて兵力を自国内に撤収していた。それにより再び初期の通り国粋と共和のみの戦いとなり内戦は更に長期化。結局スペイン内戦が終結したのは第二次世界大戦半ばの1942年5月になった。史実よりも3年も長くなった内戦により国内は疲弊。とても国家総動員を要求される大戦への参加が出来るわけもなく終戦まで中立を保った。




極東では日中戦争が終結。史実では合計8年間にも及ぶ泥沼の戦争だったがこの世界ではソ連からのてこ入れやアメリカからの支援の低下により、国民党及び共産党は日本軍を押さえきれず国民党最後の重要都市である重慶を落とされ遂に講話の席に着いた。共産党に至っては1939年半ばに降伏していた。これで大日本帝国は東アジア(中国大陸)に覇権を打ち立て、列強としての立場を確固たるものとした。それに加え中国に眠る大量の資源もこの時点で有したため、石油やゴム以外の資源で困ることもそうそうないと思われる。


中国の敗戦により最も影響を受けたのは勿論イギリスとアメリカである。これで事実上中国は日本の傀儡国と化しドイツ寄りの日本に対して香港の防衛が危うくなった。


分かりにくいのでここで日本の外交関係を纏めるとこんな感じ。


アメリカ:国交断絶寸前

イギリス:警戒

ドイツ:陣営参加要請

ソビエト連邦:持ちつ持たれつ

フランス:仏領インドシナ要求


主要国相手にはこんな感じだ。実質的に中国を丸々手に入れた日本はその目を東南アジアに安心して向けられるようになり現在ではイギリスとの関係が急速に冷え込んだようだ。しかしこの世界に限っては石油は未だソビエト連邦からシベリア経由で輸入されているためアメリカが突き付けた石油の禁輸もどこ吹く風だった。しかしそれでもハル・ノートを突き付けられれば開戦せざるを得ないだろうというのがスターリンの見解だった。


恐らく中国を下したことによりもっと史実よりも要求が厳しくなるだろうと予測している。しかしこの世界の日本に限りその気になれば中国に居る膨大な人的資源を無理矢理にでも戦力として投入できるのだ。中国の工業力はそこまで無いにしても今回の戦勝により日本の企業により早速工場が建てられている。その理由としては勿論現在と同様に安い賃金で労働力を得られるからである。その為今はまだ分からないがこれが一、二年もすれば化けるだろう。

まあ、それでもアメリカ相手は厳しいだろうからな。


アメリカが本当に工業力の殆どを兵器の生産に充ててしまえば本当に手に負えなくなる。それほどまでにアメリカの工業力は異次元にあるのだ。まあそれは我がソビエト連邦にも言えるのだが。史実では小銃さえ一人に一丁とか言う体たらくだったが今では全ての兵器に十分な備蓄がある。工業もアメリカに匹敵するくらいに伸ばした。この時代ではソ連とアメリカの工業力にはそこまで差は元々無かったのだから、その差を埋めるのは以外と簡単だった。何故ならこちらは独裁政治なのでやりたいようにやれるからだ。





■■■■





既に西側にフリーハンドを得ているドイツがいつこちらに来るのかも分からないこの状況で私は全てを将兵たちに任せるしか無いのだ。その祖国を守りたい、大切な人を守りたいという個々人の思いにこの国を既に委ねている。確実にドイツはこちらに来る。

私がやれることは全てやり尽くした。後はトゥハチェフスキー達に任せるしか無いのだ。ここで戦争素人の私が口を挟んでも破綻するだけなのは解りきっている。だから私は任せるしかなかった。

既に賽は投げられている。だから私はただひたすらに祖国の安寧と無事を、国民の平和と無事を、将兵への感謝と懺悔を。

そしてこの世界に私を送った神に。ただひたすら祈った。




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