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立ち回りは優雅に
お読みいただきありがとうございます
はぁ…なんてため息つく石。
いや、まぁここは異世界だからありなんだろうが。
「まぁ、話すのも久方ぶりですからのぉ。ちょっと恥ずかしいのですわ」
照れているナイスミドルボイス。
いや、大分大丈夫です。
「自己紹介といいますか、私は試しの石と申します。まぁ論より証拠ですかな」
ゆっくりと静かに、煌めく海の青みたいに光出す。
「私に手を触れて下さるだけ結構。魔力が
あるなら私の色が変わりますでのぉ」
思わず小さく呟いて後悔した。
「いや、まるでお色直しか」
聞こえたらしく石が返した答えは
「まぁ、貴方色に染まるのですかな」
…そんな照れている声だ。