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だけどいつか、流れる川の水を必死に止めようとする犬がいたが、一瞬一瞬を止めることは、不可能だ。今のこの一瞬の現実は、1秒前の過去となって過ぎ去ってしまう…。

この時間を…この空間を止めてみたい…どんなに願っても出来なかった…。

クルミにとって、今を生きる現実は絶対に手に入らないもの…だけど、今を生きているのも事実だ…。

そして更に、2時間後には食事をして、温泉に入り、眠っているのだろう…。

たまにクルミは、この現実でさえ、自分が生み出した仮想現実なのではないか…と思う事がある。

あまりにも美しすぎる時、そうやってクルミは、現実から逃避をしようとする…。







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