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人権なし異能者  作者: 緋鯉
1ヶ月の内容 続き
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〇月×日

魔乱発生から10日目

神の封印は予定通り完了。

結界の安定を確認後、夜凪は休息を取らずに現場を離脱した。本人曰く「もう終わったでしょ」とのことだったが、実際には神格存在の残滓が完全に沈静化するまで半日はかかっている。休息も取らず夜凪はそのまま通常の禍種狩りへ復帰。

体調、精神状態ともに問題なし。


○月✕日

魔乱発生から11日目

特A級能力者 結界師の兄妹が夜凪のもとを訪問した。形式的な謝罪と菓子折を持参。謝罪内容は妥当、態度も過剰ではなかった。

夜凪は特に気にした様子もなく受け取っていた。その場で結界師の妹と後日遊びに行く約束をしたらしい。

社交性が低い割に、こういうところは自然だ。


○月✕日

魔乱発生から12日目

禍種狩りを継続。討伐ペースは依然として異常値。

効率重視で、無駄な戦闘は避けている。怪我なし。

疲労の兆候も見られない。


○月✕日

14日目

第3波の最中、空中移動する夜凪の映像が民間ヘリのカメラに映り込み、ニュースに使用された。録画した。

顔は判別不能だが、飛行能力が注目されている。

SNS上では特A級能力者ではないかとの憶測が広がった。

その後、新月は夜凪に対し顔と輪郭を隠すための布を支給。

夜凪は特に文句も言わず受け取っていたが、使い方には悩んでいる様子。


○月✕日

魔乱発生から15日目

ネット検索により忍者頭巾の巻き方を調査。

新月が難色を示す。代替案として仮面を支給される。子供向けの祭り用商品。プリキュア。新月の子供のお下がりである。夜凪は無言で装着。拒否はしない。

周囲の視線については、あまり気にしていない様子。


○月✕日

魔乱発生から21日目

大海が外交任務のため国外へ。

その代替として、夜凪が海中禍種の駆除を担当。

海中戦闘可能者は希少である。


○月✕日

魔乱発生から25日目

外交任務を終えた大海と海上で遭遇。

大海はスーツ姿で海面を歩いている。夜凪は空中に静止。例の仮面を着用していた。

両者、数秒間無言。大海の表情は呆然。


○月✕日

魔乱発生から26日目

夜凪は政府管理下施設へ戻り、異能訓練を実施。

出力制御、持続時間、同時処理能力、すべて向上している。


○月✕日

魔乱発生から31日目

魔乱による被害は落ち着いている。企業やボランティアにより魔乱の被害による復興は半分以上進んだとニュースで流れている。

夜凪の任務も終わったのだろう。本日から大学へと登校している。

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