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Aliceゲーム  作者: 月ト星ノ鎮魂歌
2/6

二枚目――「ここは、何処?」

「AliceはAliceだヨネ。……僕がそう呼んだから。」

永遠にも思える暗闇の後…ライは、何処か見知らぬ場所にいた。


周りの家はレンガが積み重なって出来ていた。


地面も…ちゃんと舗装されている。


「やっとキテくれたね、Alice。」


ライがそちらを見ると…例の男が立っていた。


ニヤリと嗤ったまま、服についている布で頭を覆っている。


「お前…!お、俺を何処に連れてきた!?と言うかお前の服はなんだ!?そんな服、見たこともないぞ!」


「おやおや怖い怖い…ここはスゥラー。僕の服はパーカーっていう最先端のフクなのさ。」


ニヤニヤ…と相手は嗤っている。


「ああ、自己紹介だ。僕はChesha。Aliceをサガしてたのさ。」


Cheshaと名乗った男は、ただにこやかに嗤っている。


「Alice、Aliceって…俺はちゃんと名前が…」


「NONO…それは駄目だよAlice。ここではホントウの名前は名乗っちゃいけない。」


いつの間にか近くにいたCheshaは、ニコニコと言葉を遮った。


「…で……なんで俺をここに?」


ライはやや諦めつつ聞いた。


Cheshaは…意外と快く教えてくれた。


「簡単。Alice…キミはここで追手達から逃げるのさ。」


「追手?なんで俺を捕まえるんだ?」


言いながら…ライは自分の体を見回す。


服がいつの間にか変わっていた。


そう…建物の外観とあっているような、服に。


Cheshaは小さく嗤って言う。


「彼等…彼女等ダね。ほら…君のお仲間だね、あれハ。」


彼が指差した先…そこには、同じ様な格好の少年と男がいた。


二人は何かから逃げており、二人の目の前を走り去った。


Cheshaがライを抱え、近くの植え込みに隠れる。


「何処だい~?アタシの可愛い食材は?」


ドスドス…とした足音とは裏腹の、細身の影が走り去った。


「あ、あれは……」


ライが、やや震えつつ聞いた。


Cheshaが楽しそうに言う。


「あレハ“Eat-big-madam”だね。捕まったら食べられるよ。」


「食べられるって……何なんだよ、これは!」


ライがやや怒りながら言うと…Cheshaは言った。


「Aliceゲーム。このゲームのナマエさ。……ルールも簡単に説明するよ。」


言いながら、Cheshaは紙を渡してきた。


それによると…


『Aliceと呼ばれ、返事した者は男女問わずゲーム参加しなければならない』


『Alice一人に付き一人はCheshaが同行しなければならない』


『AliceはSleepy-mouseやHeart-of-queen等から逃げなければならない』


『Aliceを捕まえた追跡者達は以下に記す事以外のほぼ全てを行って良い』


『・卑猥な要求

 ・窃盗、殺人の依頼

 ・追跡者がAliceに殺される事を望む事

 ・下品な行為

 ・他のAliceをとらえさせる行為

 ・他の追跡者及び、他のAliceへの妨害行為の依頼』


『Alice達は以下の事を行ってはならない』


『・追跡者への反抗

 ・追跡者達を殺害する事

 ・Alice同士で共闘する事

 ・Cheshaを置いて遠くへと行く事』


『言いつけを守らなかった場合、その場で処刑する』


ライはやや青ざめつつ、Cheshaに紙を返した。


Cheshaは受け取りながら…聞いた。


意地悪そうに。


「参加するカイ?」


「参加しないと…戻れない、だろ……。」


茫然とした様に呟くライを満足げに見るChesha。


彼の眼は、愉快そうに笑っていた。


黄色と、緑の目で。

Enemy data


『名:Eat-big-madam


 通称:マダム


 Aliceを捕えた場合:食す。


 Cheshaを捕えた場合:食す。


 武器:自らの口。強靭なあごの力の前では骨も柔らかい。』

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