1再生
ある日、いきなり俺のXにDMが届いた。
いきなりのDMすいません。元気さんのYoutubeのファンです。一度お会いできませんか?
俺は驚いた。
俺のYoutubeは三年で登録者は500人だった。
ヤッター!!オレにもやっとファンができたのか??
でも怪しいぞ!!
オレはDMが届いたアカウントのホーム画面をのぞいた。
プロフィール画像は猫だった。
フォロワーの数は1500人だった。
プロフィールにYoutubeのURLが貼ってあった。
URLをタップした。
書店員の休日Vlogというチャンネル名だった。
スレンダーな20代前後の女性の休日のVlogのYoutubeだった。
チャンネル登録者は、1万2000人だった。
嬉しいような、悔しいような複雑な感情になった。
俺はまたDMを見た。
いきなりのDMすいません。元気さんのYoutubeのファンです。一度お会いできませんか?
俺はにやけた。
「モテ期かよ。まだか…。」
俺はDMを打ち返した。
初めまして、田中元気です。よろしくお願いします。なんとお呼びすればいいですか?
1時間してDMが来た。
すいません。ユキと申します。よろしくお願いします。
俺はまたDMの返事を返した。
そしてユキさんの休みの休日に喫茶店で会うことになった。
俺は普段よりオシャレをして、電車に揺れ、名古屋駅に着いた。
人混みの中でユキさんを待った。
「こんにちは」
僕の後ろから高い声が響いた。
僕は驚き後ろを振り向いた。
笑顔のユキさんが立っていた。
ユキさんは光って見えた。
「こんにちは。初めまして、田中元気です。」
ユキさんは、
「元気さん⁈こんにちは⁈」
「ユキさん⁈」
「はい。」
最初の挨拶はたあいもなかった。
僕が、
「喫茶店でも行きましょうか?」
と尋ねたら彼女は頷いた。
俺がアイフォンで近くの喫茶店を探して向かった。
「いらっしゃいませ」
喫茶店の店員は大声で挨拶した。
僕は、「2人です。」
と会釈した。
「お好きな席どうぞ」
僕とユキさんは窓際の席に座った。
「ユキさん、なぜ僕にDMをくれたんですか?」
ユキさんは少し手間取って、
「あ、あの…」
「いらしゃいませ。ご注文はどうしますか?」
店員さんがテーブルに水の入ったグラスを2つ置いた。
僕はテーブルのメニューをユキさんに渡し、
「アイスコーヒー1つ。ユキさんは?」
ユキさんはメニューを開き、
「私、カフェ・オレの冷たいの」
「わかりました。アイスコーヒーとアイスカフェ・オレですね」
僕とユキさんは頷いた。
「失礼します」
店員は頭を下げ、厨房の方へ帰った。
僕はグラスの水に口に付けた。
「ユキさん、なんでDMをくれたの?」
ユキさんも水を飲み、
「あの、私は元気さんのYoutubeのファンで」
ユキさんは顔を赤らめ、グラスの水を覗いている。
「いつから見てるんですか?」
僕は尋ねた。
「一年半前です」
「失礼します。アイスコーヒーのお客様」
僕は手を上げた。
店員は僕の方にアイスコーヒーを置いて、ユキさんの方にアイスカフェ・オレを置いた。
「失礼しました」
店員は頭を下げて、厨房の方へ帰っていった。
僕はアイスコーヒーにストローをさし、ストローに口をつけすすった。
ユキさんもカフェ・オレにストローをさして、かき混ぜてストローをすすった。
「一年半前です。その時、私就活で大変だったんです。それで映画のレビューのYoutubeを探していました。そしたら元気さんのYoutubeが出てきたのです。」
「そうだったんですね」
僕は高揚して口角が上がった。
「元気さんの映画レビューは的確で面白いんですよ」
「ユキさんは映画好きなんですか?」
「はい、あまり詳しくはないんですけど…」
「どんなジャンルが好きなんですか?」
「青春映画とSF映画」
「一番好きな映画てありますか?」
「リンダ リンダ リンダとミツバチのささやきかな〜?」
「SF映画ちゃうやん」
2人は笑った。
2人は喫茶店でペペロンチーノとナポリタンを食べた。
「ユキさんは仕事なにしてるんですか?」
「一年前から書店で店員をしてます」
「そうなんすね。そろそろ喫茶店出ます?」
「はい」
僕は伝票を持ってレジに向かった。
店員が、
「すべてで3600円です」
僕は4000円を支払った。
ユキさんは財布を出したが、僕が手で止めた。
「ありがとうございました」
2人は喫茶店を出た。
「元気さん、ご馳走様です」
「いいですよ。ユキさん今日予定ありますか?」
ユキさんは戸惑って、
「ないです」
「カラオケどうですか?」
「はい」
僕はアイフォンでカラオケBOXを探した。
わりかし近くにカラオケBOXはあった。
「いらっしゃいませ」
「2人、お願いします。」
「時間は?」
「2時間で」
僕達は部屋の鍵を渡された。
僕達は部屋に入った。
「ユキさん先に歌いますか?」
ユキさんは少し顔を赤らめたが、
「はい」
と頷いて、曲を入れた。
あいみょんの君はロックなんて聴かないのイントロが流れた。
「少し寂しそうな君に〜 こんな歌を聞かせ〜よう…」
あいみょんを歌う彼女は少し寂しそうに見えた。
彼女は歌を歌い終えた。
僕はアジカンの君という花を入れた。
イントロが流れた。
ギターの心地いいリフ。
「見えすいたホームの絶望で 空回る心がループした 何気なく何となく進む 淀めあるストーリー」
僕も歌い終わった。
僕がふと、
「ユキさんて、彼氏いるんですか?」
ユキさんは頭を縦に振った。
「はい」
カラオケは2時間で終わり、駅で別れることになった。
別れ際、僕は少し寂しそうに手を振る彼女の姿が忘れられない。




